Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート17撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

17回目となる今回は、ときめく“モノ”を通じてたくさんの若者をご機嫌にしているブログメディアの運営者が教えてくれた1冊です。おそらくこれまでお話を伺った方の中で、最も所有する紙の本の数が少ないであろう方の“核”になっているという本。いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか。早速教えてもらいましょう。

 

 

お話を伺った人

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堀口英剛さん

 1990年生まれ。東京都在住。“モノとヒトとの文脈を紡ぎ出す”株式会社drip代表取締役社長。個人ブログ「monograph」ではガジェットを中心に、気になったモノを幅広く紹介。自分をときめかせるモノ選びのエキスパート「モノマリスト」として、2018年には自身のモノの選び方や考え方を綴ったエッセイ『人生を変えるモノ選びのルール』を上梓。ファミチキが好き。

drip.co.jp

number333.org

 

現monograph「始まりの1冊」

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「1ジャンル1アイテム」というモノ選びの基準を設け、とびっきりのときめくモノだけを手元に置くことにしている堀口さんは、多くのモノが身の周りに溢れている状態を是としません。そんな彼ですから、寝る前に読む漫画は基本的に電子書籍、おっ!と思うところがあった紙の本でも、メモをとった後にはメルカリなどで売っているといいます。そんな暮らしでは本が増えることがありませんから、必然的に部屋には本棚がありません。ですので、堀口さんの手元には全部で4冊ほどしか紙の本はないのだそうです。すごい。

それほどまでに選別された本ということなので、今回は特別にその中から3冊についてお話をしていただくというイレギュラー回になりました。

 

「基本的にはこの1冊ではあるんですけどね」

そう語る堀口さんの手元には、松浦弥太郎『今日もていねいに。』

社会に出て、学生の頃のように記事を更新するのが難しくなり、ブログの方向性を変えようとしていたという堀口さんが、この本と出会ったのは5年ほど前。旅行先のタイでのことでした。

何もすることがなく、本でも読もうとふらりと立ち寄ったカオサン通りの古本屋さん。松浦弥太郎のことを知らなかったという当時、『今日もていねいに。』という字面に惹かれてこの本を手に取ったことで、彼と彼のブログが大きく動き出しました。

それまでの、読者の興味に賞味期限のある流行りのゲームの攻略法や漫画の考察ではなく、いつ読んでも大丈夫な記事を書こうと考え、暮らしに関わるモノを中心に取り上げるようになったきっかけが『今日もていねいに。』だったのだそう。

エピソードを交えつつ、考え方をモノに落とし込んでいく松浦弥太郎スタイルには、大きく影響を受けているという堀口さん。この本と出会っていなかったら、どのみちブログをやっていただろうけど、全然違うことを書いていたと思うなあ、と感慨深げな様子でした。

少々大げさな言い方をすれば現在の「monograph」の「始まりの1冊」とも言える本書。原点を忘れないようにという思いからか、はたまたうっかり忘れているだけなのか、タイの古本屋さんで買った時の値札が着いたままなのが、とても印象的でした。

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エッセイはスポーツである。

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「この本は全国の学校の図書室に置くべきですよ」と語る堀口さん。どこを開いて読んでもハズレがないのだそう。

その中でも特に大好きなのが「自分プロジェクト」という考え方だといいます。

自分プロジェクトとは、誰かに「やれ」と言われたことではありません。

自分でしかつめらしく「やらねばならぬ」と、決めたことでもありません。仕事でもいいし、毎日の暮らしのなかの、些細なことでもいい。「これができたら、すてきだろうな、面白いだろうな、きっと新しい発見があるだろうな」そういった小さなプロジェクトをいくつもこしらえ、あれこれやり方を工夫し、夢中になって挑戦し、順番にクリアしていくことです。

誰のためでもなく、自分のために自分がワクワクできることをコツコツ楽しみながら続けるのって良いよね、と思えるヒントをもらえたという堀口さん。続けることは難しいことだと前置きしつつ、習慣になってしまえば楽しくてしょうがない、やらないと逆に落ち着かなくなりますからねとも。

堀口さんの習慣の1つに、夜寝る前に漫画を1冊読むというものがあるそうなのですが、同時に本も1ページ読むようにしているといいます。その時にちょうどいいのが堀口さんの数少ない蔵書『今日もていねいに。』と森博嗣『つぶさにミルフィーユ』、それからジェーン・スー『今夜もカネで解決だ』

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この3冊に共通しているのは、どれもエッセイ集だということ。どうやら堀口さんは限られたページ数で起承転結を華麗にまとめるタイプのエッセイがお好みのようです。

「エッセイはスポーツだと思っています。わずかなページ数という制約の中で自分の最大のパフォーマンスを出力するところが、本当にすごい」

特に、過不足なく見開き2ページぴったりで1つのエッセイを書き上げる森博嗣の『つぶさにミルフィーユ』については「まるでエクストリームスポーツ(スカイダイビングやボルダリングスノーボードのような危険をものともせず行う離れ業的スポーツ)のよう」と評するほど。

 

自分の文章の核を形作る3冊

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一方で堀口さんの運営しているブログという形態は制限がないため、書こうと思えばいくらでも言葉を弄して書き続けることができてしまうのだそうで、 エッセイほどの凝縮感を持たせるのはなかなか難しいのだといいます。そしてエッセイよりもさらに言いたいことが凝縮して表現されているのが、俳句。究極的には俳句のように短い言葉でモノの本質や言いたいことを表現できるのが理想なんだとか。なんだかものすごいところを目指されています。

