Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート23撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

23回目となる今回は、海を愛する心優しき波乗りカメラマンが教えてくれた1冊です。

たった1冊の本がこれほどまでに1人の人間に影響を与えることがあるなんて!とお話の最中に驚きを隠しきれませんでした。いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう!

 

 

お話を伺った人

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タイラさん

1988年生まれ。沖縄県在住。スナップを中心に沖縄の各地を撮り歩いている。2017年の夏に「フジの病」を罹患して以降、富士フイルムを愛してやまない体になってしまった。運営するブログ「タイラヒログ」では沖縄の素敵な風景を切り取った写真の紹介を軸に、様々な情報を発信中。

tairagadget.com

 

楽しむことを教えてくれた人の1冊

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忙しさについ流されてしまいそうになる時、ふと自分を正気に引き戻してくれるような何か。それが自分の好きなモノやコトだと思っています。それに関わるだけで、ただただ幸せな気持ちになれる。全てを忘れてそこだけに没頭できる瞬間を人生にもたらしてくれる何かに、出会えていますか?今回タイラさんが持ってきてくれたのは、彼にとっての楽しみが全部載せされているという1冊の写真集でした。

「始まりはサーフィンでした。9年ぐらい前、20歳を過ぎてサーフィンを始めたんです。最初のうち本当に何もできないのがあまりに悔しいので、波乗りの技術向上のために色々調べているうちに、とあるブログにたどり着いたんです」

そのブログを運営していたのが、NAKIさん。後にタイラさんの「撮っておきの1冊」となる写真集『happy glide』の作者でした。

NAKI(本名 船木三秀)さんは、ハワイやカリフォルニアに滞在しながら自身のサーフショップのプロデュースなどをしつつ、現地で撮影した波乗りの様子を納めた写真などをブログに掲載。サーフィンから入ったはずのタイラさんを魅了した写真の数々が納められた『happy glide』では、生き物のように躍動する美しい波の様子や、偉大な海の勇姿を堪能することができます。

「最初はサーフィンが上手くなりたかっただけなのに、NAKIさんの写真を見るうちに、だんだんとカメラに惹かれていったんですよねえ」

1日1回更新されるブログにあがってくる、とんでもなく美しい写真に感動させられっぱなしだったというタイラさんですが、そのうちムズムズしてきたそうです。

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気付けばカメラを手にしていたというタイラさん。現在は富士フイルムユーザーですが、初めて手にしたのはSONYのα57でした。自分でもNAKIさんのような写真が撮れないものかと、写真にのめり込んでいったのだそうです。

「NAKIさんのブログや写真があったからこそ、自分でもブログを始めたし、始めのうちは恥ずかしいくらいにバリバリに影響を受けていました。自分で実際に波乗りの写真を撮ってみたんですが、難しいけど楽しかった」

少年のような笑顔が眩しいタイラさん。夢中になって楽しんでいる「男の子」の口から出てくる言葉は、知らない世界のことを語っているはずなのに、すごくワクワクしてきました。

「波乗り写真には葛藤があるんです。良い波乗りの写真を撮るという事は、良い波を前にしておきながら、波に乗らずに我慢してカメラを構えないといけない。ホントは波乗りしたいんだけど……笑」

写真とサーフィン、どちらも大好きであるがゆえの悩みも『happy glide』と出会ってしまったがゆえのこと。

「陸の上から眺めているだけでは気付けなかった世界が、海の中にはあるんだということを教えてくれた、最高の1冊ですね」

タイラさん、笑顔が眩しすぎました。海、行きたくなってきましたね……。

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海も波乗りも写真も。ずっとそばにいてくれる。

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お話の途中、1枚の写真を眺めながらタイラさんがポツリとこぼしていた言葉が印象的でした。それはとても静かな写真でした。ページいっぱいに広がる凪いだ海と、そこにポツンと浮かぶ1人のサーファー。

「海の表情が良いというか。この状態はほぼ、全くと言っていいくらいに風が吹いてないんですよね。うねりも小さくて、ベストなコンディション。そこをグッと我慢してシャッターを切っている。本当にすごい」

タイラさんが人生で1番最初に買った写真集。出会ってから何度見返したことでしょう。数え切れないほど目にした同じ写真に、今でもグッと引き込まれているその様子を見て、僕は静かに感動していました。僕もいつかこんな風に眺めることのできる写真集に出会えるだろうか、出会いたいものだ、と。

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いつかはNAKIさんに会ってみたいと語るタイラさん。今の自分の全ての原点と言っても過言ではないような大きな存在に会いたいと思う気持ち、分かります。

「NAKIさんのおかげでブログも始めて、今の僕は自分自身を最高に楽しめている気がするんです」

楽しそうなタイラさんとお話していて思ったのですが、楽しそうな人のそばにいると、それだけで人は幸せな気持ちになれるんですね。タイラさんご自身の元々の人柄もあるのでしょうが、出会う人を優しい気持ちにしてくれる彼を形成したもののひとつに、確実に『happy glide』があるような気がしました。

「僕はこれからもずーっと波乗りと夕陽、海は撮り続けるんじゃないかと思っています。いつかアメリカの西海岸とかで、のんびり写真を撮りながらサーフィンをしてみるのもいいですね。こんなこと、NAKIさんの写真を見てなかったら思ってなかったかもしれない。写真自体始めてなかったと思います。さらに言えばサーフィンも」

できることなら、NAKIさんのようになりたいというタイラさん。

「完全にファンですよね、NAKIさんの。彼のようにはなれなくても、沖縄のこの海で、サーフィン好きの人たちに向けて面白い情報を届けることができたら、嬉しいかな」

偉大な海の前では、人類の歴史なんか生まれては消える泡のようなもの。そんな大きな存在といつまでも一緒にいられるのならば、それだけで最高なのではないだろうか、そんなことを思いました。そして実際にそんな風に暮らしているタイラさんやNAKIさんのことがひどく羨ましくなった今回の取材でした。

本格的な夏が始まる前に、このお話を聞けてよかった。いつもより夏が好きになれそうな気がしています。

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撮影を終えて

僕自身、海の近い南国で育ったということもあり、タイラさんとは初めてお会いしたのに不思議と波長が合うというか、いつも以上に穏やかな気持ちでお話を伺うことができました。海に抱かれて日々暮らしていると人間の器も大きくなるのかな、なんて思うほど大きな方でした。

撮影後に友人たちと合流した時のタイラさんの歓迎されっぷりが、それを物語っていたように思います。

また次は、オリオンビール片手に沖縄の海でお会いしたいものです。

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というわけで第23回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

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taroimo0629kuro@gmail.com

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