Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート28撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

28回目となる今回は、今年京都に新しくオープンした今僕が最も注目している本屋さんが教えてくれた1冊です。誰もが求めてやまない「アレ」について書かれた本はまさに痛快、目からウロコが1尾分! いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう!

 

 

お話を伺った人

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ニワノナオキさん

京都府在住。2019年5月、クリエイターの創作環境を整える場 “But not for me”を立ち上げ、店主として駆け出しのクリエイターたちの活動を見守る。個人向けの選書を行うBookstylistとしても活躍中。穏やかな人柄と、確かな知識に裏打ちされた選書は見事の一言。

twitter.com

 

“自分”を言語化せよ。

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もともとアパレルで働いていたニワノさんは、とてもオシャレです。シンプルな白シャツが眩しく見えるほど。ここで思わず「センス良いですね」と言いたくなりますが、ニワノさんはその言葉は不用意に使わない方が良いと考えているようです。そう考えるようになったきっかけをもたらしたのが、ニワノさんの「撮っておきの1冊」 水野学『センスは知識からはじまる』なのでした。

水野さんといえば最強のゆるキャラくまモン」のデザインなどで知られるクリエイティブディレクターですが、意外なことにニワノさんはこの本に出会うまで彼のことを全く知らなかったのだそう。『センスは知識からはじまる』もたまたま本屋さんで見かけたのだといいます。

「このタイトルで完全にやられたんですよ。読んでみると分かるんですけど、言いたいことの全てをここまで端的にタイトルで言ってしまえるのって、相当すごいと思うんです。僕自身は熟読しましたけど、早い話がタイトルさえ見ちゃえば読まなくても良いとは思うんですよね。もちろんそれはとても勿体無いことですけど、それぐらいに衝撃的なタイトルでした」

この1冊ですっかり水野さんに惚れ込んでしまったというニワノさん。今では水野さんの著書はほとんど読んでしまったというのですから、どんな出会いがあるのか分からないもんです。f:id:taroimo0629kuro:20190711004511j:plain

熱量高くニワノさんが語ってくれたところによると、水野さんのすごいところは「言語化能力の高さ」にあるのだそうです。

「水野さんはクリエイティブディレクターなんですが、この本に限らずデザイン用語をほぼ使っていないんですよ。だから誰が読んでも分かる。ああ、そういうことか!って腹落ちさせる文章を書くのがめちゃめちゃ上手い」

水野さんの本と出会ってから、言語化の大切さがすごく分かるようになったというニワノさん。

「なんとなくふわっと理解していたようなことに言葉の定義をつけたり文章化することってすごく大事なんだなって。ごちゃごちゃと考えてはいたけど、あれ俺って全然文章書けないなって気付いたり、考えがまとまってないなと感じたり。センスとは、美意識とは、ビジョンとは、何となくみんな使っているんだけれど、それぞれの中にある定義は自分だけのものなんだということをちゃんと言葉で表さなきゃなと、この本を読んで気付きました」

どんなにすごいことを考えていたとしても、感覚でこれがカッコいいんですではなく、こういう理由でこのバランスになっています、こういう背景を踏まえた上でのこの書体のチョイスなんです等々、一つ一つの配置・選択の理由を語れることこそが、何となく作られたものとの差を明確にしてくれるんですね。自分の中から生まれたものに、自分の言葉を丁寧に添えてあげられるのが、真の意味でクリエイティブな人なのかもしれません。

 

蓄えよ、然るのち選び出せ。

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ところで本書のタイトルにもある「センス」ってなんでしょうね。日常生活でもよく耳にする言葉ですが、それがいったいどんなものなのか、説明できますか?

「センスは生まれ持ったものだとみんな思っているじゃないですか。オシャレにしてもデザインにしても、写真にしても。でも水野さんはそうじゃないんだよと言うわけです。彼によればセンスっていうのは、膨大な知識の中から、それぞれに合った最適な答えを導き出す能力こそが、正しい意味でのセンスなんだそうです。それを読んで、そういうことか!と」

自分の中に知識がなければ、そもそも取捨選択の余地がありません。そういう意味で「センスは知識からはじまる」のですね。

いつもパッと見でボロボロの格好をしているのに、妙にオシャレに見えるアパレルの先輩がいたと話してくれたニワノさん。この人がまさにコンテキストのある、ある種の汚さ=ビンテージで統一することが自分に最適だと判断して、そういうファッションに落ち着いているのだと聞いた時に、ニワノさんの目からは鱗がボロボロと落ちたのだそう。

その先輩はストリート系、綺麗め、カジュアルなど色々経験する中で、ファッションに関する知識を頭の中の引き出しに収めていったのです。そうして出来上がった彼だけのファッションの引き出しの中から、自分に最適化された服を選んでいたから、カッコよかったのです。これがセンスなんだと、実例を通して気付いた経験だったとニワノさん。自分の体のサイジングが分かっている。その特徴に合う服を知っている。そういう服にはどの靴が合うのか。ボタンやポケット、ステッチの細部にわたって注意を払うことができているか。知らないものに対して注意は払えません。知ることで物事の見方の解像度が上がります。解像度の変化とともに、ニワノさんの服の選び方も変わったのだそう。

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「それまでは洋服をそんなに深掘りしていなくて、いわゆる今流行っているモノとか、最近イケてるセレクトショップの取扱商品とか、明らかに今っぽいとか誰が見てもオシャレっぽい雰囲気の洋服がカッコいいと思っていたんですけど、あ、そうじゃないなと。それからはより知識を得ようと思って、リーバイスの勉強をしてみたり、先輩に色々な話を聞いたり、今日の僕のスタイリングどうですかなんて尋ねてみたりも。なんか違う、とか言われながらね笑 ちょっとボトムの丈違うくない? とか靴変えた方がえんちゃう? 前履いてたのの方がええで、とか。そういうのを積み重ねていくと、雰囲気が出てくるようになるもので、感度が高い人からオシャレだねと言われるようになっていったんですね」

『センスは知識からはじまる』を読んで自分の考えがすごくクリアになったというニワノさん。

「僕も今までは、先輩やからオシャレなんやろ、と思ってたんですよ。だって服屋ですやん、みたいな感じで笑 でも先輩はめちゃめちゃ服屋さん廻って最新の情報を仕入れつつ、試着しまくって自分に合うサイズ感を見出したり、ブランド背景を調べたりしているというベースがあるから、なんとなく買った服でもすごく似合うんですよね。自分に似合うかどうかの判断を最適化する能力が研ぎ澄まされているから、このブランドのこのサイズなら自分は大丈夫だみたいなことが、何気なくでもできるようになるんです。そういうことがセンスなんだなって」f:id:taroimo0629kuro:20190711004630j:plain