 俳句といえば、ついつい声に出して読みたくなりますが、堀口さんは本を読んでいる最中にいいなあと思う箇所があった時、iPhoneの音声入力でメモしているのだとか。

「単純に文字を打ち込むよりも手間がかからないというのもあるんですが、目から取り込んで声に出した文章ってすごく覚えているんですよね」

さらに、良い文章は声に出した時に通りが良いとも。

「全然本と関係ないんですけど、ラップってあるじゃないですか。 あれはすごく勉強になるんですよね。言い回しもそうだけれど韻という部分で」

古来から人間が耳にして心地よさ、美しさを感じてきた「韻」

それをいかに自分の書く文章に落とし込むかを常に考えているのだといいます。

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「上手い人の文章は、テンポやリズム、そして韻といったところがしっかりしていると感じています。要点を押さえているとかそういうんじゃない。その人の思考や書き方の型とでもいうものが特に出やすいというところも、僕がエッセイを好む理由なのかもしれません」

松浦弥太郎でいえば若かりしニューヨークの日々を枕に持ってくる書き方、森博嗣であれば結論めいたことを文章のはじめに持ってくるなど、持ってきた本の型についても語ってくれました。

文章の型、そこに言及できるということは、それだけ読み込んでいるということ。枕元においてほとんど毎晩のように少しずつ目を通し、自らの血肉としているのが窺える言葉のチョイスだと感じました。

それぞれに違うテイストの3冊を核とし、記事にするコンテンツの性質によって意識する文章を変えているという堀口さん。

『今日もていねいに。』をベースに置きつつ、カッチリしたモノの紹介がしたい時には『つぶさにミルフィーユ』、各方面で在庫を払底させたジェットウォッシャードルツのようにカジュアルに紹介したいモノの時には『今夜もカネで解決だ』をそれぞれ意識するのだといいます。

そんな器用なことができるのも、目を通し、体に取り込み、言葉として発するという日々の繰り返しの賜物なのかもしれません。

「松浦さんのこの本は、毎晩朗読したっていいぐらいです」という言葉をインタビューの始めの方で聞いた時には、正直そんなまさかと半分くらい思いました。ですが30分後にはこの人は本気で言っているんだと認識を改めている自分がいました。今この人が手にしている本は、彼の日々になくてはならない1冊なのだと。

 

堀口さんの著書『人生を変えるモノ選びのルール』の中にこんなことが書いてあります。

あまりくどくなりすぎても嫌味ですが、自分が持っているモノの「理由」と「良いところ」くらいはサラッと口から出てくるようにしたいです。

自分はどうしてこれを持っているのか、どうしてこれを選んだのかを語れるのであれば、それはきっとあなたの「ときめくモノ」なのだろうと思います。もしその理由を説明できないのであれば、それはあなたがなんとなく持っているだけのモノ。

どうでしょう。堀口さんは「撮っておきの1冊」について語れていたでしょうか。

 

 

 撮影を終えて

正直に申し上げて、僕は堀口さんが語ってくれる本が今回の3冊だろうという予想はしていました。というのも、ご自身のブログでこれらの本について「語る」記事を書いていらっしゃるのです。堀口さんが取り出した本を見て「やはり!」と思ったのと同時に「まさか全部だとは…!」とも笑

なんで記事に書いていることまで知ってるんだと思われるかもしれないでしょうが、単純に僕が「monograph」のファンだからです。毎日更新を楽しみにしている1人の読者なのです。

そんな僕が堀口さんに直接お話を伺える日が来るなんて。随分遠くまで来た感がありますね。

次はどんな“ときめくモノ”を教えてくれるのか、これからも楽しみにしてますね〜!

 

※堀口さんが3冊について書かれた記事は以下のリンクからどうぞ。

number333.org

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 というわけで第17回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

あなたと大好きな1冊の姿を写真に残しませんか?

ホントレートのご依頼は以下のメールアドレスまで

taroimo0629kuro@gmail.com

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あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート16撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

16回目となる今回は、シンプルな文章と美しい写真で読む人の物欲をバチバチに刺激する罪深きブロガーさんの教えてくれた1冊です。そんな方が読み返すたびにインスピレーションを得ているという本を持ってきてくれました。これは気になりますね。いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう!

 

 

お話を伺った人

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鳥羽恒彰さん

1993年生まれ、東京都在住。隅々まで意識が行き渡った統一感が心地よいモノのレビューブログ「トバログ」を運営。人のカバンに何が入っているのかにフォーカスした「カバンの中身」シリーズなど、魅力的な記事が多数。最近では道ゆく人にインタビューして教えてもらった愛用品やお気に入りについて紹介する「人とモノの交差点を描く」メディア『monomag.tokyo」を開設するなど、ますますその動向から目が離せない。ご存知ないという方、チラッと覗いてみて下さい。たまげますから。

tobalog.com

monomag.tokyo

 

大好きなモノを作る人たちの舞台裏を覗けた1冊

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「以前に店頭で見かけて、手にとって、でも買わなくて。ずっと頭の中にモヤモヤと残っていた本なんです」と語る鳥羽さんが『伝わるデザインの思考と技法 雑誌のデザイン(以下 雑誌のデザイン)』(視覚伝達ラボ編集部)を購入したのが昨年のこと。

彼がこの本に惹かれたのにはワケがあり、元々雑誌を読み漁るのが好きだったのだといいます。

雑誌といえばコンセプト、デザインが全体を通して統一感があるのが気持ちいいもの。全ての記事でライターさんが違う、編集者も何人も携わっている。それなのに統一感があるのが面白くないですか、と熱のこもった表情で語ってくれた鳥羽さん。

確かに、読んでいて良いなあと感じる雑誌は、ページごとに好き放題なデザインではなく、どこかにまとまりを感じます。しかもその統一感は雑誌媒体でそれぞれ異なるというのもまた面白いポイントなのだそう。

普段雑誌をそのような視点で読んだことがなかったので、鳥羽さんの言葉に新鮮な驚きを得るとともに、彼がいかに雑誌を読むことが好きなのかが伝わってきました。

鳥羽さんが『雑誌のデザイン』が気になってしまったのも、無理からぬこと。まさに出会うべくして出会った1冊といえるのではないでしょうか。

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 そんな雑誌好きな鳥羽さんが語る『雑誌のデザイン』の魅力、キーワードは「舞台裏」

