Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート32撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

32回目となる今回は、自分でも何をしているのかたまに分からなくなると語るほど様々な分野で活躍する男性が教えてくれた1冊です。思いがけないかたちで出会った本と著者に惚れ込み、故郷の本屋さんに置いてもらえるよう精力的に働きかけるほどだという1冊。いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう。

 

 

お話を伺った人

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小黒恵太朗さん

新潟県長岡市出身。1992年生まれ。幼少期よりウルトラマンをこよなく愛する。関西での学生時代にトイカメラを手にし、写真に興味を持つ。在学中に個展やグループ展を開催する中で表現や場作りの魅力に目覚める。大学卒業後、新潟にUターン。2018年9月より東京に拠点を移し、写真撮影、ライティング、プランニングにデザイン等で幅広く活躍中。特に好きなウルトラマンはセブン、ティガ、オーブ。初めての人にオススメなのはマックス、X。

 

気付きと彩りを世界にもたらしてくれた1冊。

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「大学卒業ぐらいのタイミングで、実は結構単位が危うかったのです」という思いもかけないカミングアウトからの幕開けとなった今回のインタビュー。危うしおぐろさんは夏期集中講座を受けに、京都造形芸術大学に足を運んだのだそうです。受講したのは津田大介氏による文章力養成講座。実に羨ましい講座ですが、当時のおぐろさんは特に文章に興味はなかったようで、とりあえず単位のために講義室の席に着いたのだそう。ここで彼は、その後の彼の世界観を大きく揺さぶることになる1冊と出会ったのでした。

講座の中で、自分の好きなものについてのポップ(簡易な説明、キャッチコピー、イラストなど)を作ってみようというものがあったのだそうです。ちなみにおぐろさんがPOPを書いたのは玉子焼き用のフライパンでした。

たまたまその講座におぐろさんの友人も出席しており、その人が講座でPOPを書いていたのが、おぐろさんの「撮っておきの1冊」『微花』だったのです。

『微花』はテキスト担当の石躍凌摩さん、デザイン担当の西田有輝さんが2人で手がける植物を題材にした季刊誌。2015年創刊、四季を通じて四刊され、2年目の春と夏号を刊行後、休刊。おぐろさんが持ってきてくれたのは刊行当初の6冊と、2019年4月に新たに「写真絵本」として生まれ変わったハードカバーの第2版でした。

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「集中講座で友達の話を聞いた時には、面白い本があるんだなあと思ったぐらい。『微花』という本がこの世にあるんだっていうことが分かったくらいでした」

ファーストコンタクトではそれほど強い印象を抱いたわけではなかったというおぐろさん。彼と『微花』との関係が深まるのは、講座から1、2ヶ月が経ち、先の友人が企画したトークイベントでのことでした。

友人はそのイベントに『微花』の作者2人を呼びたいと考え、おぐろさんに相談を持ちかけたのだそう。あれよあれよとイベントのお手伝いをすることになり、作者の2人とも顔を合わせたおぐろさん。助太刀はしたものの、特に興味があったわけではなかったそうなのですが、トークイベント当日に2人の話を聞いた時に「なんだこの2人の感性の奥深さは」と驚いたのだといいます。

20年近くも通り続けていた近所の道に、ハナミズキが咲いていることに初めて気が付いた時の感動を語る石躍さんに深く共感したというおぐろさん。今まで目を向けていなかっただけで、ずっと変わらず花をつけていたハナミズキの存在を知覚した瞬間に世界の彩りを知ったという話に感銘を受けたのだそう。

「この本の文章には、難解なところや哲学的なところ、芸術的なところがあって、いろんな要素が絡まり合っているんです。読み返してみると、興味を持つ段落や文章も全然違っているし、まさに季節ごとに咲く花が変わるのと一緒で、自分のテンションや感情、思いによってこんなに思考って変化するんだなということに気付くことができる本ですね」

一筋縄ではいかなさそうな感じが、おぐろさんの口調から伝わってきました。大学を卒業してから最初に働いた塾では、教室の本棚にこっそり『微花』を置いて、生徒が読んでくれないかと密かに期待していたというほどのハマりっぷり。しかし、おぐろさんと『微花』はこれ以降ますます深くなっていくのでした……。

 

世界のカラクリを教えてくれる1冊。

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 絵本のようにシンプルに、「道端にこんな花が咲いていました。こういう名前の花です」と載せているだけ、と言ってしまえばそれまでの『微花』に惹かれるおぐろさん。内容はもちろん、そのモノとしてのたたずまいやこだわりにも魅力を感じているのだといいます。

「咲いていた花の写真とその名前。だけ。それだけの本なんですけど、シンプルだからこそ物事を単純に見つめたり考えたりすることができるのがすごく面白くて。それ以上でも以下でもないシンプルな作りだからこそ、紙にもすごくこだわったそうなんです。1つのモノとしての存在感もあるんですよね。写真をやっていても時々思うんですけど、モニターを見ているのと、印画紙にプリントして見るのではなんだか存在感が違いますよね。僕が紙の本を好きなのも、ページをめくる重さや触覚も含めて楽しみたいから。紙と電子では情報の入り方も違うと思うんです。情報でもあり、モノでもある。一体なんなんでしょうね、本って。この本を眺めていると、そんなことまで考えてしまいます笑」

モノとしてのこだわりを持ちつつ、要素を極限まで削ぎ落とした作りの『微花』だからこそ、そんなことを思わずにはいられないのでしょう。大学卒業、幾度かの引越しを経た後にも、おぐろさんが手元に置いておきたかった理由がなんとなく分かるような気がしました。

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 「本の中には著者の考えたことが綴じ込んであります。それを読み返すたびに、自分がこんな考え方と生きてきたんだ、というのを再確認できるんです」と話すおぐろさんは、自分の中に深く根付いた本が自らの故郷のどこの本屋さんの棚にもないことに気が付きました。