センスとは、特別な人に備わった才能ではないと本書には書かれています。知識をかき集め、最適化する能力を積めば、ある程度みんなセンスは良くなるのだと。そこでどうして違いが出てくるのか、それは磨いているか磨いていないか、たったそれだけの差なのだそう。「センス」言い訳との親和性が非常に高い言葉です。それゆえ何かを諦める時に使われがちな言葉でもあります。

「あの人はセンスがあるから」

「自分にはセンスがないから」

ついつい無意識のうちに口をついて出てしまうんですよね。でもそうした言説は、水野さんに言わせればただの「努力不足」だといいます。厳しい言葉ですが、現実としてそうなのでしょう。しかし、自分の努力不足を認識するところから始めることを決意した者に水野さんは手を差し伸べてもいるのだとニワノさん。

「知識を得なさいと。その方法はネットだろうが本だろうがなんだっていい、と。そこで終わるんじゃなくて、その知識を入れておく引き出しの整理の仕方を書いてくれているんです。1つの棚にごっちゃごちゃに詰め込んだらなんのこっちゃ分からないので、集めた知識はこういう風に入れていったら取り出しやすいよねとか、そもそも引き出しってこう作ったらいいんだよなんてことが書いてあるのがすごくいいと思うんです。水野さんは道筋を示すのもすごく上手いんですよね」

ぞっこんになる余り、平日は水野さんの企画運営するブランド「THE」でお仕事をしているというニワノさんに最後に、この本と出会って大きく変わった点について尋ねてみました。

「この本を読んでからセンスいいですね、という言葉を簡単には人に使えなくなりましたね。僕から見てセンスがいいなと思う人に対しては、積み重ねてきたものも透けて見えてくるので、センスって言葉は安易に使えないんです。その人が今の状態に至るまでの過程に対するリスペクトが抜け落ちてしまう気がしませんか? センスって言葉で片付けられちゃうと、何も努力してないように思われて。もともとセンスがいいからそんなことができるんですねすごーいって言ってるも同じだと思うんです。それはすごく失礼な話」

この本と出会っていなければ、自分の生まれ持ったモノだけで勝負していたかもしれないと、ニワノさんは微笑んでいました。それじゃあどこかで壁にぶつかった時に、絶対にセンスを言い訳にして潰れていた、とも。

駆け出しのクリエイターの創作を応援する場“But not for me”の店主として 、冗談めかして『センスは知識からはじまる』をこのお店に作品を置くための課題図書にしようかなと語るニワノさん。

「作り始めの人たちに、いきなりトップの人たちと比べてもそんなの意味ないよと。彼らは相当色々積んであの高さに立っているんだから。彼らと比べて現状自分がこうなのはセンスがないからじゃなくて、積んでないだけだよと。知識を積んだ結果ダメだったら、それはそれでまた別のやり方があると知れますし。ダメだったというのも自分のセンスがダメだったと考えるんじゃなく、自分のやっていることに対して、その取り組み方が最適でなかっただけのことと考えられるような頭を、この本で鍛えてもらいたいですね。クリエイターに関係なく、あらゆる人にこの本はオススメですよ」

センスが取り沙汰されない分野はありませんから、ニワノさんの言われるように、この本は全ての人の助けとなる1冊だと思います。センス云々と言ってくる人たちを軽く受け流すために『センスは知識からはじまる』を「知って」みませんか?

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撮影を終えて

実は、ニワノさんとは昨年初めてお会いして以来の「二度目まして」でした。SNS上で彼が面白い本屋さんを始めるらしいと逐一チェックしていたのですが、コンセプトも内観も置いてある本のチョイスも、本当に素晴らしいお店が出来上がっていて、とても嬉しくなりました。彼の引き出しを総動員したような、彼自身というようなお店の雰囲気は、とても優しいものでした。だらり庵でも人に何かを強制したりということを避けるようにしているのですが、ニワノさんも似たような空気感を出そうとしているのに、勝手に親近感を覚えながらの撮影でした。「別に本を買ってもらわなくても、ここに来てカリモクで本を読んだり、僕とビール飲んだりなんかしてくれれば、それでいいんじゃないかな」撮影後に一緒にビールを飲みながら話せたの、本当に嬉しかったなあ。また遊びに行かなくちゃ。

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というわけで第28回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

あなたと大好きな1冊の姿を写真に残しませんか?

ホントレートのご依頼は以下のメールアドレスまで

taroimo0629kuro@gmail.com

メールの件名を「撮っておきの1冊 ホントレート希望」としていただけますとありがたいです。

何度でも行きたい小豆島。

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

先日友人たちと香川県の小豆島に行ってまいりました。

お天気が心配されていて、持っていくフィルムにも悩んでいたのですが、まさかまさかの大快晴。力一杯旅を満喫することができましたので、今回はその時の様子を写真で振り返ろうと思います。

たくさんたくさん撮ってきましたが、ここに載せているのはほんの一部。それでもかなりの枚数を貼っていますので、お時間のある時に読んでいただけると嬉しいです。

それでは早速いってみましょう!

 

高松市内のカプセルホテルで目を覚ませなかった僕は、とっくに準備を終えた友人たちに起こされました。前日のお酒で深い眠りに落ちてしまっていたようです。寝起きドッキリのような動画まで撮影されてしまいました。しかしドーラもびっくりの30秒で支度した僕は、寝癖ボンバーのまま出発しました。

高松市内の人気うどん店「手打十段 うどんバカ一代」で腹ごしらえを済ませて、いそいそとフェリーに乗り込みました。目指したのは瀬戸内海に浮かぶ「小豆島」です。

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今回の使用フィルムはkodak ULTRAMAX400です。独特の青がすんげえと聞いています。 しかし、それほど驚くような色味にはなっていないような気がします。むしろ快晴の気持ち良さを感じます。

 

あ、そうだ。フェリーが小豆島に着く前に、今回の旅を共にした愉快な友人たちをご紹介しておきましょう。

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 左が可愛いうにさん。右はなんかしゅんさんぽ。

2人とも終始笑顔で、見てるだけで僕もテンションが上がりました。

unicamera.hatenablog.com

shunsanpo.com

  