誌面を作り上げるノウハウというよりは、実際に雑誌を作っている人たちがどのような哲学や信念、考え方のもとで手と頭を動かしているのかということが覗き見できるのがこの本の面白いところなんですと、少年のような表情で語ってくれた鳥羽さん。

「雑誌のデザインや編集のように、一見するとロジカルの真逆の作業をしているように思われがちな彼らですが、実はそうじゃなくて。全部が全部ではないですが、彼らはほとんどの仕事をロジックをもとに進めているんです。緻密に、正確に。そして、それだけでは対応できないところで経験則や感覚的なものも採用していくという柔軟な姿勢も併せ持っている。そういうことは、この本を読まないと分かりませんでした」

自分の大好きなモノ(雑誌)を形にしている人たちの舞台裏を覗いていた鳥羽さん。いつしか自身の運営するブログにも、そこから得たものを盛り込むようになりました。

 

統一感へのこだわり

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鳥羽さんのブログ「トバログ」を読んでいて印象的なのが、ページ全体の統一感。白を基調とした構成で、ブログ内に登場する写真もシンプルなものが多く見受けられます。落ち着いた気持ちで記事や写真に集中できる、とても素敵なブログデザイン。随所に見られる「こだわり」、これもまた元々の彼の素質と『雑誌のデザイン』とが出会うことでブラッシュアップされたポイントの1つなのでした。

「トバログ」のイメージカラーである白に関しては、高校生の頃から身の回りのものを白で統一するということをやっていたのだそう。ニンテンドーDSPSP、携帯電話のボディカラーを白にしていたといいます。すでに統一することに関しての素質は持ち合わせていたようです。

そんな彼が『雑誌のデザイン』で目にした、雑誌を作る者たちのこだわりが「トバログ」をさらに上のステージに引き上げたのかもしれません。

全てを自ら手がけてZINE(個人雑誌)を作っている人が、取材地で撮影されたフィルムを、わざわざ現地の現像所で現像するというこだわり。

校正段階で見逃してしまったデザインの1mmの狂いに違和感を覚える感覚の凄み。

こだわり抜いて面白いものを作ってやろうとする、ある種バケモノのような人たちの仕事ぶりに2000円出せば触れることができる『雑誌のデザイン』、恐ろしい本だと思います(この本自体も売れ線狙いではなく、完全保存版を目指して作られている感じがすごく良いんですよと、鳥羽さん談)

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やりたいことの多い自分を近道させてくれた1冊

f:id:taroimo0629kuro:20190504165647j:plain ブログというカタチにこだわらず、動画や商品開発といった多方面のことに携わりたいという鳥羽さん。いくら彼がスーパーマンでも、与えられている時間は他の人たちと変わりません。だからこそ時間をいかに使うかということが大きな課題になってきます。

『雑誌のデザイン』は自分の進みたい方向への近道を示してくれた1冊だと、鳥羽さんは言います。

意欲さえあれば、手探り状態でも最終的に目指すところに辿り着く自信はあるけれど、それではあまりにも時間がかかりすぎる。ですが、この本と出会って、デザインや技術、生き方・考え方を促成的にステップアップさせることができたのだそうです。

「近道が出来たということは、その分自分のコンテンツに時間を割ける様になったということにもなっているんです」

自らのこだわりたいところに時間をかけるための頼もしい相棒が、今日も鳥羽さんのインスピレーションを刺激しているのですね。

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撮影を終えて

今回お話を伺っていて、随分たくさん「こだわり」という言葉が出てきたような印象を受けました。よく考えてみると、「トバログ」のモノ紹介も、「カバンの中身」も『monomag.tokyo』も全部がこだわりに満ちています。

自分だけの世界に閉じこもってこだわるということはどこかの分野で一点突破するほどの力を産むこともありますが、その逆も然りで人間社会自体から一点突破してしまう可能性も秘めています。

しかし鳥羽さんの「他者」への視線に根ざした「開かれたこだわり」は、そのどちらとも違っていてとてもユニークなものだと思います。

多くのこだわりを肯定する「こだわり屋さん」がまだ見たこともない、誰かのこだわりと出会わせてくれるのが楽しみでなりません。

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というわけで第16回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

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あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート15撮目

皆さん、こんにちは。

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どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

15回目となる今回は、カッコいいのにどこか優しい写真で、家族との日常やお出かけスポットを発信しているブロガーさんが教えてくれた1冊です。本に導かれて足を運んだ先で自身の全てが大きく変わったという1冊だといいます。いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう。

 

 

お話を伺った人

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ひげこいさん

 広島県在住のブロガー。カメラやレンズ、フィルムのレビューや家族との日常・旅行記を発信する「45House」を運営。ちょっと困るぐらいに可愛い息子さんとのお出かけ写真は悶絶モノ。どの記事も温かみに溢れていて、なおかつ役に立つ情報が満載の必読ブログ。

freewheeling.me

 

そうだ、馬路村行こう

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お話を伺うにあたって、なぜだか照れ臭そうなひげこいさんが取り出したのは、有川浩県庁おもてなし課

有川浩さんといえば 『図書館戦争』や『阪急電車』などが有名ですね。『県庁おもてなし課』も2013年には主演錦戸亮さん、ヒロイン堀北真希さんで映画化されています。雑誌『ダ・ヴィンチ』のブック・オブ・ザ・イヤー2011 総合・恋愛ランキング部門の1位獲得作品でもあります。

「実は、この本を読んだことがきっかけで、高知県の馬路村に行ったんです」

アニメや小説などの舞台になった土地に実際に足を運んでみる、いわゆる「聖地巡礼」というやつですね。高知県庁に実際に存在する「おもてなし課」の職員が県の観光促進のために奮闘する本作ですから、作中には実在する場所が多く登場します。その中でも馬路村は、物語の中でも主要な位置を占める場所。それはひげこいさんにとっても同様だったようで。