そうこうするうちに、おぐろさんが新潟を離れ、東京に出てくることが決まります。ちょうどその頃、おぐろさんの耳に、知人が新しく本屋さんを始めるという話が舞い込んできたのだそう。これは好機と、長野で開催される湖畔のブックフェスティバル「ALPS BOOK CAMP」で『微花』の2人と知人を引き合わせることに。この時の縁で店舗での『微花』の取り扱いが決定したといいます。

「勝手に営業部隊なんかやったりして笑 ちょうど東京に出てくるタイミングで新潟に置き土産のようなことができてよかったなあと思っています」

その後、写真集をメインに取り扱う「BOOKS f3」さんにも『微花』を置いてもらえるようになるなど、だんだんと新潟にも『微花』が咲き始めているようです。

「自分がすごく好きで、世界の見方を変えてくれたと感じている本を誰かがいいねと言ってくれると、すごく嬉しいです。この本のおかげで、僕の世界はだいぶ変わりました」

嬉しそうに語るおぐろさん。お話の最後にも、とても素敵なことを仰っていました。

「この本は人生の転機だというようなタイミングで読み返してきました。引越しや転職の時なんかに、自分をリセットできる本なのかもしれません。花って、咲いて枯れて、季節が巡ってまた咲くじゃないですか。これは本当に面白い世界のからくりだなあと思うんです。でも咲いている花の種類は同じでも、全く同じ花が咲くことは決してないんです。単に写っているのがユキヤナギだと思ってこの表紙を眺めると、一輪一輪の細かな違いを見逃してしまうんですよね。言葉で固定する以前の0と1の間のグラデーションを楽しめるといいな、なんて思うんです。この本はそういう気持ちにさせてくれる、いい1冊だと思います」

真っ白な装丁だから、コーヒーをこぼしてしまうかもしれない、手垢がつくかもしれない。それでも、それだけ一緒に過ごしてきた時間が見えるってことかもしれないから、それはそれでいいのかな。そう語るおぐろさんの瞳に映る世界の彩りが、とても気になりました。

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撮影を終えて 

見たことも聞いたこともないタイプの本を前にした時、僕は大体において狂喜乱舞するか、困惑します。今回おぐろさんが持ってきてくださった『微花』の場合はそのどちらでもなく、不思議なテンションで本と向き合うという経験をしました。本当に不思議な魅力を湛えた1冊だったからです。そしてそれについて愛しげに語るおぐろさん。両者(作者の2人を含めると4者)の関係性が透けて見えるような空間が僕の目の前に確かにありました。あれはとても貴重な時間だったのではないかと、今となって思います。本屋さんに営業をかけるほどに深く愛することのできる本があることの幸せ。いい具合に空気だけでもおすそ分けしてもらえたかもしれません笑

『微花』とは、ぜひ新潟の本屋さんで巡り会いたいものだと、そう思いました。

kasuka.base.ec

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というわけで第31回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

 

あなたと大好きな1冊の姿を写真に残しませんか?

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あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート31撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

31回目となる今回は、小さなカメラと世界を旅した青年が教えてくれた1冊です。その出会いから付き合い方まで、かなり独特なお話を伺うことができた今回。こういう出会いもあるのか、そしてそれが人生の1冊になるなんて素敵だなあと思った次第です。いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう。

 

 

お話を伺った人

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ものさん

新潟県生まれ。東京都在住。高級コンパクトデジタルカメラGRⅢの使い手。息を呑むような素晴らしい写真は運営するブログ『ものろぐ』で見ることができる。特に初代GRと共に過ごした2018年を振り返った「君とGR、私とGR。」は必見。

mono16.com

mono16.com

 

「やってきた」1冊。

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「やりたいと思ったことは積極的に口に出すようにしているんですが、そうやって自分の頭で考えたことを口から出して耳から聞くと、なんとなく他人の言っていることのように感じるんです。自分に強く思い込ませることで、念じたことが叶うような気がして」

新社会人とは思えない落ち着きでそう語るものさんは、大学四年生の時にも世界一周をするんだと口に出していたといいます。念願叶って世界を旅した彼のそばにいたのが、今回ご紹介いただいた小川未明小川未明童話集』です。作者の小川未明は「日本のアンデルセン」「日本児童文学の父」とも呼ばれる児童文学界の大家。

そもそもこの本は、ものさんが新潟で写真ユニットを組んでいる女の子が、ロシアに留学する際にサンクトペテルブルクに持っていたものだったそうです。彼女がサンクトペテルブルクに行っている間、ものさんはマレーシア、カンボジア、タイを周遊していました。そのお供に彼が持って行っていたのは米原万里嘘つきアーニャの真っ赤な真実』と沢木耕太郎深夜特急』ですが、この2冊とも自身で購入したものではなく、「これを世界一周のお供にしなね」と友人に手渡された本だったそうです。もうこの時点でワクワクが止まらないのは僕だけでしょうか。

各地を巡ったものさんがサンクトペテルブルクに到着した時、彼女が言いました。

「本持ってる? 持ってるなら交換しよっか」

こうしてものさんは日本からはるか遠くの異国で『小川未明童話集』と出会ったのです。寒風吹きすさぶ2017年11月のロシアでのお話でした。

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ロシアで本を交換した後、2018年の3月に日本に帰ってくるまでずっと『童話集』を読んでいたというものさん。実はこの時の1冊は相方である女の子に帰国後返却したのだそう。

「読み込んでボロボロになってしまったんですけど、これは彼女が一緒に旅をした本だからということで返しました。僕の手元から小川未明がなくなってしまったんですね」

本を返却して以降、ものさんはふとした時に旅をしていた間のことを思い出すと、何か物足りなさを感じ、「童話集読みたいなあ」と思うようになっていたといいます。

そうして彼が連絡をとったのが、新潟の「古本詩人ゆよん堂」さん。ロシアに留学していた相方さんが『小川未明童話集』を買い求めたのもこの本屋さんだったそう。

小川未明ありますか?」「あるよ」からのお買い上げ。すごいスピード感です。

「物としては同じではないけれど、同じところで買っているので、個人的には同じくらいの思い入れがあります」

余談ですが「ゆよん堂」の屋号は中原中也の詩「サーカス」に由来するそうで、『小川未明童話集』の表紙に載っているピエロとリンクして、しっくりきているのがいい感じです。