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死んだはずのK-1もきました(踏ん切りがつけられなくて……今回ホントレート の撮影がなかったので、気軽に持ち出しました。こういう使い方をしていくのもアリかな)

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うん、いい感じ。楽しくなりそうな予感。

 約40分ほど船に揺られて小豆島に着いた僕たちは、まず島で1番高いところを目指しました。

「寒霞渓」というロープウェイで登るようなところを、軽自動車に無理を強い強いで攻めました。攻めたものの、風景写真って難しいねえなんて言いながら結局はオリーブ牛入りコロッケに舌鼓を打っていたのはご愛嬌。 

 

何してるん

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 引いてるうにさん。

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 なんてね。 

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仲が良いのは分かるけど、何をやってるのかはまるで分からない。

 

寒霞渓を後にして、僕たちは「なかぶ庵」というそうめん屋さんへ。小豆島はそうめんの島らしいです。

友達のひげこいさんがスゴくオススメしていたお店。オススメなだけあってスゴく美味しかったです。でも「10秒で食べ終わる」は嘘だと思いますよ、ひげこいさん

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ちゃっかりお土産を購入。

 

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そしてこれまた島の特産品である醤油の蔵が面白そうだったので、マルキン醬油記念館というところに車を走らせました。蔵の様子を見学しつつ、2人は醤油ソフトクリームをぺろぺろ。僕は家の醤油を切らしていたので、醤油を買いました。普通のよりちょっと良いやつと、スゴく良いやつのちっちゃいのを2本。肉じゃがとか作りたいです。

 

と、ここでアクシデント発生。

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快晴が過ぎて溶け出したソフトクリームが、うにさんの新しい相棒X-T3の軍艦部分に!  3人大わらわでカメラの救出をしました。防滴ってソフトクリームにもいけるんですかね。

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 醬油ソフトを丁寧に拭き取るしゅんさんぽ。この界隈にはカメラにお酒をこぼす人はよく見かけますが、ソフトクリームは初めて見ました。

 

その後は蔵の周囲をぷらぷら。

僕は「富士フイルム XF90mm推進委員会」の会員なので、うにさんにそっと90mmを貸しました。大いに気に入ってもらえたようなので、まず間違いなく買うでしょう。

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早速90mmあるある「被写体が入りきらない」の洗礼を受けるうにさんの図、と右隅のパパラッチ。

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逆に僕はK-1SIGMAの35mm F1.4 DG HSM Artで広々と。周りが写り込んでいるのでどこに行ったのか思い出せて良いですね。

 

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感度400のULTRAMAXはバス停のベンチが白とびしていました。それぐらい快晴。

 

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相変わらず写真のためなら攻める男です。

 

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 写真を撮るしゅんさんぽのためにソーメンを隠すなんて、良い子だ。

 

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そんな子をいともたやすく困惑させるしゅんさんぽ。うにさんの表情が手に取るように分かりますね。それにしてもなんだろうこのポーズ。

 

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すごく良い笑顔だったし、すごく良いシチュエーションだったのにピントを外すのはなぜ? 後ろの木々すごく綺麗に写ってるじゃない……。AF機能のあるフィルムカメラが猛烈に欲しい。

それから、数年前にうにさんが小豆島に来た時に撮った風車の写真がとても良かったので、オリーブ公園へ。

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地中海を思わせるような風景がとても気持ちのいい場所だったのですが、映画「魔女の宅急便」のロケ地になったことにより、ホウキをにまたがって飛んでいるように見える写真を撮るのが流行っているらしく、たくさんの人であふれていました。

仕方なく数年前の再現は諦めて、公園内をぷらぷら。

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この周りに20人くらいいますが、XF90mmなので余計なものは切り取ることができます。みんなXF90mm買いましょう。

 

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 自信を持って載せたかった。うにさんの優しい笑顔と髪のなびきと帽子が最高にいい感じだった。出会って初めてしゅんさんぽを許さないと思った。

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ツイッターでたくさんいいねをいただけた写真のうちの1枚のオフショット。撮り終わってすぐ笑っちゃうの可愛い。 

 

車内に置きっ放しにしていた醤油が沸騰しそうなくらいの日差しだったので、涼を求めて喫茶しに。向かったのは小豆島唯一の酒蔵 森國酒造さんが経営する「フォレスト酒蔵 森國ギャラリー」

築70年の佃煮工場をリノベーションしてできたという店内の趣ったらもう……!

ランチの時間が終わっていたのが残念でしたが、心穏やかにかき氷や梅ジュース、日本酒の試飲が楽しめる最高の空間なので、また来たいと思います。(今回は車の運転をしていたので、次はしゅんさんぽに運転手させて試飲しよう)

MORIKUNI 小豆島で唯一の酒蔵

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さりげなくガラスのテーブルの下に置かれたコースターが可愛い。 

 

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右側の背景が騒々しい。 

 

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おざぶとんまで可愛い。

 

涼んで体力を回復した後は、ついにこの日の最終目的地エンジェルロードへと向かいました。1日2回、潮の満ち引きにより島に渡ることができる面白い場所で、恋人の聖地として有名な観光スポットです。

僕たちが到着した時は、まだ干潮のピークではなかったので、そこまで人も多くなく、思い思いに写真を撮りつつ楽しむことができました。

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 いざノシノシ!

 

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 干潮で出来た道の上でパチリ。

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 素敵な写真が撮れてると良いですね。

 

相変わらず90mmなので、エンジェルロードの全景は撮れていません。

そちらは2人の記事が上がってくるのを待つことにしましょう。

 

それからせっかくだし集合写真を撮りたいね、ということになり。防波堤の突端に向かいました。なんとなく防波堤に青春を感じてしまうことありませんか? 僕はあります。

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実に夏っぽい。

 

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なんか増えた。

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登った。

しゅんさんぽ「これがタイラさんの視界か〜」と沖縄が生んだ高身長イケメンの名を口にしていました。タイラさんのことを巨人か何かだと思っているのかな。

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 さらに増えて、はいパチリ。

 

いやー楽しかった! 満喫しました。久しぶりに取材ではなく、純粋に旅行したって感じです。小豆島、すごく魅力的なところでした。毎年来たいくらいです。この日だけではまだまだ巡れていないところもあるので、また来なくては。

2人が撮った写真も楽しみ。この浮遊感すらあるワクワクはしばらく続きそうです。

1人で取材も良いけれど、たまにはこういう息抜きがあるとより良いですね。

 

というわけで今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。

笑顔な1枚と共にお別れです。

 

 

 

 

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渾身のうにさんだと思いました? 残念! しゅんさんぽでした!!!

