Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート29撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

29回目となる今回は、理想の暮らしを自らの手で生み出すために、日々自宅のセルフリノベーションに取り組むブロガーさんが教えてくれた1冊です。奥深きDIYのの世界に踏み込み、暮らしに目を向けるきっかけを与えてくれた本とは、いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう!

 

 

お話を伺った人

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すけさん

東京都在住。「暮らしを自分で作ること」を目指したブログ「99% DIY」を運営。自宅のセルフリノベーションの様子をメインに、DIYに関する情報を発信しつつ、自分の手で作りたい物がある人のサポートも手がける。自宅の改修が完了した暁には地方移住を検討中。

99diy.tokyo

 

ここまで連れてきてくれた1冊

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質・量ともにハイレベルなDIY関連の情報を発信しているすけさんですから、学生時代からそうした分野の勉強をされていたのかと思っていたのですが、実はそうではないのだそう。大学時代の専攻は情報系だったといいます。もともと建築物は好きだったというものの、深く足を踏み入れるまでには至っていなかったすけさんですが、ある日1冊の雑誌に引き寄せられます。

「この雑誌がたまたま本屋で売られているのを見かけて、なんだろ、ジャケ買いみたいな感じ?」

そう語るすけさんが手にしていたのは、1951年創刊の高級住宅誌『MODERN LIVING』の194号。実際に人が住んでいる、目を疑うほどお洒落な住宅が紹介されている雑誌で、僕も少し読ませてもらったのですが思わず笑ってしまいました。屋上にお風呂があったり、リビングの中心に木が生えてるお宅とかあったんですもの。

「そうそうそうそう、こういうところに住んでる人がいるんだって、すごい衝撃だったよね。それで、ぱらぱら立ち読みしてるうちに、自分もこんな家に住みたいなって」

思っちゃったんですね、すけさん……。でも、お高いんでしょう???

「ここに載ってる家が売りに出された時があって、値段見たら1億いくらとかだったんだよね笑 やっぱこういうところ住もうと思ったら億いくんだ、じゃあこの夢は果たせないな、とても買えないなって絶望してました」

で、ですよね……。

それからは、素敵な家に住むにはどうしたらいいのか悶々とする日々。バンバンお金を稼ぐルートがいいのか、自分でリノベーションをするのが早いのか。当時の仕事にも打ち込めず、選択肢の間で揺れ動くすけさんのもとに、思いがけない話が転がり込んできたのが2014年頃のこと。すけさんのおじいさん、おばあさんが住んでいた家が空き家になったのです。これなら新築にはならないけれど、自分でやってみようかなと思い立ったすけさん。『MODERN LIVING』と出会ってから3年の歳月が流れていました。

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こうして初めてのリノベーションに踏み切ったすけさんですが、『MODERN LIVING』を読んでからの3年間で「めちゃくちゃ建築本を買い漁った」のだといいます。3年という長い期間、すけさんの中で燃え続けた建築に対する興味の火種となったのが『MODERN LIVING』だったのですね。

「他の人たちみたいに、中身にそこまで思い入れがあるわけじゃなくて、ここまで連れてきてくれた本という意味で、この本が自分の『撮っておきの1冊』かなと。まさか自分でもここまで繋がるとは思ってなかったけど笑」

初めてのDIYの様子をブログに書いてからは、DIYをサポートする仕事も引き受け、建築関係の仕事にも携わるなど、すけさんの人生は大きく動きだしました。今年の6月には技術協力で参加したDIYのハウツー本が出版されるなど、活躍の場がどんどん広がっているようです。

「この雑誌自体は、読み込んでるのは最初の方くらいなんだけど、いまだに迷ったりした時には原点に戻るような気持ちでパラパラ眺めてる」

雑誌はどんどん溜まっていくうえ、他の書籍に比べて場所を取りますから、古いものは整理するのが普通かもしれません。それでも手元に残してあるのは、この『MODERN LIVING』がすけさんにとって、いつでも帰って来られる場所のような存在だからなのかもしれませんね。

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全ては心地よく暮らすために

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すけさんのDIYに関して、奥様は何も口を出したりしないのだそう。奥様から作って欲しいもののリクエストもあるようで、お子さんのおもちゃが散らかったりしないように棚を作ったこともあるといいます。

「考えてみると、作るのがそこまで好きというよりは、生活のための空間であったり、必要なものを作ったりすることの方が好きなのかも。何かを作ることが目的になってる人も結構いるけど、自分の場合それは自分や家族が心地よく暮らすための手段に過ぎないと思う」

すけさんにとっては、DIYと家に植物を飾ることには差がなく、共通しているのは自分で整えることだといいます。運営するブログの紹介に「日本にもっと個性のある面白い空間・モノが増えたら良いな」というすけさんの思いが綴られています。これは何もかも用意された出来合いの「箱」の中で暮らすことが多い人たちが、自分の暮らしを整える楽しみを持つことができたら素敵だという考えからなのだと思います。

趣味の幅が広いというすけさんは『MODERN LIVING』と出会う以前から、ミニ四駆を自分好みに改造したり、ルアーを自作していたといいます。もともと自分の手で自分の思うようにすることを好む素養があったのかもしれません。

そんな彼の前に現れた罪深い1冊『MODERN LIVING』は誰も思わぬ形ですけさんの人生を変えてしまいましたが、それについてご自身はどう考えているのか、最後に尋ねてみました。

「この本の内容自体には深い意味があるわけではないと思うんだけど、色々と影響を与えてくれた1冊だったのかな。これと出会ってなかったらまだサラリーマンをしていたと思うし。この本を読んだ時っていうのがめちゃめちゃ暗黒期だったんだけど、そこも越えて、ブログを始めるきっかけにもなったし、今仲良くさせてもらってる周りのブロガーたちにも出会えなかったと思う。自分では建築の勉強って感じはほとんどなくて、ただ楽しくやっていたんだけど、遊びが仕事になるための1冊だったのかもね」

好きを仕事にするなら、人より突き抜けて好きじゃないとダメ、飛び抜けた技術がないとダメというようなことをよく耳にしますが、すけさんの肩の力が抜けた様子を見ていると、必ずしもそうでもないのかもな、なんて思いました。

最初から目的のある出会いよりも、本当に自分が興味のあるモノと出会うことができれば、人生は自分でも思ってもみない方向に動き出すことがあるんだと教えてもらったような気がしました。

 

撮影を終えて

東京に遊びに行くと、時々ご自宅に泊まらせてもらっているすけさんがDIYと出会う前のお話が聞けて、個人的にすごく嬉しい回になりました。これがあの記事に載っているお部屋か……なんて感慨に耽りながら5分で眠りについてしまうという贅沢な時間を過ごさせてもらっています笑 今回お話を伺うまで、すけさんは専門的に建築の勉強をしてきた方なのだと勝手に思い込んでいました。実はそうではないと知り、本当に驚きました。すけさんご自身でも思いがけない方向に人生の舵が切られるようになったきっかけの1冊を知ることができてうれしかったです。今度は本棚の作り方教わりに遊びに行こうかな。

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というわけで第29回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

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