「実際怖いですけどね、この表紙。怖いですよねこの顔(表紙の真ん中の女性を指して)おばあちゃんが小学生の孫にプレゼントしても、怖いから読みたくないみたいなことになりそうです笑」

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遠く離れた日本と自分を繋ぎ止めてくれた1冊。

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返却後に買い戻してしまうほど、分かち難く『童話集』と結びついたものさんですが、ロシアで受け取ってからすぐに親しめたわけではなかったそうです。

「最初はちょっと読みづらいと思ったんです。童話なのもあって、かつちょっと古い文体で口語っぽくない言い回しもあって。それから、人格のないものに人格を付与するんですよね。お月様とか飴チョコとかに。世界観を理解するまでに時間がかかりました」

読んでみた感想から「さぞ可愛らしい人が書いているんだろうなって思って著者の写真を見たら、めっちゃ文豪感あるな笑」と思ったともいいます。気になる方は小川未明で検索してみてください。

『童話集』は、これまで出会ったことのないタイプの本だったようですが、いつしかものさんの旅において欠かせない本になっていったようです。

「ヨーロッパを回って、アメリカを回って、南米に到ったあたりで半年ぐらい。それくらい日本を離れていると日本の風景とかちょっとずつ忘れてくるんですよね。そんな時僕と同じ新潟出身の小川未明の文章を読んでみて、日本昔ばなしのような世界観を補給するというか。頭の中で海沿いてのはこんな感じかな、山の上にある神社ってのはこんなものかなというのを意識しながら読み進めていると、なんとなく日本に対する郷愁のようなものを感じていました。ああ、日本に帰りたいなあ、なんて。たった半年だったんですけどね笑」

日本語を解する人と一緒にいない日々が数ヶ月間続くという状況を僕は想像できませんが、共に旅をする相棒がいるというのは心強いものですね。著者の郷里が同じだとなおのことだと思います。ものさんと小川未明、出会うべくして出会った2人だったのかもしれませんね。

ものさんは最後に、旅の途中『童話集』と経験した忘れられない1日について話してくれました。南米のボリビアで過ごしたとある1日。

有名なウユニ塩湖を撮影するつもりだったものさんですが、その日はあいにくの雨模様。ウユニ塩湖は天気のいい日でないと綺麗に湖面のリフレクションが出ないのだそうです。雨で何もやることがなかったものさんは、お金を使って街で遊ぶのもなんだと、ジュースとチョコを買い込んでホテルのベッドへ。あぐらをかいて1日中ずーっと『童話集』を読んで過ごしたのだそうです。

日本から17,000km。遥か地球の裏側ほども遠く離れた地で、路地を叩く雨の音を聴きながら、1人静かに読書をする。なんという贅沢。何か劇的なことが起こったわけではないのに、この1日がものさんの心に刻まれているのが、本当に羨ましい。

またどこか旅に出る時には、ぜひ小川未明も連れていってあげてほしいな、そんなことを思いました。

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撮影を終えて

いつまでも旅のお話を聞いていたかったのですが、凄まじいボリュームになりそうだったので、泣く泣く大幅にカットしております。なにせ世界中を旅してきたのですから、そのエピソードの一つ一つが本当に魅力的。そんな素敵な旅に本が寄り添っていたなんて、この上なく羨ましい限りです。長い旅に出るとして、その時自分はどの1冊を選ぶだろうか、そんなことまで考えてしまいました。

僕もいつかものさんのように地球の裏側でのんびりと本を読んでみたいです。

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というわけで第31回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

 

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あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート30撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

 

 30回目となる今回は、最近僕の中で非常にアツい岐阜の魅力を紹介しているブロガーさんが教えてくれた1冊です。人生で最初に読んだ活字の本だというその1冊は児童書ながら、取材中に思わず涙が溢れそうになる瞬間もあった深く優しいお話でした。いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう。

 

 

お話を伺った人

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 くじらぐもさん

岐阜県在住。岐阜のいいところを発信するブログ「Hibi」を運営。カメラを片手に岐阜の様々なところへ精力的に出向き、素敵なスポットを発掘する日々。とりわけフィルムカメラで撮ることの多い喫茶店の紹介記事は目を見張るものが。記事を読んだ100人中150人が岐阜に遊びに行きたくなるほど魅力的。クリームソーダが大好き。

kujiragumo.me

 

活字に触れた、最初の1冊。

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小さい頃から本を読むのが好きだったというくじらぐもさん。お昼休みに友達と放課後何をするか話題になった時には「図書館に行きます」と言うようなお子さんだったそうで、小学校の図書館にあった本はほとんど読んでしまったんだとか。そんな彼女が「撮っておきの1冊」に選んだのは、自身の読書生活の原点だと語ってくれた、松谷みよ子『モモちゃんとプー』でした。1960年の初出以来、長きにわたり日本中の親子に親しまれてきた「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズの第2冊目です。

「お家の近くの公文式の教室に1冊だけ置いてあったのを読んだのが最初の出会いだったと思います。1回では読みきれないので、何回か公文式に通うことになって。お勉強しに行ってるんだか、本を読みに行ってるんだか分からないような状態になっていました笑 それなら買ってしまった方がいいなあと思い、親に頼んで6冊揃えてもらいました。私が生まれた時にはシリーズ全6冊はもう刊行されていたんです」

シリーズものでは、なぜその巻を選ばれたのかが気になりますね。くじらぐもさんにも尋ねてみると、はにかみながら教えてくださいました。f:id:taroimo0629kuro:20190726002811j:plain