 

バイバイ!

初めての富士フイルム SUPERIA PREMIUM400。

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

今日もまた初めて使ったフィルムを現像してきましたので、どんなのが撮れたのかペシペシ貼りつけて行こうと思います。

今回は富士フイルムから出ている「SUPERIA PREMIUM400」というフィルムを楽しんでみました。

例によって詳しいことは知らないので、色々知りたい方はこちらをどうぞです。

takesanpo.com

 

というわけで僕は撮った写真を貼っていくだけ!

 

このフィルムを使ったのは、カトウタクミさんが大阪に遊びに来ていた日のこと。

京都でのホントレート を終えて合流してから、このフィルムを装填しました。

時刻は夕方。天気はいつ降り出してもおかしくないどん曇り。

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左からタクミさん、「たけさんぽ」のたけし、しゅんさんぽ。

いつも通りピントは来ない。でもしゅんさんぽがエラそうなのは分かる。

 

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これが多分1枚目。タクミさんたちと合流した喫茶店でこいつを装填して早速パチリ。

今まで業務用100ばかりだったから、室内で撮ったことなかったので、つい試したくなって。

 

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いくつか坂があるのを撮り歩くことになっていたようです。地震で隆起した地形がなんとやらとたけしが説明してくれたけど、全部忘れました。

 

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ねこがにゃーんと通って行きました。

アラサーの野郎が4人とも「にゃーん」と言いながら猫を追いかけていくおぞましい瞬間です。

 

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自転車のカゴからモリモリ溢れ出す植物。これはもう乗る気がないのかな?
葉脈がしっかり写ってる。珍しくピント合わせられてるじゃないの、偉いですねー。

 

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正面の家の窓が面白いなーって。

ピント気にしなくていいから無限遠ラクだなーって遠くのもの撮りだした頃ですね。

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とか思ってるから、3人の後ろ姿にピント合わせられない。

普段あんまり後悔とかしない前のめりマンだけど、これはぐぬぬ

 

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今度こそ3人をカッコよく!

タクミさんの後ろ姿、カッコイイ。何を撮ってるんだろう。

たけしがこっち向いてるけど、うまい具合に葉っぱで顔が隠れてる。

しゅんさんぽは……あれ、ツルツル?

 

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あ、前にいたのね。

これはピント外してません。しゅんさんぽに合わせる気がないのです。奥の寺院を撮りたかったのです。

 

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個人的に好きな1枚です。黄色好きだし、紫との対比が気持ちいい。信号機の柱のザラザラもしっかり描写されてる。

動く人じゃないなら、合わせられるようになったねえ、偉いねえ。

 

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Tシャツのタグに気付いてないたけし可愛い。

高校時代からカメラやってればJK撮り放題だったのにねーって話しながら高校の横を通るアラサー4人。

 

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リアカーは駐車違反になるのかしら。

 

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よく見たら帽子の線がちゃんと撮れてる。フィルムで撮った写真の細部見るの好きです。

 

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このあたりでポツリときたけど、ギリギリ日本橋のアーケードに逃げ込めました。夕方のアーケード下では流石に撮れなさそうだったので、写真はありません。

 

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この日の最後の1枚。夕方この明るさは撮れる? 露出大丈夫? とフィルムの先輩たちに確認しながらパチリ。

盛大にピント外してますね。東洋建設!

 

ここから翌日。

この日は確か姫路のコワーキングスペースmoccoさんでブログを書いていました。

その道程で撮ったみたいですね。

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近所の花。デジタルだとあまり花を撮る気にならないのですが、なぜかフィルムだと1枚は撮ってる気がします。

 

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側溝の水面に映るフェンス?

ゆらゆらしてるのが面白かったんだと思います。

 

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おじさん最近こういう幸せそうなのに弱いの。

 

ホントレート の文字起こしをやったり、撮った写真の整理をしたりしているうちに、いつの間にか、太陽の退勤時刻に。

息抜きにツイッターを眺めていると、何やら姫路の空の色がすごいことになっているらしいという情報が。

慌ててmoccoを飛び出すと、ピンク色に焼けた空が。しかも随分な人出。どうやらこの日は姫路ゆかた祭りが開催されていたようです。

なるほど、それでパトカーのサイレンや怒号がいつもより聞こえていたのですね。

それにしてもピンク。

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完全に意識は右のほうに引き寄せられてますね。空に対する注意が散漫です。

 

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浴衣らしきものが見える。

この後一気に陽が落ちたので、この日はこれでおしまいでした。

居ても立ってもいられなくなったので、もちろんお酒を飲みました。

 

そして、フィルムの残り枚数は2枚。

 

新しい旅の先触れが、この子の最後の仕事でした。

グッジョブ。

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というわけで、今回はここまで!

また新しいフィルムでお目にかかりましょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート27撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

27回目となる今回は、泡のように浮かんだ気持ちを言葉や写真で残すブロガーさんが教えてくれた1冊です。目に映るものをそのまま受け取るのではなく、その奥深くにあるところまで見ようとする姿勢を身につけさせてくれたという本とは、いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう!

 

 

お話を伺った人

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うにさん

東京都在住。エネルギッシュに食べる・飲む・写真を撮る小さなおやじ(女)と称するブロガー。泡のようにぷかぷか浮かんだことを、消える前に残すことをテーマとしたブログ「日々のあわ」を運営。ブログタイトルはビールを意味するという噂も。最近では日本各地のフォトウォークに積極的に参戦中。来週あたりあなたの街で写真を撮っているかも?

unicamera.hatenablog.com

 

大事なことは、その言葉の先にある。

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みなさま、久しぶりの登場でございます。盛大な拍手でお迎えください。ホントレート史上最多の登場回数となる『星の王子さま』がうにさんの撮っておきの1冊です。流石の名作、3回目の登場ですが、今回もこれまでのお二人とは違ったお話が聞けました。

うにさんに『星の王子さま』を教えてくれたのはお母さんだったそう。子どもの時に読んだ感想と、大人になってから読んだ感想が全然違うものになるからと勧められ、うにさんがこの本を手に取ったのは、彼女が小学生の頃でした。その感想は……?

