Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

うどん研究所でブックイベント⁉︎ 「川西空想書店」に遊びに行って来ました。

みなさんこんにちは。

今日もだらだらしてますか。

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

突然ですが、みなさんうどんはお好きですか。

僕は大好きです。

大学時代に初めて香川を訪れて以来、毎年最低でも2回はうどんを食べるためだけに車を走らせるくらいには好きです。

たらふくうどんをすすってその日のうちに帰るのです。

ああ、香川行きたい。

むしろ、香川こっち来ないかなあ。

そしたら毎日毎食うどん暮らしなのに。

と、うどん愛を語ったということは、今回は香川の素敵な本屋さん!

……ではありません(いずれ行きますが)

 

じゃあなんでうどんの話なんかしたんだと言われても困ります。

とあるうどん「研究所」がブックイベントを開催すると小耳にはさんだからです。

もうこの時点で面白い。

大好きな本。

大好物のうどん。

男ゴコロをくすぐる「研究所」というワクワクワード。

好きなものてんこ盛りすぎてちょっと混乱するレベル。

これは遊びにいくしかない。

そして食べねばなるまい。

 

というわけで今回は、兵庫県川西市にある「絹延橋うどん研究所」さん主催「川西空想書店」のイベントレポートです。

いったいどんなうどんと……じゃないや、どんな素敵な本や人との出会いがあったのでしょうか。

 

 

 

うどん屋じゃない、うどん研究所だ

 

能勢電鉄妙見線絹延橋駅から南へ徒歩1分。

 

こちらが今回のイベント会場「絹延橋うどん研究所」さんです。

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僕が知ってるうどん屋さんと違って、スタイリッシュな外観。

私設の美術館ですと言われても驚きません。

 

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すごくオシャレです。

 

気を付けなければいけないのは、ここはうどん屋さんではないということ。

あくまでも研究所。

元公務員だというご主人、じゃなくて「所長」さんがうどんの神髄をつかむために設立されたこちらの研究所では、日夜美味しいうどんの研究が進められているのです。

最近では小麦の栽培もされているというから驚き。

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こだわりのうどんは後ほど味わうことにして、まずはお目当ての「川西空想書店」へいきましょう。

 

・研究所の2階が1日限りの本屋さんに

会場となっている研究所の2階は、普段はさまざまなイベントが催されるライブハウスになっています。

その名も「ライブハウス うどん屋の2階」

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いさぎよいです。

 

所長さんが研究所を始めるにあたって、その設計段階からこのライブハウスは構想に組み込まれていたのだそうです。

そのため、音響、照明の設備も整っています。

天井も高く、東向きの窓も大きくとられていて、心地よい開放感。

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そんなゆったりまったり空間に出店された面々をご紹介いたします。

皆さまそれぞれ個性が光っていて、とても面白い。

 

まずは「ぽんつく文庫」さん。

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店主さんは「ウォンバット普及委員枚方支部会員」なのだそうで、お店の様子も並んだ本もウォンバットを意識されていました。

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愛らしい手書きのウォンバット

 

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愛が高じてこんなものまで。

こちらは準備号ということで無料でいただけます。

次回以降は有料となりまして、一箱古本市で入手できるのだそうです。

中身は五月山動物園の5頭(日本全国で7頭しか飼育されていないそうで、そのほとんどがここに!)のウォンバットの愛くるしさを余すことなく紹介するものになっています。

五月山動物園は絹延橋うどん研究所からもほど近いので、庵主もウォンバットに会いに行ってきました。

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ずっとモコモコ歩いていて実に可愛かった。

五月山動物園の目玉ということもあって大人気。

この角度から撮るのが精一杯でした。

バズーカみたいな望遠レンズで熱心に撮っているおじさんもいました。

ウォンバッターの方だったのでしょうか。

 

つづきまして、「Traveling Bookstore(トラベリングブックストア)」さん。

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店主さんはもともと本屋さんを営まれていたそう。

 

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実に味のあるチョイスです。

 

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小波世界御伽噺13『かまどの神』

シンプルながら品のある佇まいです。

 

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タンタン!

 

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こちらは2006年に世田谷文学館で開催された花森安治と「暮らしの手帳」展の図録。

美しいですねえ。

1300部しか作られなかったようで、なかなか貴重なものです。

 

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店主さんの読書姿はさすがに様になっています。

 

本以外にも1930年代の外国の絵葉書なんかも置いてあり、実に目が楽しかったです。

 

お次は大阪阿倍野の「みつばち古書部」でお店番もされている、3人組の「kosho-ri」さん。

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面白い表紙の本だなあと思って見ていたら、「それ看板なんです」といたずらっぽく店主さん。

全然気付きませんでした!(ブックスタンドに乗ってるし)

いーい遊びゴコロですねー。

 

こちらではインテリアと調和することをテーマにされていて、かなりオシャレな本たちが並べられていました。

本だって暮らしの一部ですからね。

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大人向けの絵本や、日々の暮らしに目を向けた本がたくさん。

 