「食べ物がいちばん美味しそうに描かれているのが『モモちゃんとプー』だと思うんです。食い意地の張った子どもだったんです」

そう語るくじらぐもさんが特に素敵だなあと感じたのが「モモちゃんのおいのり」という、モモちゃんがわたあめを食べたくて神様にお祈りをするお話だといいます。お祈りをしたモモちゃんは夢の中でわたあめを作るおじいさんに出会います。おじいさんの「ちきゅうぼしのぎんのおかね」という響きがすごく好きなのだと話すくじらぐもさん。「4歳のときから食べたかった」と話すモモちゃんに「6歳のときにまたおいで」と言ってくれるおじいさんにも優しさを感じるといいます。

「児童書なんですけど、内容は時々児童向けじゃなかったりしますし、書き方にも子どもが分かんないような表現が出てきたりしますけど、そこも面白いと思っていました。大人になってから読み返すのも面白いと思います」f:id:taroimo0629kuro:20190726002845j:plain

 ちいさいころから数えきれないほど読んできたという『モモちゃんとプー』 子どもの頃は読みたくなったら読んでいたそうですが、大人になってからはお部屋の整理整頓をする時に懐かしくなって読んでしまうくらいで、くじらぐもさんがモモちゃんと顔を合わせるのは年に1回程度のようです。

「1冊丸々力こぶをつくって読むんじゃなくて、どこか1章のんびり読むみたいな感じです。昔読んだ時の気持ちをちょっと忘れてたなあってのを懐かしい気持ちになりながら、思い出しながら読んでいます。この本を読み返すと、読んだ当時の気持ちとか、こういう子どもだったなあというのを思い出して、すごく楽しいんです。幼い頃の記憶も思い出しちゃったりして。子どもの頃わたあめってなかなか買ってもらえなかったなあという記憶なんかそうです。買ってもらっても結局食べきれないし、そういうのもあってあんまり買ってもらえなかったのかな。だからですかね、余計にわたあめに対する憧れがあるのは笑」

幼い頃からずっと一緒に育ってきたモモちゃんとは、毎日顔を合わせていなくても、そこにいてくれるだけで安心できるのかもしれませんね。整理整頓の時には当初の目的をすっかり忘れてしまうので困るそうですが、それもまたよし。

 

日常に隠れるファンタジーを見つけたくなる1冊。

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子どもの頃はファンタジーや想像するお話が好きだったというくじらぐもさん。そういう点でも『モモちゃんとプー』は始まりの1冊だったのかもしれません。

 タイトルの「プー」はモモちゃんの家族の黒猫。彼がある日野原に出かけると真っ白い子猫と出会います。そこにモモちゃんのお家の近くで焼き芋屋さんをしているおばあさんがやってきて、子猫は実はおばあさんが食べようとしていたジャムパンだと言うではありませんか。これにはちいさいくじらぐもさんもびっくりかと思いきや?

「大人が考えたらジャムパンが猫になるって、そんな荒唐無稽なって思うんでしょうけど、たぶんいちばん最初に読んだ時はジャムパンって猫になるかもしれないんだって思っちゃったんですね。モモちゃんが生まれた日にお菓子やカレーの材料たちがやってくるような、ちょっぴりのファンタジー要素が入った部分も、完全なファンタジーじゃなく身近な日常と結びついているのがすごく楽しいなあって」

ちょうどモモちゃんと同じくらいの年だったくじらさんは、絵本の中のモモちゃんと同じ目線で世界を見ていたのかもしれないといいます。自分の周りにもこういうジャムパンみたいな猫がいるかもしれない、自分のところにもカレーの具材が挨拶にくるかもしれない、そんな風に思いながら本を読んだ記憶というのは、誰にも奪うことのできないくじらぐもさんだけの宝物なのですね。

子どもの前に広がる世界の枠を設けず、どんどん広げていく力のある1冊に幼い頃に出会うことができるのは、とても幸せなことだと思います。 

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 実は「モモちゃん」シリーズには、子どもが読んでもよく分からないお話も数多くあります。シリアスな内容であったり、実にセンシティブな夫婦の機微であったり、その内容は様々ですが、大人が読んでも考え込んでしまうようなエピソードが印象的に散りばめられています。

なかでも「クレヨン ドドーン」は全世界のかつて子どもだった人たち全員が読むべきお話だと思います。テーマはズバリ「戦争」です。

ホントレート の取材中にここまで涙をこらえなければならなかったのは初めてです。くじらぐもさんに悟られないように鼻をすするのが大変でした。

子どもたちを不安にさせることをやってはいけないとわかっているはずの大人たちが、いつまでもいつまでもそれをやめない現状。

 

「ねえ、せんそう、どこまでくるの?えきまでくるの?かどの、おかしやさんまでくるの?おうちまでくるの?モモちゃん、こわいよ。」

「きませんよ、あのせんそうはとおいところなの。でももしそばままできたら、ママが、だめ!っておこるから、ね。」

「でも、どこかでしているんだよ、それなのに、だめ!ってママ、いわないの?はやくいわないと、みんなしんじゃうよう。」

 

このモモちゃんの問いかけに答えられる「大人」が果たして世界にどれだけいるでしょうか。絶句してしまいました。僕はたぶん黙り込んでしまうことしかできません。

「戦争の話を読んでも、子どもには分からない。でもモモちゃんの最後の問いかけは深いです。日常の話の中にふとこういう重いテーマを挟んでくるのは、ちょっと他の児童文学とは違うところかなと思います。モモちゃんの問いかけにお母さんの返答はないんですよね。こうすればいいよーという正解が書かれていません。そこは他の本でも一緒だと思うんですけど、読んでる人の判断に委ねるところがあるのかなあ」とくじらぐもさん。

読み物として最高水準の面白さを備えつつ、誰にとっても他人事ではない問題も提起する1冊。多様な表情を持つ本と幼い頃に出会えたくじらぐもさんが羨ましくてしょうがありません。「名作と言われているから」、そんな紋切り型の理由ではなく自分に子どもができたら一緒に読みたい傑作だと思います。

くじらぐもさんの中での『モモちゃんとプー』がいつまでも「撮っておきの1冊」であってほしいと願わずにはいられません。

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撮影を終えて

この人の深い部分を形成した1冊ってなんなんだろうと、お話したこともほとんどないのにそう思わせる魅力がくじらぐもさんにはあります。のんびり自らの興味の赴くままに岐阜の情報を発信している姿が魅力的で、思わず取材を申し込んでいました。