「全然しっくりこなくて……。なんていうかもう、何言ってるんだか、全ッ然分かんなかったですよね。登場人物たちが直接的に話さないので、誰の視点の話なのかというところもクエスチョンで。象を呑んだウワバミ(大蛇)の絵とかしか記憶になくて、よく分からない不思議なお話っていう印象ぐらいでした」

Oh…なかなかの感想ですね……笑

初読ではほとんど印象に残っていなかったという『星の王子さま』とうにさんが再会するのは、それから何年も経ってからのことでした。社会人になって少し経った時のこと。彼女は転職を経て精神的にもガクッと滅入っていたといいます。そんなタイミングで「星の王子さま』映画化の情報を聞きつけたのだそう。

何がそんなに響いたのか自分でも分からないままに、映画館で無茶苦茶に号泣しながら、幼い頃『星の王子さま』を読んだことを思い出したという、うにさん。その時の勢いそのままに、実家に帰省した際に読み返したんだそうです。

「実家にある本を読んで改めてこんなに深い作品だったのか、と思いました。自分の暮らす部屋に戻ってからもまた読みたい、いつでも読みたい!と思ったんです。それで本屋さんに足を運んだら、ちょうど映画化された関係で本屋さんにいっぱい並んでいたので、小さくて軽い文庫版を買いました。表紙も可愛いんです」

映画が本と人を結びつけてくれるということもあるんですね。新たな発見でした。

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 『星の王子さま』の中で最も心に響いたのは、有名な「大切なことは、目に見えない」というあの場面だといううにさん。

「いまだに解釈が難しいなと思っています。目だけじゃなくて言葉でもおんなじかなと思っていて、表面上は言葉で表現できているようでも、本当はそんなことできていなくて。なんて言ったらいいんだろう。本当は大好きで素直になりたいって思ってるのに、変にプライドが邪魔して嫌いなんて言っちゃったりして。でもそれは嫌いっていう言葉だけそのまま切り取ったらそれでおしまいなんだけど、大事なことはその言葉の意味の先を見ないと分からなくて、その人の口振りとか、雰囲気とか、額面通りじゃないところを……それこそうまく言えないですね笑」

言葉で全てを言い表すのは難しいものですよね。この名場面の自分の中での解釈を求めて、多くの人がこの本を手に取り、繰り返し読むのかもしれませんね。

 

ページの向こうにあるものを見つけに行こう。

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 映画を観るまでは読み返すこともなかったという、うにさん。子どもの頃に読んだ『星の王子さま』はずっと実家の本棚にあるそうです。

「本当に映画がきっかけで読んだんですけど、これはいつか自分に子どもができたなら、子どもの時に読んで、大人になってまた読むということをやってもらいたいなって思うんです。感じることも全然違うし、こんなに深いことが書いてあったんだって思ってほしい。私のお母さんも、同じような経験をしたから私にあんなこと言ってたのかなって、今なら分かります」

親から子へと受け継がれていくものも、きっと目には見えないのでしょう。それは言葉で伝えられるようなものでもなくて、だけどそういうところで1冊の本が一役買っているのかもしれないと思うと、なんだか嬉しくなってしまいますね。

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悩みがある時には救ってくれるような気がする、とも語っていたうにさん。『星の王子さま』を手に取るのにも、タイミングがあると言います。

「何かに悩んだ時や、すごく落ち込んでしまった時に読みますね。本って不思議で、私の状況に合わせて文章が変わるわけじゃないし、明確な答えが書いてあるわけじゃない。いつも同じことが書いてあるはずなのに、なぜか答えが出てくるような気がしてきて、救われているんですよね。だから王子さまは、私にとって暇だから読もうって感じの本ではないんです」

そんな『星の王子さま』は、うにさんにもう一つ大きなプレゼントをしてくれているようです。この物語と出会っていなかったら、物事を奥深くまで見ようという気になっていなかったかもしれないのだそう。物事にはいろんな角度があり、外側だけでなく内側もあるということに気付かせてくれたのだといいます。

「はたから見れば種類的にはどれも同じバラでくくれてしまうんだけど、ある人にとっては特別なモノかもしれない、というのが面白いと思うんです。すごく気持ちを込めて育てたバラと、自分と関わりなく道に咲いていたバラとじゃ、同じバラでも全然違いますよね。私はそれがこの本に書かれていることの全てだと思うんです」

僕たちはどうしても目に映った角度からのみ物事を見たり、考えたりしてしまいがちです。そんな時にぽんぽん、と肩を叩いて世界にはもっと奥行きや広がりがあるんだということを教えてくれる、王子さまのような存在が側にいてくれるうにさんが、とても羨ましくなってしまいました。

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撮影を終えて 

だらり庵をよく読んでくれているうにさん、ありがたいことです。お話を伺う前に撮っておきの1冊が被ってしまっていることをしきりに気にされていました。それでもお話を伺ってみると、やっぱりこれまでに『星の王子さま』を紹介してくれた2人とまた違った向き合い方があるのだということに気付かせてもらえました。また僕の中での『星の王子さま』像が広がりと深みを増したような気がします。「うまく言えない……!」と言いながら、何度も考え込みながらでも、それでも自分の言葉で語ってくれたうにさんの姿がとても印象的でした。

これまでの2人とは違う、小さな文庫版がよく似合っていました。

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というわけで第27回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

あなたと大好きな1冊の姿を写真に残しませんか?

ホントレートのご依頼は以下のメールアドレスまで

taroimo0629kuro@gmail.com

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あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート26撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

26回目となる今回は、奥様のポートレートが好きだと公言して憚らない愛妻家の教えてくれた1冊です。他の人からしたらどうでもいいようなものでも、本人にとってはかけがえがないこともあるんだというところに共感するという優しい本、いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう!