そしてスリップ(書籍に挟んである短冊形の伝票)が最高に可愛らしかった。

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描かれているのはエスキモー。

眠っているのでしょうか、目を閉じて穏やかな表情。

 

庵主「この素敵なスリップにはどんな想いが込められているのですか?」

店主「あ、特にないですよ」

庵主「え? じゃ、じゃあなんでエスキモー?」

店主「うーん、なんとなく?(笑)」

 

最初から最後まで翻弄されっぱなしでした。

 

「cross✳︎(クロスアスタリスク)」さんは販売はされていませんでしたが、食べ物の本、写真やアルバムの本が可愛らしくバスケットにおさめられていました。

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スマホの写真をチェキでプリントアウトしてカップケーキ型のフォトスタンドを作るワークショップをされていたようです(写真撮り忘れてしまいました…なんということだ)

 

それからそれから、忘れちゃいけない、所長のチョイスした本たちも。

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バラエティに富んだ面々。

漫画勢の存在感がすごい。

 

売り物ではないですが、ライブハウスに普段から置かれている本もたくさん。

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売られている本の中には、いろんな人に読んでもらいたすぎて、所長がわざわざ新刊本を取り寄せたものまであったんだとか。

愛がすごいですねえ。

途中、1階でせっせとうどんを提供していた所長が駆け上がってこられました。

肩で息をしながら「何か売れた!?」と一言。

スタッフの方から売れた本の報告を聞くと「うれしいねえ!!」と満面の笑みを浮かべて、階段を駆け下りて研究スペース、もとい厨房へ嵐のように去って行かれました。

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所長さん。

こちらまで笑顔になりますね。

 

うどんをすすりつつ所長さんとお話させていただいたのですが、その端々から本と、本屋さんに対する愛情が伝わってきました。

この「川西空想書店」に集った店主さんたちも、みなさん形は違えど本に対する想いは似たところがあるように感じました。

そして会場を訪れたお客さんの楽しそうな様子。

庵主は企画に何にも関わっていないというのに、(会場奥のソファに踏ん反り返って)会場の様子を見ていると、すごく心が満たされてゆくのを感じました。

本を売る側、見に来た側、双方向のコミュニケーションが会場に笑顔を生み出す。

これが一番大事ですよね。

本当に優しい空気をありがとうございます。

 

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買った本を早速読んであげたり。

 

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この本昔読んで大好きだったんだよねー!と友達同士で盛り上がったり。

 

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クッキーにだってなっちゃったり⁉︎

 

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そして、じっくり一冊の本と向き合ったり。

 

 

月並みですが、やっぱ本はいいもんですね。

 

・絶品うどん、いただきます!

はい、終わらせようとしてませんよ、お待ちかねのうどんタイムです!

ここまで来て何も食べずに帰るわけないでしょう。

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普段からお昼時は大混雑だそうです。

うどんを出しつつ、麺を打つ所長さんは大忙し。

いろんなところからここのうどんを求めて「うどん狂い」がやってくるのですねえ。

営業は水曜から日曜の11:30から14:00(土曜は17時30分から20時も開いています)

麺が無くなり次第営業終了ですのでご注意を!

そのほかメニュー等の詳しい情報については下記をご参照ください。

r.goope.jp

 

こちらは半分セルフサービスという方式をとっています。

以下にその大まかな流れを。

 

①おかずコーナーでお箸とお盆を仲間にします。

 まずは「場」を作ってあげるんですね。

 

②好きなおかずを片っ端からスカウトします。

 おかずは一口天ぷら、焼き野菜、うす味おでん、自家製のお漬物、週替わりのごはん

 

③レジにうどんの種類を伝えて、お支払いを済ませましょう。

 

④あとは席についてはやる気持ちを抑えつつ待ちわびていると、しずしずとうどんが運ばれて来ます。

 

⑤到着するやいなや全力でかきこみましょう。

 

⑥ヘブンズゲートが開く。

 

今回僕がヘブンさせていただいたのは、こちら。

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ぶっかけのひや!

優勝!

 

しっかりした歯ごたえがたまらんでした、ハイ。

大根おろしとすだちがまたいいんです。

日替わりごはんは「大根葉の炊き込み」でした。

一口食べてあまりの美味しさに、写真を撮るのを忘れるほど。

惜しむらくは一口天ぷらが売り切れてしまっていたこと!

美味しさゆえの宿命ですね。

必ずリベンジします。

 

それから、味とは関係のないところですが器が面白かった。

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これは隣のお客さんの分なのですが、食べ進めてゆくとキリンが!

何これ面白い!と嬉しそうなお隣さん。

大好きな作家さんに頼んで作ってもらったんだー、となぜかドヤ顔の所長さん。

器をきっかけに会話が生まれるって、いいですね。

 

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猫もあるよ!

 

 

いやー、本を選んで、お腹もいっぱいになって、ここが天国でしたか。

そんな素敵な「川西空想書店」は、毎年春 4月の末か6月に開催されているとのこと。

 

ブックイベントは来年になりますが、ぜひぜひ美味しいうどんを食べに行ってみてください。

 

それでは今回はここまで。

今日も素敵な本との出会いに、感謝。