『モモちゃんとプー』は実は僕の実家にもありまして、読み聞かせてもらってた記憶があります。今回くじらぐもさんにお話を伺っている最中に、手元に置いておくために購入することを決めました。いつの間にか自分が置き去りにしていた何かがこの本の中にあるような気がしたのです。

もう一度大人になった今『モモちゃんとプー』を読み直してくじらぐもさんとお話したいと思いました。

岐阜の素敵な喫茶店に行かなくちゃ。

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というわけで第30回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

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皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

29回目となる今回は、理想の暮らしを自らの手で生み出すために、日々自宅のセルフリノベーションに取り組むブロガーさんが教えてくれた1冊です。奥深きDIYのの世界に踏み込み、暮らしに目を向けるきっかけを与えてくれた本とは、いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう!

 

 

お話を伺った人

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すけさん

東京都在住。「暮らしを自分で作ること」を目指したブログ「99% DIY」を運営。自宅のセルフリノベーションの様子をメインに、DIYに関する情報を発信しつつ、自分の手で作りたい物がある人のサポートも手がける。自宅の改修が完了した暁には地方移住を検討中。

99diy.tokyo

 

ここまで連れてきてくれた1冊

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質・量ともにハイレベルなDIY関連の情報を発信しているすけさんですから、学生時代からそうした分野の勉強をされていたのかと思っていたのですが、実はそうではないのだそう。大学時代の専攻は情報系だったといいます。もともと建築物は好きだったというものの、深く足を踏み入れるまでには至っていなかったすけさんですが、ある日1冊の雑誌に引き寄せられます。

「この雑誌がたまたま本屋で売られているのを見かけて、なんだろ、ジャケ買いみたいな感じ?」

そう語るすけさんが手にしていたのは、1951年創刊の高級住宅誌『MODERN LIVING』の194号。実際に人が住んでいる、目を疑うほどお洒落な住宅が紹介されている雑誌で、僕も少し読ませてもらったのですが思わず笑ってしまいました。屋上にお風呂があったり、リビングの中心に木が生えてるお宅とかあったんですもの。

「そうそうそうそう、こういうところに住んでる人がいるんだって、すごい衝撃だったよね。それで、ぱらぱら立ち読みしてるうちに、自分もこんな家に住みたいなって」

思っちゃったんですね、すけさん……。でも、お高いんでしょう???

「ここに載ってる家が売りに出された時があって、値段見たら1億いくらとかだったんだよね笑 やっぱこういうところ住もうと思ったら億いくんだ、じゃあこの夢は果たせないな、とても買えないなって絶望してました」

で、ですよね……。

それからは、素敵な家に住むにはどうしたらいいのか悶々とする日々。バンバンお金を稼ぐルートがいいのか、自分でリノベーションをするのが早いのか。当時の仕事にも打ち込めず、選択肢の間で揺れ動くすけさんのもとに、思いがけない話が転がり込んできたのが2014年頃のこと。すけさんのおじいさん、おばあさんが住んでいた家が空き家になったのです。これなら新築にはならないけれど、自分でやってみようかなと思い立ったすけさん。『MODERN LIVING』と出会ってから3年の歳月が流れていました。

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こうして初めてのリノベーションに踏み切ったすけさんですが、『MODERN LIVING』を読んでからの3年間で「めちゃくちゃ建築本を買い漁った」のだといいます。3年という長い期間、すけさんの中で燃え続けた建築に対する興味の火種となったのが『MODERN LIVING』だったのですね。

「他の人たちみたいに、中身にそこまで思い入れがあるわけじゃなくて、ここまで連れてきてくれた本という意味で、この本が自分の『撮っておきの1冊』かなと。まさか自分でもここまで繋がるとは思ってなかったけど笑」

初めてのDIYの様子をブログに書いてからは、DIYをサポートする仕事も引き受け、建築関係の仕事にも携わるなど、すけさんの人生は大きく動きだしました。今年の6月には技術協力で参加したDIYのハウツー本が出版されるなど、活躍の場がどんどん広がっているようです。

「この雑誌自体は、読み込んでるのは最初の方くらいなんだけど、いまだに迷ったりした時には原点に戻るような気持ちでパラパラ眺めてる」

雑誌はどんどん溜まっていくうえ、他の書籍に比べて場所を取りますから、古いものは整理するのが普通かもしれません。それでも手元に残してあるのは、この『MODERN LIVING』がすけさんにとって、いつでも帰って来られる場所のような存在だからなのかもしれませんね。

99diy.tokyo

 

全ては心地よく暮らすために

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すけさんのDIYに関して、奥様は何も口を出したりしないのだそう。奥様から作って欲しいもののリクエストもあるようで、お子さんのおもちゃが散らかったりしないように棚を作ったこともあるといいます。

「考えてみると、作るのがそこまで好きというよりは、生活のための空間であったり、必要なものを作ったりすることの方が好きなのかも。何かを作ることが目的になってる人も結構いるけど、自分の場合それは自分や家族が心地よく暮らすための手段に過ぎないと思う」

すけさんにとっては、DIYと家に植物を飾ることには差がなく、共通しているのは自分で整えることだといいます。運営するブログの紹介に「日本にもっと個性のある面白い空間・モノが増えたら良いな」というすけさんの思いが綴られています。これは何もかも用意された出来合いの「箱」の中で暮らすことが多い人たちが、自分の暮らしを整える楽しみを持つことができたら素敵だという考えからなのだと思います。

趣味の幅が広いというすけさんは『MODERN LIVING』と出会う以前から、ミニ四駆を自分好みに改造したり、ルアーを自作していたといいます。もともと自分の手で自分の思うようにすることを好む素養があったのかもしれません。

そんな彼の前に現れた罪深い1冊『MODERN LIVING』は誰も思わぬ形ですけさんの人生を変えてしまいましたが、それについてご自身はどう考えているのか、最後に尋ねてみました。