 

 

お話を伺った人

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ニシムラタクヤさん

1990年三重県生まれ。東京都在住。散歩と旅行が好き。出かけた先で奥さまのポートレートを撮るのはもっと好き。「生活とか写真とか音楽とか?あと美味しいもの?」についてをテーマにしたブログ「No.26」を運営。ブログ名は小学1年生の時の出席番号に由来。最近とんでもないカメラを購入したので、ますますポートレートが楽しみ。 

www.takchaso.com

 

子供の頃1番好きだった。親にきいてもそう言うはず、な1冊。

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皆さんは小さい頃に読み聞かせてもらった絵本のことを覚えていますか? 僕はタイトルは覚えていても、内容についてはそこまでハッキリと覚えていないというのが正直なところです。『エルマーのぼうけん』『モモちゃんとアカネちゃん』や『きんぎょがにげた』なんかを読んでもらっていたのは覚えているのですが、ストーリーを語れと言われるとなかなか……。

しかしニシムラさんは違いました。子供の頃1番好きだったという絵本、もりやまみやこ『きいろいばけつ』が彼にとっての撮っておきの1冊だといいます。

「読み聞かせてもらってたのは、幼稚園に入る前ぐらい? 初版が1985年だから、俺が生まれた時にはもうあった。子供の頃1番好きだったはず。親にきいても多分そう言うと思う」  

『きいろいばけつ』は、森の中で見つけたきいろいばけつをえらく気に入ったこぎつねが、クマやうさぎと相談し、来週の月曜まで誰も取りに来なければ自分のものにしようと決めてからの1週間を描いた絵本です。ほとんどストーリーらしいストーリーはありません。月曜日まで待とう!となったこぎつねが、1週間きいろいばけつを使って色々やる様子を描いているだけ。

ネタバレになってしまうのですが、きいろいばけつは最終的にこぎつねのものになりません。日曜日まではあったのです。あったのですが、月曜日に忽然と姿を消してしまったばけつ。これは子ども心に衝撃の展開だと思います。子ども向けの絵本であれば、きいろいばけつはこぎつねのものになると思いたくなるのが人情というもの。しかしニシムラさんはそうではないと言います。

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「なくなっちゃうんだけど、こぎつねは別にいいんだよって言う。もしもこの後誰かがばけつを持ってきて、あげるって言ったとしても、こぎつねはいらないって言うはず。結局ね、その1週間がかなり特別な1週間になっているはず。だからすごく切ないんだけど 、いい話。今読み返してもそう思う。俺はすごく好き」

あとがきにもいいことが書いてあるといいます。このバケツは記憶の中でいつまでもピカピカで、このうちまた別の色のばけつを見つけても、その1週間ほどの感動や喜びはないだろう、と。

「大人にとっては取るに足らないものでも、子どもは時としてそこに全宇宙を見ることがあるんだと思う。姿形は似ていても他のものと替えることはできないっていうの、そういう経験結構あるよね。子どもの頃木の枝に執着したり、その辺の石に執着したりとかあるじゃん。で、俺もそういうタイプで、小学校の時とか帰り道にあるゴミ捨て場から毎日何か持って帰ったりしてたなあ笑」

仮にこの絵本の影響を受けているとしたら、モノに対する執着ではないかとニシムラさん。ある人からすればどうでもいいものでも、モノと過ごす時間とかそういうものを大事にしたい自分の元々の部分と共鳴するものがあったのではないかということです。

子どもはゴミ捨て場にもどこにでも世界を見る天才ですからね。僕も竹製の伝説の剣とか持ってたなあ。

「まあ、幼稚園の頃にはそんなこと多分考えてないけどね笑」

少年のような笑顔がズルいですな、ニシムラさん。

 

直前でこの本でいこうと考えなおした1冊。

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実はこの取材の直前まで1冊を選ぶのに悩んでいたというニシムラさん。電車に乗った時点では角田光代さんの『さがしもの』を鞄に忍ばせていたようです。こちらも素晴らしい本です。 

「ホントレートの依頼が来た時から、『きいろいばけつ』がずっと頭にあったんだよね。今は実家にある絵本だから、別の本にしようと思ってたんだけど、やっぱりこれかな、と。駅に着いてから丸善で立ち読みして買ってきちゃったよね笑 実家にある読み聞かせをしてくれた両親の手の痕が残っている1冊ではないんだけど」

もう1冊の候補だった『さがしもの』もチョイスの仕方としては近い文脈を感じました。本を巡る短編集なのですが、本の中身は同じでも、一人一人にとってのその本でなくては成立しない話がある。そういうところが好きだという点は『きいろいばけつ』にも通じるのではないでしょうか。

「今手元になくても思い出せたのは、すげー印象に残ってたんだろうね。ホントめっちゃ覚えてた。不思議だな、挿絵の影響かな」と話すニシムラさん。

挿絵が印象的な『きいろいきつね』ですが、優しいその絵はつちだよしはるさんによるもの。この優しさが、物語の切なさと入り混じり、この本をより印象深いものにしているのかもしれません。

「ウチの親は周りと比べて年をとっていたんだけど、若い親を持つ子達の方が情報量が多かったり、自分の運動神経があまりよくなかったりして、スペック的に自分が劣勢に感じるところがあったから、そういうところを1匹だけばけつを持ってないこぎつねに照らし合わせてたかもしんないな」

全部を自分が持っているわけではないということを、何となくその当時から思っていたのを『きいろいばけつ』を読んだら思い出したとこぼすニシムラさん。

自分にないものを知っている人の優しさと強さを感じる横顔でした。

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 「あきこ(奥さま)もこういうの好きでね。いっときの切なさというかね、あったかい時間みたいなのを大事にする人だから。多分あきこもこの本好きだと思う」

インタビューの中盤、唐突に奥さまの話が出てきたので、なぜこのタイミングで? と少し思いましたが、静かにニシムラさんのお話に耳を傾けていると、すぐに納得することができました。

『きいろいばけつ』以外にも「きつねの子シリーズ」があるということは知らなかったというニシムラさん。

「今この他のシリーズを読んでも、良いとは思うんだろうけど全然ちっさい頃読んだ時の受け止め方とは違うんだろうな。俺はこのきいろいばけつとの1週間みたいな、その時だけにしかできない体験を大事にしてあげたい……いろんな人の。こういうのに寄り添える人がいるとね、良いと思うんだよね」

いろんな人とは言われてますが、そこに真っ先に当てはまるのは……っとこれ以上は野暮ですね。

 

自分の心に浮かんだ執着、それと向き合いながら生きていく僕たちは、生きている限りそれが叶えられないという場面に必ず出くわします。そんな時に、そのモノ自体にかじりつくようにするのではなく、それに対する気持ちや一回性の体験に思いを寄せることができるかできないか。そこがその人のあり方に大きく関わってくるような気がしています。そういう意味でも『きいろいばけつ』は稀有な時間を過ごさせてくれる素晴らしい絵本なのではないか、そんなことを思いました。