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「惹かれ合いながらもヤキモキさせられる主人公とヒロインの関係が、恋愛関係に発展したシーンがあるんですよね。それが馬路村だったんで。彼女と行ったら楽しいんじゃろうなって」

……なにそれ超ニヤニヤするんですけど。

しかも当時の彼女が現在の奥様というオマケ付き。ホント勘弁してください!ホントレートの取材史上最もニヤケが止まらないインタビューになりました。

と、まあまあの下心もありつつ馬路村を訪れたひげこいさんですが、それ以外の点でも村への旅行は深く印象に残っているのだそうです。

 

旅先で見つけたいろんな自分

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 馬路村を訪れる以前からブログで旅行先の記事を書いていたというひげこいさん。ですが、初めて本気で旅行記を書こうと思ったのが馬路村だったといいます。

「村の魅力を全力でブログ記事に載せたいと思った、その時の体験がなかったら、今のように体験系の記事は増えていなかったかもしれません」

freewheeling.me

5年も前の記事ですが、その時の楽しかった気持ちがほとばしっています。今のひげこいさんと少し文体も違いますが、ともかく楽しそうです。さらに上の記事でも『県庁おもてなし課』について言及されています。

 

そして、馬路村に行きたくなったきっかけもこの小説。馬路温泉にいる間は、県庁おもてなし課のことを少し思い出していました。

 

本当に深くて大きな影響をもたらした本なのですね。

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「馬路温泉に浸かって、温泉も大好きになりました。風呂ってこんなに気持ちいいんかって。そんなこと他のところで感じたこともなかったのに」

温泉だけじゃなく、村を訪れたのをきっかけに、唐揚げにゆずポン酢(馬路村の名産)と七味をかけるようになったりと、この時の体験が様々なところで現在の自分とリンクしているといいます。

そんな体験をもたらしてくれたのが『県庁おもてなし課』で、この本がなかったら今の自分の全てに繋がっていなかった可能性もあるかもしれないそうです。

「45House」のファンである僕としてもひげこいさんとこの本が出会ってくれていてよかったと思いました笑

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体験が自分を作ることを教えてくれた1冊

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今回のひげこいさんのように、作品に触れて実際にその場に訪れる人というのは結構多いと思います。 そこでどんな体験をするか、何を感じるかは人によって全く違うのだと思いますが、ひげこいさんのように習慣やモノの感じ方にまで影響を受けるのはなかなか珍しいことなのではないでしょうか。

県庁おもてなし課』自体は、そう常に読み返す本ではないと、ひげこいさんはいいます。得難い影響を与えてくれた印象深い本だからといって読み返すわけではないという、少し距離感のある緩い付き合い方もいいですね。何度も読まずとも、ひげこいさんの中に深く根付いているようですし。

「45House」のいろんなところに、『県庁おもてなし課』が見え隠れしているのかもしれないと思いながら記事を読むと、また違った面白さがあるかもしれないな、と思いました。

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撮影を終えて

いつも素敵な記事にホッコリさせてもらっているひげこいさんにお話を伺うことができて嬉しかったです。ひょっとしてひげこいさんがこの本と出会ってなかったら、今のようなご家族の日常写真もなかったのかもしれないと思うと、有川浩さんありがとうという感じです笑

僕はまだ有川浩さんの作品をしっかりと読んだことがないのですが、今回のお話をきっかけに手に取ってみようかと思いました。

次はご家族全員で馬路村に行ってきた記事を楽しみにしてますね!

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というわけで第15回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

あなたと大好きな1冊の姿を写真に残しませんか?

ホントレートのご依頼は以下のメールアドレスまで

taroimo0629kuro@gmail.com

メールの件名を「撮っておきの1冊 ホントレート希望」としていただけますとありがたいです。

あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート14撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

14回目となる今回は、広島のお洒落なカフェや気になるお出かけスポットに精通しているブロガーさんが教えてくれた1冊です。現在新米パパとして奮闘する中で出会った本は、これから子育てをされる方にもオススメできる1冊だそう。いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう。

 

 

お話を伺った人

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よこっちさん

広島県在住のブロガー。お洒落なカフェや気になるスポットの情報を、丁寧な文章と写真で発信中。サブタイトルは「なんとなくオシャレなライフスタイルWEBマガジン」とあるが、なんとなくではなく、非常にオシャレ。広島に遊びに行く際にはぜひともチェックしておきたい記事が豊富なブログ。現在1児のパパとして子育て奮闘中。

asobitrip.com

 

「嘘じゃろ」思わず声が出た1冊

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「この絵本は気付いたら家にあったんです。子どもが産まれた時に誰かにもらったのか、奥さんが買ってきたのかもわからないんです」となかなか珍しいタイプの出会い方をされたというのが、五味太郎『かぶさん とんだ』

スラリと細身で高身長、白シャツをさらりと着こなすよこっちさんのことですから、オシャレな1冊を選ぶんじゃないかなあと思っていたのですが、見事にハズレました笑

「そうですか? 最近は子どもかウォーキング・デッドに夢中なんですよ」

爽やかな笑顔でお子さんとゾンビを並列してくれましたが、新米パパとしてしっかり絵本の読み聞かせをされているようです。

声を聞かせてあげると落ち着くということで、読み聞かせは生後3,4ヶ月の頃からしていたとのこと。

ご自宅には30冊ほどの絵本があるそうなのですが、読み聞かせをしてあげている時によこっちさん自身のテンションが上がらない本も結構あるのだといいます。

そんな中この『かぶさん とんだ』は、ひと味違ったのだそうで。

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ストーリーはタイトルの通り、かぶさんが飛んでいきます。その中で、他にもいろんなお友だちがかぶさんと一緒に飛んでいくのですが、そのチョイスがあまりに独特すぎて、衝撃を受けたのだとか。 