「この本の内容自体には深い意味があるわけではないと思うんだけど、色々と影響を与えてくれた1冊だったのかな。これと出会ってなかったらまだサラリーマンをしていたと思うし。この本を読んだ時っていうのがめちゃめちゃ暗黒期だったんだけど、そこも越えて、ブログを始めるきっかけにもなったし、今仲良くさせてもらってる周りのブロガーたちにも出会えなかったと思う。自分では建築の勉強って感じはほとんどなくて、ただ楽しくやっていたんだけど、遊びが仕事になるための1冊だったのかもね」

好きを仕事にするなら、人より突き抜けて好きじゃないとダメ、飛び抜けた技術がないとダメというようなことをよく耳にしますが、すけさんの肩の力が抜けた様子を見ていると、必ずしもそうでもないのかもな、なんて思いました。

最初から目的のある出会いよりも、本当に自分が興味のあるモノと出会うことができれば、人生は自分でも思ってもみない方向に動き出すことがあるんだと教えてもらったような気がしました。

 

撮影を終えて

東京に遊びに行くと、時々ご自宅に泊まらせてもらっているすけさんがDIYと出会う前のお話が聞けて、個人的にすごく嬉しい回になりました。これがあの記事に載っているお部屋か……なんて感慨に耽りながら5分で眠りについてしまうという贅沢な時間を過ごさせてもらっています笑 今回お話を伺うまで、すけさんは専門的に建築の勉強をしてきた方なのだと勝手に思い込んでいました。実はそうではないと知り、本当に驚きました。すけさんご自身でも思いがけない方向に人生の舵が切られるようになったきっかけの1冊を知ることができてうれしかったです。今度は本棚の作り方教わりに遊びに行こうかな。

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というわけで第29回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

あなたと大好きな1冊の姿を写真に残しませんか?

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あなたの「撮っておきの1冊」を教えてください! ホントレート28撮目

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」

そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」

28回目となる今回は、今年京都に新しくオープンした今僕が最も注目している本屋さんが教えてくれた1冊です。誰もが求めてやまない「アレ」について書かれた本はまさに痛快、目からウロコが1尾分! いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう!

 

 

お話を伺った人

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ニワノナオキさん

京都府在住。2019年5月、クリエイターの創作環境を整える場 “But not for me”を立ち上げ、店主として駆け出しのクリエイターたちの活動を見守る。個人向けの選書を行うBookstylistとしても活躍中。穏やかな人柄と、確かな知識に裏打ちされた選書は見事の一言。

twitter.com

 

“自分”を言語化せよ。

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もともとアパレルで働いていたニワノさんは、とてもオシャレです。シンプルな白シャツが眩しく見えるほど。ここで思わず「センス良いですね」と言いたくなりますが、ニワノさんはその言葉は不用意に使わない方が良いと考えているようです。そう考えるようになったきっかけをもたらしたのが、ニワノさんの「撮っておきの1冊」 水野学『センスは知識からはじまる』なのでした。

水野さんといえば最強のゆるキャラくまモン」のデザインなどで知られるクリエイティブディレクターですが、意外なことにニワノさんはこの本に出会うまで彼のことを全く知らなかったのだそう。『センスは知識からはじまる』もたまたま本屋さんで見かけたのだといいます。

「このタイトルで完全にやられたんですよ。読んでみると分かるんですけど、言いたいことの全てをここまで端的にタイトルで言ってしまえるのって、相当すごいと思うんです。僕自身は熟読しましたけど、早い話がタイトルさえ見ちゃえば読まなくても良いとは思うんですよね。もちろんそれはとても勿体無いことですけど、それぐらいに衝撃的なタイトルでした」

この1冊ですっかり水野さんに惚れ込んでしまったというニワノさん。今では水野さんの著書はほとんど読んでしまったというのですから、どんな出会いがあるのか分からないもんです。f:id:taroimo0629kuro:20190711004511j:plain

熱量高くニワノさんが語ってくれたところによると、水野さんのすごいところは「言語化能力の高さ」にあるのだそうです。

「水野さんはクリエイティブディレクターなんですが、この本に限らずデザイン用語をほぼ使っていないんですよ。だから誰が読んでも分かる。ああ、そういうことか!って腹落ちさせる文章を書くのがめちゃめちゃ上手い」

水野さんの本と出会ってから、言語化の大切さがすごく分かるようになったというニワノさん。

「なんとなくふわっと理解していたようなことに言葉の定義をつけたり文章化することってすごく大事なんだなって。ごちゃごちゃと考えてはいたけど、あれ俺って全然文章書けないなって気付いたり、考えがまとまってないなと感じたり。センスとは、美意識とは、ビジョンとは、何となくみんな使っているんだけれど、それぞれの中にある定義は自分だけのものなんだということをちゃんと言葉で表さなきゃなと、この本を読んで気付きました」

どんなにすごいことを考えていたとしても、感覚でこれがカッコいいんですではなく、こういう理由でこのバランスになっています、こういう背景を踏まえた上でのこの書体のチョイスなんです等々、一つ一つの配置・選択の理由を語れることこそが、何となく作られたものとの差を明確にしてくれるんですね。自分の中から生まれたものに、自分の言葉を丁寧に添えてあげられるのが、真の意味でクリエイティブな人なのかもしれません。

 

蓄えよ、然るのち選び出せ。

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ところで本書のタイトルにもある「センス」ってなんでしょうね。日常生活でもよく耳にする言葉ですが、それがいったいどんなものなのか、説明できますか?