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撮影を終えて

「話、脱線しまくったけど大丈夫? 書ける?」とニシムラさんに心配されました。お話が面白くて、自由に話題を展開させているうちに何の話だったっけ?となることがあったのを危惧してのことだったのでしょう。でも取材の本筋に関係なさそうなところにこそ、「ニシムラさんの本筋」が隠れているもの。本好きのお父さんが全集の同じ巻

を重複して買ってしまうのに共感してしまうという話であったり、夫婦でセレクトした本を結婚式の出席者に持って帰ってもらった話だったり、いろんなところにニシムラさんが見え隠れしていて、とても楽しい時間を過ごさせてもらいました。

ばけつが手に入るかどうかじゃなく、そのばけつを思う二度とない時間に思いをかけながら日々を暮らすニシムラさんが、僕はとても羨ましい。

今度カレー食べにお邪魔させてくださいな。

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というわけで第26回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

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初めてのKodak PORTRA800。

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

僕は写真を撮ることが好きです。

つい最近、自分が撮りたいものを撮るのに必要な機材が揃い、もうこれでしばらくはカメラにお金をかけなくて済む、と思っていました。

そう、思っていたんです。

フィルムに出会うまでは……

今年のお正月に実家に帰省した時に、父親から1台のフィルムカメラを借りてしまったのです。父が初任給で買ったというNikon FE2。

自分の周りにフィルムで写真を撮っている人が多くいたので、興味はあったのです。

今思えば、軽い気持ちで借りてしまった僕が悪かったのです。

フィルム、めっちゃ楽しい……。

こんなにハマってしまうなんて……。

 

カメラを初めてもうすぐ丸2年。今年はフィルムで撮る写真が増えそうな気がします。

 

さて、今回はKodak PORTRA800というフィルムで初めて撮った写真をバシバシ載せていこうと思います。詳しいことはよく分からないので、ただただ写真を貼ります。知り合いが「ファーストロール」ってやってるのが楽しそうだったので(厳密に言うと違うのかもしれないけど)

お時間のある時にゆっくりご覧ください。

 

東京

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記念すべき最初の1枚。

せっかくなんだから、そこはピント合わせようよ…(ピント合わせ上手くなりたい…)

 

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国立新美術館の入り口です。

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上からテーブル。多分右に写ってる黄色い人にフォーカスしたかったんだと思います。

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レンズの向きを少し変えただけでこんなに違うの面白い。

 

東京で撮ったのは3枚だけでした。フィルムはデジタルで撮るのと違って慎重になりますね。

 

兵庫

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またつまらぬものを撮ってしまった(姫路に被写体がないわけではないので、誤解のなきよう)

と言いつつ、姫路がこれだけなの悲しい…

 

神戸

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友達と飲みに行くタイミングで降り立った三宮駅かな?

 

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帰ってきた最寄駅でお兄さんのシャツの柄が良くて1枚。

ISO800とはいえ、酔ってる&暗い駅構内では流石にブレてます。

 

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駅からの道で1枚。

 

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翌朝同じところで1枚。夜は花も眠るんですね。

 

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どうしてあんなところにハットが。

デジタルなら納得できるまで撮ってるんでしょうけど、フィルムなので1枚だけです。

 

京都

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ホントレート の取材に京都へ向かう道中。

 

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この日のホントレート の現場ですね。元々立命館大学学生寮だったのだそう。オシャレ。

 

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取材を終えて錦市場で。

結構暗いなあと思ったんですけど、ちゃんと撮れてます。さすが高感度。

 

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逆に輝度の高い駅の看板なんかは白飛び。

 

大阪

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京都をあとにし、友人たちと合流するために大阪へ。あべのハルカスの足元から遠くに見える通天閣をパチリ。

 

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インド?の方のお召し物が綺麗で、歩道橋の上から1枚。

 

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合流して1枚。光量が足りないかな、と思うような喫茶店の中でもちゃんと写ってます。

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この辺りから、友人の助言を思い出しF4ぐらいに絞って撮っています(あまりにピントを外すので…)

 

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走ってる自転車、マニュアルでどうやって撮るんだろう。

 

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自分で思うよりもかなり明るく写っていた1枚。いつも使っている業務用100でならすごくいい感じに陰影が出るはず!と思いながら撮ったのですが、このあたりの感覚はまだまだ何も分かりません。

 

というわけで、こんな感じにいろんな都府県にまたがって1本のフィルムで撮ってみました。

シャッターを切るペースがどうしても落ちてしまうので、現像までの時間が結構あるのですが、それはまた楽しみを熟成するということでよしとしましょう。

実際現像から上がってきたのを見た時のワクワクといったらもう…!

 

というわけでこれからもバシバシフィルムでの撮影を楽しんでいこうと思います。

このフィルム面白いよ、というのがあれば教えていただけると嬉しいです。

 

というわけで、最後に今回の1本で1番のお気に入りとともにお別れです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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バイバイ!

あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート25撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

25回目となる今回は、好きなモノに対するまっすぐな情熱が気持ち良い、黄金麦酒紳士が教えてくれた1冊です。その本が好きすぎて、人にオススメするために自身の本を都度3回も渡して、今では4代目になるというほどに好きな本とは、いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう!

 

 

お話を伺った人

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 クリハラさん

1985年東京生まれ。東京都在住。ガンダム、料理、カメラに植物と趣味の幅が広く、そのどれにも持ち前の探究心と深い愛情を注いでいる。その愛が結晶化した偏愛ブログ「私的植物生活論」は鋭い文章と類稀なるウィットが痛快。庵主が初めてファンとしてブログを読み始めた方。人当たりの良い、穏やかな物腰と端正なそのルックスからは想像できないほどにビールを飲む。

kurit3.net

 

勧められても人は読まない生き物だから、もう買って渡すことにしました。

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「いろんな人にこの本めっちゃ面白いよって勧めてきました。でも、勧められても人ってそんな簡単に読まないでしょ? だからもう買って渡した。あげまくってるから、今私の手元にあるのは4冊目」