赤かぶさん、白かぶさんと飛んでいき(かぶが空を飛ぶという点は置いておくとして、ここまでは順当そのもの)ページをめくって次に飛んでいったのがてるてる坊主さんだったのを見たよこっちさんは思わず「嘘じゃろ…」と広島弁が飛び出してしまったといいます。

(ここからどういう話になるんじゃ……)と展開が気になり、物語に引き込まれてしまったよこっちさん。僕も読ませてもらったのですが、結末もなかなかの思いがけなさでした。

これは確かに、読み聞かせてあげる側としても楽しむことができるように感じました。

 

我が子の気持ちを見せてくれた1冊

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まだ言葉を用いてのコミュニケーションができない産まれたばかりのお子さんとも、ふとした時に通じ合えているなあと感じる瞬間があるのだといいます。

よこっちさんのお子さんは、絵本を読んでもらっている時に、面白くないなあと思っていると身をよじって嫌がるのだそう。赤ちゃんとはいえ好き嫌いはあるんですね。

『かぶさん とんだ』はどうかというと、じっと見ているのだそうです。

「まだ赤ん坊ですけど、自分と面白いと思う本が一緒ってなんかいいですよね。読み聞かせていて良い感触の反応があると、僕も楽しい」

遺伝子がうんぬんかんぬんと言う気は全くありませんが、他でもない我が子が自分と同じものに興味を示してくれるというのは嬉しいものなのでしょうね。

これまで絵本は子どもをおとなしくさせるためのもの、もしくは知育のためのツールだと思っていたところがあったかもしれません。でもそれだけじゃないのかもしれないということを、よこっちさんとお子さんに教わったような気がします。

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お話を伺っている最中、絵本をパラパラとめくっているよこっちさんの手が 止まったページがありました。よく見るとセロテープで補修してあります。

お子さんが掴んで破れてしまったのだそうです。

「興味津々なのは良いんですけど、最近はなんでも掴みたがっちゃって」と苦笑するよこっちさんですが、どこか楽しげ。大切だという絵本が破れてしまっているというのになぜでしょう?

「これから子どもが大きくなって、本棚にあるこの絵本がふと目に入った時に、手に取ってこのページを見れば全部が蘇ってくると思うんです。この絵本を読んであげていた時のこと、全部が」

世界中を探し回っても、よこっちさんとお子さんの思い出が詰まった『かぶさん とんだ』は見つかりません。この破れたページを含めて「撮っておき」なのです。

「この絵本を読み聞かせてあげてたことを子どもにも思い出してもらえたら嬉しいですよねえ。もうちょっと読み聞かせてあげたら覚えててくれますかね」

そう言って優しく微笑むお父さんは、今日も「嘘じゃろ」と思いつつ、読み聞かせをしてあげているのでしょうね。

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撮影を終えて

終始穏やかなテンションでお話を聞かせてくださったよこっちさん。正直に言ってスマートなよこっちさんには、オシャレなファッション誌や写真集が似合います。

それでも世界一大切なお子さんとの1冊を持ってこられたその姿に本当にカッコいい大人の姿を見た気がしました。

カフェで絵本を読むというのもなんだということで、細身とはいえ、大きな体をブランコに押し込んで絵本を読む姿を撮るという無茶な要求にも応えてくださり、本当にありがとうございました笑

次はよこっちさんオススメの、オシャレなカフェでお茶でもしましょう。

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というわけで第14回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

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taroimo0629kuro@gmail.com

メールの件名を「撮っておきの1冊 ホントレート希望」としていただけますとありがたいです。

 




 

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皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

13回目となる今回は、匿名の方からのご紹介。ちょうど五月病が発症しそうな人が増えてくるこの季節にピッタリな、熱く燃え上がらせてくれるような1冊を教えてくださいました。いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう。

 

 

お話を伺った人

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KJさん

愛する奥様、お子様と信州で暮らす富士フイルムユーザー。元美容師さん。写真が好きで 最近はライカが欲しくてたまらない。

twitter.com

 

 

何者でもない自分の伴走を務めてくれた1冊

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KJさんが持ってきてくれたのは、嵐の松本潤主演でドラマ化もされた料理漫画、せきやてつじ『バンビーノ!』 でした。

漫画を紹介してもらい、てっきり飲食関係のお仕事をされていると思ったのですが、KJさんご自身は元美容師さんだったとのこと。

「職業は違えど、この漫画の連載が始まった頃、二十歳ぐらいで美容師の仕事をやり始めたのですが、ちょうど主人公と同じ見習いのような立場だったんです。何者でもないところから這い上がろうと奮闘する主人公の姿が自分と重なって、俺だって…!というやる気に火を点けてくれる漫画でした」

最高のイタリア料理人になることを夢見る主人公の伴 省吾とは、実は誕生日が一緒なのだそう。罵声や時には鉄拳も飛び交う、戦場のような厳しい現場で揉まれる彼の懸命な様子が、KJさんの目には同志のように映っていたのかもしれません。

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 「この料理が食べてみたい!となるような料理にフォーカスしているというよりは、人間ドラマに主眼をおいた漫画です。登場人物もそれぞれに魅力的で、読んだタイミングのその時その時の自分の心の状態で、惹かれるキャラクターが違ったのも面白かった」

当初アルバイトとしてお店に入る主人公が、正式に働き始めたのがコミックスの3巻で、そこから様々な経験を経てパスタ場に移るまでに11巻かかっているのだそう。『バンビーノ!』一部自体が全15巻ですから、かなり長い時間をかけて修行しているようです。冗長に感じてしまいそうですが、そうではないとKJさん。

厨房でフライパンを握るようになるまで、主人公が歯を食いしばって努力をし、うまくいきかけては挫折し、それでもまた追いすがって料理人として成長していく姿が、自分の支えになっていたのだと。