「センスは生まれ持ったものだとみんな思っているじゃないですか。オシャレにしてもデザインにしても、写真にしても。でも水野さんはそうじゃないんだよと言うわけです。彼によればセンスっていうのは、膨大な知識の中から、それぞれに合った最適な答えを導き出す能力こそが、正しい意味でのセンスなんだそうです。それを読んで、そういうことか!と」

自分の中に知識がなければ、そもそも取捨選択の余地がありません。そういう意味で「センスは知識からはじまる」のですね。

いつもパッと見でボロボロの格好をしているのに、妙にオシャレに見えるアパレルの先輩がいたと話してくれたニワノさん。この人がまさにコンテキストのある、ある種の汚さ=ビンテージで統一することが自分に最適だと判断して、そういうファッションに落ち着いているのだと聞いた時に、ニワノさんの目からは鱗がボロボロと落ちたのだそう。

その先輩はストリート系、綺麗め、カジュアルなど色々経験する中で、ファッションに関する知識を頭の中の引き出しに収めていったのです。そうして出来上がった彼だけのファッションの引き出しの中から、自分に最適化された服を選んでいたから、カッコよかったのです。これがセンスなんだと、実例を通して気付いた経験だったとニワノさん。自分の体のサイジングが分かっている。その特徴に合う服を知っている。そういう服にはどの靴が合うのか。ボタンやポケット、ステッチの細部にわたって注意を払うことができているか。知らないものに対して注意は払えません。知ることで物事の見方の解像度が上がります。解像度の変化とともに、ニワノさんの服の選び方も変わったのだそう。

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「それまでは洋服をそんなに深掘りしていなくて、いわゆる今流行っているモノとか、最近イケてるセレクトショップの取扱商品とか、明らかに今っぽいとか誰が見てもオシャレっぽい雰囲気の洋服がカッコいいと思っていたんですけど、あ、そうじゃないなと。それからはより知識を得ようと思って、リーバイスの勉強をしてみたり、先輩に色々な話を聞いたり、今日の僕のスタイリングどうですかなんて尋ねてみたりも。なんか違う、とか言われながらね笑 ちょっとボトムの丈違うくない? とか靴変えた方がえんちゃう? 前履いてたのの方がええで、とか。そういうのを積み重ねていくと、雰囲気が出てくるようになるもので、感度が高い人からオシャレだねと言われるようになっていったんですね」

『センスは知識からはじまる』を読んで自分の考えがすごくクリアになったというニワノさん。

「僕も今までは、先輩やからオシャレなんやろ、と思ってたんですよ。だって服屋ですやん、みたいな感じで笑 でも先輩はめちゃめちゃ服屋さん廻って最新の情報を仕入れつつ、試着しまくって自分に合うサイズ感を見出したり、ブランド背景を調べたりしているというベースがあるから、なんとなく買った服でもすごく似合うんですよね。自分に似合うかどうかの判断を最適化する能力が研ぎ澄まされているから、このブランドのこのサイズなら自分は大丈夫だみたいなことが、何気なくでもできるようになるんです。そういうことがセンスなんだなって」f:id:taroimo0629kuro:20190711004630j:plain

センスとは、特別な人に備わった才能ではないと本書には書かれています。知識をかき集め、最適化する能力を積めば、ある程度みんなセンスは良くなるのだと。そこでどうして違いが出てくるのか、それは磨いているか磨いていないか、たったそれだけの差なのだそう。「センス」言い訳との親和性が非常に高い言葉です。それゆえ何かを諦める時に使われがちな言葉でもあります。

「あの人はセンスがあるから」

「自分にはセンスがないから」

ついつい無意識のうちに口をついて出てしまうんですよね。でもそうした言説は、水野さんに言わせればただの「努力不足」だといいます。厳しい言葉ですが、現実としてそうなのでしょう。しかし、自分の努力不足を認識するところから始めることを決意した者に水野さんは手を差し伸べてもいるのだとニワノさん。

「知識を得なさいと。その方法はネットだろうが本だろうがなんだっていい、と。そこで終わるんじゃなくて、その知識を入れておく引き出しの整理の仕方を書いてくれているんです。1つの棚にごっちゃごちゃに詰め込んだらなんのこっちゃ分からないので、集めた知識はこういう風に入れていったら取り出しやすいよねとか、そもそも引き出しってこう作ったらいいんだよなんてことが書いてあるのがすごくいいと思うんです。水野さんは道筋を示すのもすごく上手いんですよね」

ぞっこんになる余り、平日は水野さんの企画運営するブランド「THE」でお仕事をしているというニワノさんに最後に、この本と出会って大きく変わった点について尋ねてみました。

「この本を読んでからセンスいいですね、という言葉を簡単には人に使えなくなりましたね。僕から見てセンスがいいなと思う人に対しては、積み重ねてきたものも透けて見えてくるので、センスって言葉は安易に使えないんです。その人が今の状態に至るまでの過程に対するリスペクトが抜け落ちてしまう気がしませんか? センスって言葉で片付けられちゃうと、何も努力してないように思われて。もともとセンスがいいからそんなことができるんですねすごーいって言ってるも同じだと思うんです。それはすごく失礼な話」

この本と出会っていなければ、自分の生まれ持ったモノだけで勝負していたかもしれないと、ニワノさんは微笑んでいました。それじゃあどこかで壁にぶつかった時に、絶対にセンスを言い訳にして潰れていた、とも。

駆け出しのクリエイターの創作を応援する場“But not for me”の店主として 、冗談めかして『センスは知識からはじまる』をこのお店に作品を置くための課題図書にしようかなと語るニワノさん。

「作り始めの人たちに、いきなりトップの人たちと比べてもそんなの意味ないよと。彼らは相当色々積んであの高さに立っているんだから。彼らと比べて現状自分がこうなのはセンスがないからじゃなくて、積んでないだけだよと。知識を積んだ結果ダメだったら、それはそれでまた別のやり方があると知れますし。ダメだったというのも自分のセンスがダメだったと考えるんじゃなく、自分のやっていることに対して、その取り組み方が最適でなかっただけのことと考えられるような頭を、この本で鍛えてもらいたいですね。クリエイターに関係なく、あらゆる人にこの本はオススメですよ」

センスが取り沙汰されない分野はありませんから、ニワノさんの言われるように、この本は全ての人の助けとなる1冊だと思います。センス云々と言ってくる人たちを軽く受け流すために『センスは知識からはじまる』を「知って」みませんか?