これまで本を紹介してくださったどの方とも違う衝撃的な言葉に驚きを隠せません。クリハラさんが並々ならぬ思い入れと共に持ってきてくださったのが、いとうせいこう『ボタニカル・ライフ』 庭はなくとも植物は育つ。都会の片隅、ベランダでふとしたことから花を育てるベランダーとなった著者いとうせいこうの、熱心なのかそうじゃないのかよく分からない植物ライフを綴ったエッセイ集です。第15回講談社エッセイ賞

NHKでは「植物男子ベランダー」というタイトルでドラマ化もされている本作。

NHKのコンテンツで、ごちそんぐDJ(DJみそしるとMCごはんがおくる音楽&食番組)と植物男子ベランダーは本当に嫉妬するコンテンツ。なんで私はここに携わってないんだ!と怒りがこみ上げるレベルに悔しかった」f:id:taroimo0629kuro:20190627001107j:plain

のっけからフルスロットルで愛を語ってくれました笑 彼が『ボタニカル・ライフ』と出会ったのは仕事をしたり休んだり、フラフラしていた時期のちょうど仕事をしていない周期のこと。家からちょうど15分の図書館に休館日をのぞいて、毎日通っていたそうです。図書館ではあまり頭を使わないで済むような本ばかり読んでいたというクリハラさん。お好みはさくらももこさんなどのエッセイだったといいます。

図書館でたまたま『ボタニカル・ライフ』を見つけて、何だろうなこの本はという感じで手に取ったのだそう。いとうせいこうさんの斜に構えた感じが、さくらももこさんに通じるところもあり、一読して面白いと思ったといいます。もともといとうせいこうさんがこういう本を書いているとは知らなかったそう。

ジャケ買いですよね。あ、ジャケ借りか、図書館だから笑」

図書館でのジャケ借りから幾星霜。3人もの人間に手渡すことになるほどこの本を愛することになるとは、当のクリハラさんにも想像できていなかったことでしょう。

 

かけただけの愛情? そんなものより良い水、良い光、良い空気でしょう。

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 もともとお母様が植物をベランダで育てるのが好きだったというクリハラさん。彼自身も大学で造園系の勉強をしていたといいます。そこでは庭園や広場の設計、デザインを学んだのですが、植物を育てるという領域ではなかったようです。学生時代にも勉強を兼ねて近所の花屋さんでアルバイトをしていたそうなのですが、真剣に植物のお世話を始めたのは『ボタニカル・ライフ』を読んでから。

自身でも植物を育てているうちに、「私も記録をとった方が面白いな」と思い、ブログを始めたのだといいます。育成の記録というよりは、この本のようなエッセイが書きたいと思ったそうなのですが、文章は全然敵わないから、せめて載せる写真ぐらい頑張ろうと思い、今の形になったのだそう。僕の大好きな「私的植物生活概論」の誕生秘話についても伺うことができるなんて…! すみません、1人静かに感激していました。

『ボタニカル・ライフ』に対し、並々ならぬ思いを寄せるクリハラさんですが、最も印象に残っているのはどの植物についてのエッセイなのでしょうか。

「この、植物が死んじゃうのが良いよね」と、驚きの良い笑顔で語ってくれたのが、この本の1番最初に位置する「アロエ」のお話。

「すごいんだよこれ。横断歩道の近くに落っこちてたアロエを拾ってニヤニヤして、土に挿してもニヤニヤ、そして唐突に最後枯れちゃう。こんなアホみたいな話を2ページ分使って書いちゃう。オープニングに持ってくる話として、ものすごく衝撃を受けた。すげー面白い」

白状しますと、僕はクリハラさんのブログで『ボタニカル・ライフ』を知り、読んだ口

なのですが、この「アロエ」の話は本当に面白いです。この上なくアホくさいのに、淡々とした筆致で綴られている。多分これを書くために机に向かっていたいとうせいこうさんも死ぬほど無表情で書いていたんだろうなあ、と思うぐらい淡々としています。でも面白いのが悔しい笑

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 各植物の魅力的なエピソードはもちろん大好きで、見出しを見ただけで内容が思い浮かぶほどに読み返してきたというクリハラさん。特に枯れゆく植物に何もしてやれることはないというくだりが好きなのだといいます。

「かけただけの愛情に応えてくれるとか、そういう系がすごく嫌いだから……嫌いって言っちゃまずいな笑 植物はすぐ美談と絡められちゃうから、みんなちゃんと教育を受けた方が良いよね。愛情よりも水と光と空気の方が大事なんだから。いとうせいこうも私が今言ったようなことを言うんだけど、なんやかんや彼は植物を愛してるからね。でも自分では絶対そんなこと言わない笑」

この本には、「そうじゃなきゃいけない」「そうあるべき」というのが一切ないそうなのですが、「私も結構根が真面目だから、こうしなきゃいけない、こうあるべき!みたいに自分を縛りがちだったんだけれど、最近はそんなこともない。公序良俗に反したりしなければね」とクリハラさん。

変にこだわりが強くなってしまう自身の中にあるオタク気質なところを自覚しているというクリハラさん。それが割と柔軟な考えになったというのは、『ボタニカル・ライフ』の影響もあるといいます。これまでひたすら嫌っていた納税も、いくらかが回り回って都市公園の管理に当てられていると思えばこそ、まだギリギリ納税できるのだそうです笑

植物も、ひとくちに育てるといっても、毎日そんなにやることはなく、勝手に育つというクリハラさん。趣味の一つである手芸と違って、思った通りにいかないけれど、思ってもみないものを見ることができるから、植物は面白いといいます。

全てが思い通りに行くと勘違いしがちな僕たち人間に鉄槌を下すわけでもなく、ただそこにいる植物たち。物言わぬ彼らと暮らすクリハラさんの元にある『ボタニカル・ライフ』が何代目までいくのか、楽しみです。

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撮影を終えて

クレマチスシーボルト牧野富太郎について歴史上のエピソードなどを織り交ぜつつ語ってくださったクリハラさん。かと思うと「最近はグレープフルーツを食べた後に種を埋めて、芽が出たよ」と無邪気な笑顔。クルクルと展開する植物絡みのお話の全てをここに掲載できないのが残念なくらい、楽しい時間を過ごすことができました。

また綺麗な星を眺めながら、黄金の麦酒を味わいたいものですね。

ちなみに4代目『ボタニカル・ライフ』は、この撮影に同行したしゅんさんぽの元に渡ることになりました。そろそろ感想文が届くことでしょう。

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というわけで第25回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

あなたと大好きな1冊の姿を写真に残しませんか?

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