Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート27撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

27回目となる今回は、泡のように浮かんだ気持ちを言葉や写真で残すブロガーさんが教えてくれた1冊です。目に映るものをそのまま受け取るのではなく、その奥深くにあるところまで見ようとする姿勢を身につけさせてくれたという本とは、いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう!

 

 

お話を伺った人

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うにさん

東京都在住。エネルギッシュに食べる・飲む・写真を撮る小さなおやじ(女)と称するブロガー。泡のようにぷかぷか浮かんだことを、消える前に残すことをテーマとしたブログ「日々のあわ」を運営。ブログタイトルはビールを意味するという噂も。最近では日本各地のフォトウォークに積極的に参戦中。来週あたりあなたの街で写真を撮っているかも?

unicamera.hatenablog.com

 

大事なことは、その言葉の先にある。

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みなさま、久しぶりの登場でございます。盛大な拍手でお迎えください。ホントレート史上最多の登場回数となる『星の王子さま』がうにさんの撮っておきの1冊です。流石の名作、3回目の登場ですが、今回もこれまでのお二人とは違ったお話が聞けました。

うにさんに『星の王子さま』を教えてくれたのはお母さんだったそう。子どもの時に読んだ感想と、大人になってから読んだ感想が全然違うものになるからと勧められ、うにさんがこの本を手に取ったのは、彼女が小学生の頃でした。その感想は……?

「全然しっくりこなくて……。なんていうかもう、何言ってるんだか、全ッ然分かんなかったですよね。登場人物たちが直接的に話さないので、誰の視点の話なのかというところもクエスチョンで。象を呑んだウワバミ(大蛇)の絵とかしか記憶になくて、よく分からない不思議なお話っていう印象ぐらいでした」

Oh…なかなかの感想ですね……笑

初読ではほとんど印象に残っていなかったという『星の王子さま』とうにさんが再会するのは、それから何年も経ってからのことでした。社会人になって少し経った時のこと。彼女は転職を経て精神的にもガクッと滅入っていたといいます。そんなタイミングで「星の王子さま』映画化の情報を聞きつけたのだそう。

何がそんなに響いたのか自分でも分からないままに、映画館で無茶苦茶に号泣しながら、幼い頃『星の王子さま』を読んだことを思い出したという、うにさん。その時の勢いそのままに、実家に帰省した際に読み返したんだそうです。

「実家にある本を読んで改めてこんなに深い作品だったのか、と思いました。自分の暮らす部屋に戻ってからもまた読みたい、いつでも読みたい!と思ったんです。それで本屋さんに足を運んだら、ちょうど映画化された関係で本屋さんにいっぱい並んでいたので、小さくて軽い文庫版を買いました。表紙も可愛いんです」

映画が本と人を結びつけてくれるということもあるんですね。新たな発見でした。

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 『星の王子さま』の中で最も心に響いたのは、有名な「大切なことは、目に見えない」というあの場面だといううにさん。

「いまだに解釈が難しいなと思っています。目だけじゃなくて言葉でもおんなじかなと思っていて、表面上は言葉で表現できているようでも、本当はそんなことできていなくて。なんて言ったらいいんだろう。本当は大好きで素直になりたいって思ってるのに、変にプライドが邪魔して嫌いなんて言っちゃったりして。でもそれは嫌いっていう言葉だけそのまま切り取ったらそれでおしまいなんだけど、大事なことはその言葉の意味の先を見ないと分からなくて、その人の口振りとか、雰囲気とか、額面通りじゃないところを……それこそうまく言えないですね笑」

言葉で全てを言い表すのは難しいものですよね。この名場面の自分の中での解釈を求めて、多くの人がこの本を手に取り、繰り返し読むのかもしれませんね。

 

ページの向こうにあるものを見つけに行こう。

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 映画を観るまでは読み返すこともなかったという、うにさん。子どもの頃に読んだ『星の王子さま』はずっと実家の本棚にあるそうです。

「本当に映画がきっかけで読んだんですけど、これはいつか自分に子どもができたなら、子どもの時に読んで、大人になってまた読むということをやってもらいたいなって思うんです。感じることも全然違うし、こんなに深いことが書いてあったんだって思ってほしい。私のお母さんも、同じような経験をしたから私にあんなこと言ってたのかなって、今なら分かります」

親から子へと受け継がれていくものも、きっと目には見えないのでしょう。それは言葉で伝えられるようなものでもなくて、だけどそういうところで1冊の本が一役買っているのかもしれないと思うと、なんだか嬉しくなってしまいますね。

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悩みがある時には救ってくれるような気がする、とも語っていたうにさん。『星の王子さま』を手に取るのにも、タイミングがあると言います。

「何かに悩んだ時や、すごく落ち込んでしまった時に読みますね。本って不思議で、私の状況に合わせて文章が変わるわけじゃないし、明確な答えが書いてあるわけじゃない。いつも同じことが書いてあるはずなのに、なぜか答えが出てくるような気がしてきて、救われているんですよね。だから王子さまは、私にとって暇だから読もうって感じの本ではないんです」

そんな『星の王子さま』は、うにさんにもう一つ大きなプレゼントをしてくれているようです。この物語と出会っていなかったら、物事を奥深くまで見ようという気になっていなかったかもしれないのだそう。物事にはいろんな角度があり、外側だけでなく内側もあるということに気付かせてくれたのだといいます。

「はたから見れば種類的にはどれも同じバラでくくれてしまうんだけど、ある人にとっては特別なモノかもしれない、というのが面白いと思うんです。すごく気持ちを込めて育てたバラと、自分と関わりなく道に咲いていたバラとじゃ、同じバラでも全然違いますよね。私はそれがこの本に書かれていることの全てだと思うんです」

僕たちはどうしても目に映った角度からのみ物事を見たり、考えたりしてしまいがちです。そんな時にぽんぽん、と肩を叩いて世界にはもっと奥行きや広がりがあるんだということを教えてくれる、王子さまのような存在が側にいてくれるうにさんが、とても羨ましくなってしまいました。

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撮影を終えて 

だらり庵をよく読んでくれているうにさん、ありがたいことです。お話を伺う前に撮っておきの1冊が被ってしまっていることをしきりに気にされていました。それでもお話を伺ってみると、やっぱりこれまでに『星の王子さま』を紹介してくれた2人とまた違った向き合い方があるのだということに気付かせてもらえました。また僕の中での『星の王子さま』像が広がりと深みを増したような気がします。「うまく言えない……!」と言いながら、何度も考え込みながらでも、それでも自分の言葉で語ってくれたうにさんの姿がとても印象的でした。

これまでの2人とは違う、小さな文庫版がよく似合っていました。

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というわけで第27回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

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