整然とスマートに物事をこなしていく姿が讃えられがちなのが最近の風潮。両足で大地を踏み締めて一歩一歩泥臭く前進する姿を見せてもらえると、確かに勇気が湧いてきますね。

 

時を超えて胸を熱くさせてくれる頼れる1冊

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「連載が始まったのが14年前。そんなに昔のことなのか…。ちょっと信じられないですが、そりゃ僕も歳をとるわけだ」と苦笑いをしていたKJさんに、1番印象に残っているシーンはどこか投げかけてみました。

この時は一緒にお酒を飲みながらのお話でリラックスした雰囲気だったのですが、この問いかけには少し引き締まった様子で答えてくれたKJさん。

「1番印象に残っているのは、とあるキャラクターが家庭の事情で料理人をやめてしまうシーン。結構嫌な感じの先輩キャラクターなんですが、辞める前に主人公の成長を認めて料理人の命とも言える包丁を渡すんです。ここにはグッときました」

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「正直に言うと、この取材が決まって、久々に読み返してみたんです。どれぐらいぶりだろうという感じですね。それでもね、そのシーンはやっぱり良かった。家庭の事情で仕事を辞めてしまうところが自分にダブってしまって、補正がかかっているんでしょうが、やっぱり胸が熱くなりますね」

 年齢や読むタイミングで、感想が変わるものだというのはよく言われることですが、変わらないということもあるんですね。今でも何者でもないんだけどね、と笑うKJさんですが、これまでに様々な経験をされてきたのだと思います。

そんな風に進んできて出来上がった今の自分と昔の自分が、同じ場面で熱くなれるのって、何だか良いですね。

変わることが良いことなのか、変わらないことが良いことなのか、そんなことは誰にも答えは出せないでしょうが、何が何でも成長してやろうとする『バンビーノ!』の主人公の姿勢は確かに熱いです。

読んでないのに、僕まで火を点けてもらったような気がしました。

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撮影を終えて

取材後のDMのやり取りで『バンビーノ!』には第2部にあたる、『バンビーノ!SECOND』があるのだと教えていただきました。そちらは主人公の成長する様子があまりなく、読み込んではいないとも。オススメは第1部だそうです笑

4月入社の新社会人も含め、五月病患者が続出するゴールデンウィーク明けを乗り切るために『バンビーノ!』を読んで熱く燃えてみてはいかがでしょうか。

 

というわけで第13回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

あなたと大好きな1冊の姿を写真に残しませんか?

ホントレートのご依頼は以下のメールアドレスまで

taroimo0629kuro@gmail.com

メールの件名を「撮っておきの1冊 ホントレート希望」としていただけますとありがたいです。

 

平成最後のフォトウォークに参戦しました(まさに参戦)

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

ついに新時代が幕を開けましたね。

僕は今年に入ってから、だらり庵の名に恥じぬ多忙っぷりで全国を飛び回っているので、正直全然実感がないです。

それでも、一区切りはつけたいものだと思っていたところ、うってつけのイベントが平成最後の日に開催されるという情報を小耳にはさみました。

それが今回の記事のテーマである「平成最後のフォトウォーク」です。

こちらは弊ブログでもおなじみのたけさんぽを主催されているたけしさんの企画発案のイベント。相変わらずいい仕事してますねえ。

舞台は京都。前日まで広島で酷使していた体を引きずって、気力での参戦です。

平成最後に力の限りを振り絞って歩いてきましたので、その様子をお楽しみいただければと思います。

それでは早速いってみましょう!

 

  

到着〜集合

フォトウォークの集合時間は13時。

ですがどんな人が来るのかなあ、怖い人とかいたらどうしようかなあとか思ってたら時間を間違えて午前8時45分に京都駅に着いてしまいました。

というのはもちろん冗談で、別の用事があったのですが、その間にもサクッと写真を撮っていました。

駅から一歩も出ることなく楽しめるから京都駅すごい。

次は「京都駅フォトウォーク」とかないかな。

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平成の終わりとともに僕のもとにやってきた新レンズ、XF10-24mm F4.0のデビュー戦。超広角で建造物撮るのめっちゃ難しいけど、楽しい……。

海外に行きたくなるレンズですね。

 

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京都駅といえば大階段。

そこに向かうためのエスカレーターには屋根がないので、みんな傘をさしてました。

こちらはエースのXF90mm F2.0です。平成で1番使ったレンズですね。新時代にもそれは変わらないと思います。

 

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で、こちらがその大階段。

これはね、登るものじゃないです。

写真を撮って楽しむもの。何でこんなの作ったんだろう。

 

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今までの僕なら撮れない写真。

レンズが変わると見る場所も変わります。

 

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超広角で、お世話になったあのお店をパシャリ。

欲望に負けず入店しなかった自分を褒めてあげようと思います。足を踏み入れたが最後、「平成最後だから〜」とか何とか言って散財するに決まってますから。

 

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集合場所の四条大橋でごっつい中判カメラを抱えてニヤニヤしてる怪しい人物を発見。

と思ったらたけしさんじゃないですか。

 

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中判カメラのフィルムの入れ方をyoutubeで確認する主催者。

ブランディング的にマズイですかね。

わからないわからないと戸惑う一同が、口を揃えて「フィルムカメラのワタナベさんに連絡だ」と言ってたのは面白かった。

 

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まさかのウォーク開始前の集合場所で、この日1番の写真が撮れてしまうというハプニング。海外かな?

