Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート2撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を、写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

2回目となる今回は、写真を愛してやまない青年に教えてもらった1冊です。

写真と本、形は違えど想いや考えを固着させるという点においては同質な両メディア。

そこに気付いているのかいないのか、今回選ばれたのはとある写真集でした。

いったいどんな「撮っておきの1冊」なのか、早速教えてもらいましょう。

 

 

お話を伺った人

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幼い頃から写真を撮ってきたしゅんさんぽさんはどんな1冊を選んでくれたのでしょうか。

しゅんさんぽさん

1992年兵庫県生まれ。幼い頃から写真を撮り続け、写真歴は10年以上。

磨かれた写真の腕がキラリと光るブログ「しゅんさんぽ」を運営。

人好きのするキャラクターと、素晴らしい写真を撮るためならどんな奇抜な体勢をとることも厭わない姿に魅了される人も多い?

普段はとぼけていることが多いものの、こと撮影となると別人のよう。

shunsanpo.com

 

ブタの心が分かるグラフィックデザイナーの手なる写真集

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普段はあまり本を読まないというしゅんさんぽさん。

しゅんさんぽと『ダカフェ日記』

「本はあまり読まないんですが…」という前置きと共にしゅんさんぽさんが取り出したのは森 友治『ダカフェ日記』という写真集。

この写真集はもともと、1日3万アクセスを記録した人気ブログ「ダカフェ日記」を書籍化したもの(ブログ「ダカフェ日記」は『日本ブログ大賞2006』写真大賞を受賞しています)

お父さん(著者)が写真で切り取るのは、どこにでもある家族の風景なのに、妙にノスタルジックな気持ちにさせられる写真集です。

久しぶりに本棚から持ち出してきたそうですが、パラパラとページをめくっている間にも「あ〜!そうそうこの感じ」と旧友に再会したような声をあげていたしゅんさんぽさん。

本はいつ読み返してもそこにいてくれますからね。

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本に合わせて衣装もコーディネートしてくれたのでしょうか。

しゅんさんぽさんが『ダカフェ日記』と出会ったのは5年ほど前のこと。

今ではカメラの沼にどっぷり浸かっているしゅんさんぽさんですが、意外なことに社会人になった当時は本格的な一眼レフカメラは持っていなかったそうです(SONYのミラーレス一眼を使用していたそう)

人肌を綺麗に撮りたいとモヤモヤしていたしゅんさんぽさん。

そんな時に手にした『ダカフェ日記』の写真に目を見開かされたといいます。

全てCanonのカメラで撮影されている『ダカフェ日記』に人肌の美しさを見せつけられたというしゅんさんぽさん。

現在バリバリのSONYユーザーの彼が、初めて手にした一眼レフカメラCanonのEOS 70Dでした。

読んだ写真集に影響されてカメラを買う人、結構いるものなのでしょうか?

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カバーはなく、シンプルな表紙が落ち着いた雰囲気です。

撮影の最中に、僕も少し『ダカフェ日記』を読ませてもらいました。

言ってしまえば「ありふれた家庭のありふれた日常の様子がおさめられているだけ」

それなのに、この惹きつけられてしまう感じは一体何なのでしょうか。

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久しぶりの『ダカフェ日記』との再会です。

身構えない1冊

しゅんさんぽさんのお気に入りのページも教えてもらいました。

溝にポツンと残された、小さな靴のかたいっぽ。

著者は置いてきぼりの片方の靴を見て、息子さんが片足裸足で駆け回っている様子を確信します。

公園の溝で空(息子さん)の靴を発見。マズイ。ヤツは今靴下ということか

この一言に集約される父親のまなざしが、実にいい。

1ページにつき1枚の写真、その下に著者のコメントがちょっと。

シンプルな構成に優しさが垣間見えます。

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どのページにもなんてことない日常が。

 

この本と出会って、撮る写真の構図や色味が変わったかというと、そうでもないと言います。

ただ、森さん家のような雰囲気の家庭を持ちたいと思ったそうで、そのあたりはしゅんさんぽさんの撮る写真にも少し現れているのではないでしょうか。

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こんな家庭を築きたくなる1冊だとしゅんさんぽさんは言います。

「家族に向けられた写真は、その家族の一員でないと撮れない」と語るしゅんさんぽさん。

そこは割り切って、『ダカフェ日記』の写真を参考にすることはあっても、あくまで撮りたいのは彼の写真だと言います。

ちらりとプライドが顔を覗かせました。

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彼なりの家族像というものがあるのでしょう

お話を伺う前に「何も語れるエピソードがなくて、本当に申し訳ないです…」と言っていたしゅんさんぽさん。

良いんです、良いんです。

見ていたら充分伝わってきましたから。

あなたがこの本を大好きだということが。

この日マクロレンズを持ってこなかったのが悔やまれたのが、しゅんさんぽさんの『ダカフェ日記』の背表紙の文字が一部かすれていたのを撮れなかったこと。

何度も読み直さないとこうはなりませんからね。

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思わず口元がほころぶ写真ばかりです。

この本がなかったら、今のしゅんさんぽさんはどうなっていたでしょうね。

そう尋ねると「そこまで大きい変化はないと思いますよ」と微笑んでいました。

確かにそうかもしれません。

劇的な人生の1冊というよりは、いつでも気軽にそばにいてくれる本という安心感があります。

各ページは1枚の写真で完結しているので、本の頭から読む必要もないし、気が向いた時に適当に開いたページを眺めるだけでも楽しいはず。

眺めているうちに優しい気持ちになってしまって、まぶたがトロトロ……そんな休日を夢想してしまいます。

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気軽な気持ちで開ける1冊なので、眠くなっても問題ありません。

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陽のあたるポカポカの部屋で休日を過ごす贅沢。

 

撮影を終えて

覗き込んだファインダーの先に、大切な家族がいるという幸せをしゅんさんぽさんはまだ知りません。

今も被写体に対して優しいまなざしを向けるしゅんさんぽさんが、家族にそそぐまなざしは一体どんなものでしょうか。

将来彼がどのような生活を送っているかは知る由もないですが、『ダカフェ日記』のような日々を送れていることを願ってやみません。

その時には、ぜひ撮った写真をドヤ顔で見せてもらいたいものです。

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使うカメラは変わっても、彼の隣にはずっとこの1冊が。

というわけで第2回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!