平成最後の日も観光客でごった返していた四条大橋でこれが撮れるとは。

これは令和も良い滑り出しになりそうな予感。

 

ゆるい募集にも関わらず、30人近い参加者を集めるたけしさんはやっぱりすごいですね。

早くフォトウォーク事業を展開していただいて、おこぼれに預かりたいものです。

 

さて、ここからは大人数でぞろぞろというわけにもいかないので、4つの班に分かれてフォトウォーク開始です。

僕は4班のリーダーを任されました。何をすれば良いのかは知りません。とりあえず点呼は要所要所でしました。

そんな頼りないリーダーについてきてくれた、頼りになる班員たちをご紹介しておきます。

タケナカナミさん https://house.blancoodesign.com/

スズキさん あこがれどっとこむ | あなたの「好き」教えてください

OMGさん OMGmag | 世の中のハードルを少し下げるブログ

鶴さん 鶴|note

NaoさんNaoki|note

Rakugouさん

 

さあ我々4班は、見所満載の京都からどこを平成最後のフォトスポットとして選択したのでしょうか。

 

平成の世に取り残された魔界へ(大岩神社)

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一行が降り立ったのは、京阪電車 藤森駅

GW期の京都とは思えないほどに、のんびり落ち着いた雰囲気でした。周りには生活の匂いが満ちている。そんな住宅街に我々は一体何をしに来たのでしょう。 

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のんびりてくてく。ツイッターで「#平成最後のフォトウォーク」で検索すると、他班が観光客でごった返している中を歩いている様子が流れてきました。

大変そうだなあなんて言いながら、4班は悠々と。 

 

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駅から35分ほど歩いたところで、何やら鳥居が見えてきました。ようやくの京都テイスト。京都といえば鳥居ですからね。

 ちょうどこの頃、3班の皆さんが無限に連なる鳥居で有名な伏見稲荷大社で牛歩していたようです。

過酷そうだなあ、と他人事な4班。

我々以外の観光客にまるで出くわさないここはどこかと言いますと。

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大岩神社でございます。 

伏見区深草のこちらの神社は、その名の通り大きな岩が祭神の神社。疫病封じにご利益があるのだとか。今回の4班のコース選びで初めて知った、名前を聞いたことのない神社でした。

一体どんなところなのかなあ。

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お? 

 

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おお!?

かの有名な嵐山 竹林の小径が闇落ちしたような雰囲気に4班の面々は大興奮。

こんなクールなスポットなのに、誰もいないなんて!

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やったね、とピースする鶴さんを見上げるようにXF10−24mm。

 超広角面白いです。

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打ち合わせたわけでもないのに、全員が黒服という4班の結束力。

他班の華やかな雰囲気とは一線を画すストイックなチームでした。

竹林を黙々と行軍します。

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4班の勇姿をツイッターに投稿すると、主催者のたけしさんからありがたいお言葉を頂戴することができました。

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そう、皆さんもうお気付きでしょう。

4班は平成最後にエクストリームさんぽをかましたのです! 

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後ろの鳥居が崩壊してる……。

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完全に異界……。

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 異形のモノに襲われても不思議ではない雰囲気です。

紋様が刻まれた独特の鳥居。

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 アンダーな写真が好物な4班の面々は嬉々として写真を撮りまわっていました。

ただ1人、DM上の打ち合わせで何も考えずに「いいね〜」と言っていたスズキさんを除いて。

こんな過酷なところに来ることになっていたなんて…と額の汗をぬぐっておられました笑

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 前日まで降っていた雨のおかげで、緑がしっとりとしていてアンダーな写真に最適な感じでした。

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 メンバーが写真を撮っていたのは「岩滝社」というところらしく、大滝神社はさらに登っ他ところにあるようです。

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ナミさんかっこいい。

 

思う存分京都らしからぬ異界を堪能した4班。着物やおしゃれなカフェばかりが京都じゃないんだ 。観光ガイドに出てこないようなところにこそ面白いところはあるもんだなあ、と思いました。

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大岩神社を教えてくれたナミさん、ありがとうございます。

 

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無事に異界からの生還を果たしたメンバーたち。

あまりの過酷さに人数減ってる!? 脱落者が!?というわけではありません。顔出しNGの方々が写っていないだけです笑

全員生きてます(疲労困憊)

 

伏見の酒蔵をゆく(滞在時間ほぼなし笑)

いかな屈強な4班とはいえ、平成最後の魔界行軍をかました後では流石に疲労の色を隠せません。

というわけでみんな大好き日本酒飲むぞー!と伏見の酒蔵が建ち並ぶエリアへ。

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 行ったはいいのですが、まさかの立ち寄った月桂冠大倉記念館の閉館が16時半で、ほとんど滞在できず。

入場券と一緒にもらった日本酒をほんの一口舐めた程度で退散。

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 次こそは試飲ガブガブしたい!

 

この後思いがけず3班と出くわして集合写真を撮ってもらいました。

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そしてこの後、平成最後の飲み会になだれ込んだメンバー。

サプライズな一幕もありましたが、他の班の方々とも楽しくお酒を飲むことができました。飲み会ではお酒を飲む専門家なので、写真はありません。

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時代をまたぐ滅多にない機会をより特別なものにしてくれた、企画者のたけしさん本当にありがとうございました。

そして参加者の皆さん、またいつかどこかで撮り歩きしましょうね!

 

いやー、ホント楽しかった! 

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 まさかこの後、令和になった瞬間に財布をなくすとは微塵も思っていない良い浮かれ具合ですね!

 

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「#令和最初のフォトウォーク 悲しみは夜降り続く」編が書かれるかどうかはわかりませんが、お楽しみに…

世界で一番カッコいいカメラの話をしよう。

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

ごく個人的な話で申し訳ないんですが

小さな頃から物語の主人公が大好き!となったことがありません。

青春時代を彩った漫画でいうと、『ドラゴンボール』なら人造人間16号、『BLEACH』なら斑目一角、『鋼の錬金術師』ならヒューズ准将、『ハチミツとクローバー』なら野宮匠、『よつばと!』ならジャンボがそれぞれお気に入りです。何かはっきりとした共通項があるかと言われると、そんなことはないと思うのですが、みんな主人公ではないことは確かなわけで。

華々しい場面、悲しい場面に関わらず、多くのスポットライトを割り当てられているのが主人公なのは当然で。

主人公を追って目まぐるしく舞台を駆け回るスポットライトが気まぐれに浮かび上がらせた主人公以外の登場人物たちの表情に、僕はいつも魅せられてきました。

この感覚は、どうやら自分の身の回りのものを選ぶ時にも同じようで、不特定多数の人が良いと思っているものには食指が伸びません。

相棒に選んだカメラもその例に漏れず、メインストリームとはかけ離れた荒野を独り征くPENTAXのフルサイズ機K-1でした。

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初めて手にしたその日から微ブレすることすらなく、僕はK-1が世界で一番カッコいいと思っています。これは掛け値無しで言い切れます。武骨を具現化したようなそのフォルム、他の追随を許さない頑健なボディ、潔さすら感じるあらゆる要素を削ぎ落としたネーミング、圧倒的な高画素。K-1を構成する全ての要素が僕を魅了してやまないのです。

もしも働かなくてすむのなら、日当たりのいい窓際にK-1を置いて、日がな一日眺め暮らしたいほどにカッコいい。

僕の前世はPENTAXのレンズか何かだったんじゃないかと思うほどに、K-1のことが好きです。

 

 

とね、ここまで言っておきながらアレなんですが、お知らせしなければならないことがあります。

私クロギタロウは、愛機K-1を手放すことにしました。

 

自分でも、何でこんなことになってしまったのか、いまだに気持ちの整理ができていません。

今回は、K-1をどうして手放すことになってしまったのかについて書くことで、何とか一区切りつけたいと思っています。

 

 

K-1を手放した理由 その1】樹海の奥深くからやってきた驚異の新人

これが実に大きい。

某たけさんぽというフォトウォーク界隈でのユーザーが異常に多い、FUJIFILM

こやつさえいなければ僕とK-1の幸せウフフカメラライフは永遠だった…。

長年のフィルム製造のノウハウを活かした多種多様なフィルムシミュレーションから繰り出される素晴らしい色味は正直PENTAXの何倍も好みです。

自分で撮った写真を見ながら「あぁん……」と声がこぼれるほどにフジの色味が僕の好みにドンピシャだったのですね。

 

K-1を手放した理由 その2】圧倒的レンズ不足

僕はビルゲイツ並みのお金持ちではないので、いくら世界一カッコいいカメラだとしても、置物のようにして愛でる用のK-1は持ち合わせていません。

写真をたくさん撮りたい!

でも、PENTAXのラインナップには僕の好きなレンズが無いんです。

具体的に言うと中望遠135mmでフルサイズ仕様の単焦点レンズが、PENTAXには無いんです(オートフォーカス対応に限る)

一方のFUJIFILMにはXF90mm(フルサイズ換算137mm)という神レンズがあるんです。

これが一本あれば僕は生きていける、それぐらい好きなレンズが。

結局カッコいいボディだけあってもね、意味ないんですわ……。

もちろんFA 77mm F1.8 Lmitedのような素晴らしいレンズがPENTAXにはあります。

ですが、わがままな僕は135mmの写真が撮りたいんですよね……。

 

K-1を手放した理由 その3】K-1はホントレートで使えない

なんやかんや言ってきましたが、全てはここに帰結します。

2019年から始めた僕のずっとやりたかったホントレート 。

本を読んでいる人の様子を撮影させてもらうというホントレート の性質上、どうしてもK-1の大きなシャッター音や、77mmを使っている時のピント合わせのウィンウィンは、どうしても読書の邪魔になってしまうのです。

取材をさせてくれる人の妨げにならないように撮影を手早く行うのに、FUJIFILMのX-H1ほどの適役はいません。

お金に余裕さえあれば、X-H1を複数台所有したいとさえ思うほどに、ホントレートとこのカメラの相性が抜群なのです。

 

「大好きという気持ち」と、「自分のやりたいこと」を天秤にかけた時に、答えが出ました。

ホントレート は単に趣味としてやりたいことと言うだけでなく、他の誰もやらない、僕がやらなければいけないことなのです。

紙の本が好き、街の本屋さんが好き、本を読んでいる人の姿が好き。

その魅力をたくさんの人に知ってもらうために、僕は今写真を撮っています。

そこにK-1が入り込む余地を、僕には見いだすことが出来ませんでした。

 

freewheeling.me

こちらの最高な記事のように、思い直すことが出来ないかと長野県まで一緒に行ってみたんですが、気持ちは変わりませんでした。

ホント、一緒に撮りに行った友人たちが笑ってしまうくらいギュイギュイ鳴るんですよね。

僕がホントレートをやっていなかったなら、それも個性だと思って笑いながら付き合って行けたのでしょう。

でも現実ではホントレートをやっている。

K-1と一緒に生きていくためにホントレート をやめるかと訊かれたら、即答でNOと言います。

僕は書漂家、人生に寄り添う1冊を楽しむ人の姿を写真に収める男。

許してくれ、K-1

 

いつかPENTAXからフルサイズ対応135mm単焦点のレンズが出たら、その時は迎えに行く。

待っててくれとは言わない、言えないけれど、どうか元気で。

 

僕は僕にしか行けない道を行く。

市場のシェアなんかおかまいなしなお前みたいに、決して主人公にはなれないけれど、僕はX-H1たちと荒野を進むことにしたよ。

 

新しい時代の幕開けの前に表明する、これが僕の覚悟です。

Xマウント統一、これが僕の答え。

 

【ありがとうK-1

悲しい記事にしたくなかったから、K-1の作例をバシバシ載せて、読んだ人誰もがK-1欲しいなって羨むような内容にしようと思っていました。

だけど、K-1で撮った写真を選んでいたら、ディスプレイが歪んできたのでやめました。

最後に、殺伐としたこのブログに、最高にクールなK-1を登場させて、締めくくりといたしましょう。

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ありがとう、K-1

誰が何と言おうが、世界中のカメラ好きを敵に回そうが、僕は言う。

お前は世界で一番カッコいいカメラだ。