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撮影を終えて

実は、ニワノさんとは昨年初めてお会いして以来の「二度目まして」でした。SNS上で彼が面白い本屋さんを始めるらしいと逐一チェックしていたのですが、コンセプトも内観も置いてある本のチョイスも、本当に素晴らしいお店が出来上がっていて、とても嬉しくなりました。彼の引き出しを総動員したような、彼自身というようなお店の雰囲気は、とても優しいものでした。だらり庵でも人に何かを強制したりということを避けるようにしているのですが、ニワノさんも似たような空気感を出そうとしているのに、勝手に親近感を覚えながらの撮影でした。「別に本を買ってもらわなくても、ここに来てカリモクで本を読んだり、僕とビール飲んだりなんかしてくれれば、それでいいんじゃないかな」撮影後に一緒にビールを飲みながら話せたの、本当に嬉しかったなあ。また遊びに行かなくちゃ。

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というわけで第28回目のホントレートはここまで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!

 

 

 

あなたと大好きな1冊の姿を写真に残しませんか?

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何度でも行きたい小豆島。

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

先日友人たちと香川県の小豆島に行ってまいりました。

お天気が心配されていて、持っていくフィルムにも悩んでいたのですが、まさかまさかの大快晴。力一杯旅を満喫することができましたので、今回はその時の様子を写真で振り返ろうと思います。

たくさんたくさん撮ってきましたが、ここに載せているのはほんの一部。それでもかなりの枚数を貼っていますので、お時間のある時に読んでいただけると嬉しいです。

それでは早速いってみましょう!

 

高松市内のカプセルホテルで目を覚ませなかった僕は、とっくに準備を終えた友人たちに起こされました。前日のお酒で深い眠りに落ちてしまっていたようです。寝起きドッキリのような動画まで撮影されてしまいました。しかしドーラもびっくりの30秒で支度した僕は、寝癖ボンバーのまま出発しました。

高松市内の人気うどん店「手打十段 うどんバカ一代」で腹ごしらえを済ませて、いそいそとフェリーに乗り込みました。目指したのは瀬戸内海に浮かぶ「小豆島」です。

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今回の使用フィルムはkodak ULTRAMAX400です。独特の青がすんげえと聞いています。 しかし、それほど驚くような色味にはなっていないような気がします。むしろ快晴の気持ち良さを感じます。

 

あ、そうだ。フェリーが小豆島に着く前に、今回の旅を共にした愉快な友人たちをご紹介しておきましょう。

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 左が可愛いうにさん。右はなんかしゅんさんぽ。

2人とも終始笑顔で、見てるだけで僕もテンションが上がりました。

unicamera.hatenablog.com

shunsanpo.com

  

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死んだはずのK-1もきました(踏ん切りがつけられなくて……今回ホントレート の撮影がなかったので、気軽に持ち出しました。こういう使い方をしていくのもアリかな)

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うん、いい感じ。楽しくなりそうな予感。

 約40分ほど船に揺られて小豆島に着いた僕たちは、まず島で1番高いところを目指しました。

「寒霞渓」というロープウェイで登るようなところを、軽自動車に無理を強い強いで攻めました。攻めたものの、風景写真って難しいねえなんて言いながら結局はオリーブ牛入りコロッケに舌鼓を打っていたのはご愛嬌。 

 

何してるん

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 引いてるうにさん。

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 なんてね。 

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仲が良いのは分かるけど、何をやってるのかはまるで分からない。

 

寒霞渓を後にして、僕たちは「なかぶ庵」というそうめん屋さんへ。小豆島はそうめんの島らしいです。

友達のひげこいさんがスゴくオススメしていたお店。オススメなだけあってスゴく美味しかったです。でも「10秒で食べ終わる」は嘘だと思いますよ、ひげこいさん

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ちゃっかりお土産を購入。

 

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そしてこれまた島の特産品である醤油の蔵が面白そうだったので、マルキン醬油記念館というところに車を走らせました。蔵の様子を見学しつつ、2人は醤油ソフトクリームをぺろぺろ。僕は家の醤油を切らしていたので、醤油を買いました。普通のよりちょっと良いやつと、スゴく良いやつのちっちゃいのを2本。肉じゃがとか作りたいです。

 

と、ここでアクシデント発生。

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快晴が過ぎて溶け出したソフトクリームが、うにさんの新しい相棒X-T3の軍艦部分に!  3人大わらわでカメラの救出をしました。防滴ってソフトクリームにもいけるんですかね。

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 醬油ソフトを丁寧に拭き取るしゅんさんぽ。この界隈にはカメラにお酒をこぼす人はよく見かけますが、ソフトクリームは初めて見ました。

 

その後は蔵の周囲をぷらぷら。

僕は「富士フイルム XF90mm推進委員会」の会員なので、うにさんにそっと90mmを貸しました。大いに気に入ってもらえたようなので、まず間違いなく買うでしょう。

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早速90mmあるある「被写体が入りきらない」の洗礼を受けるうにさんの図、と右隅のパパラッチ。

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逆に僕はK-1SIGMAの35mm F1.4 DG HSM Artで広々と。周りが写り込んでいるのでどこに行ったのか思い出せて良いですね。

 

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感度400のULTRAMAXはバス停のベンチが白とびしていました。それぐらい快晴。

 

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相変わらず写真のためなら攻める男です。

 

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 写真を撮るしゅんさんぽのためにソーメンを隠すなんて、良い子だ。

 

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そんな子をいともたやすく困惑させるしゅんさんぽ。うにさんの表情が手に取るように分かりますね。それにしてもなんだろうこのポーズ。

 

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すごく良い笑顔だったし、すごく良いシチュエーションだったのにピントを外すのはなぜ? 後ろの木々すごく綺麗に写ってるじゃない……。AF機能のあるフィルムカメラが猛烈に欲しい。

それから、数年前にうにさんが小豆島に来た時に撮った風車の写真がとても良かったので、オリーブ公園へ。

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地中海を思わせるような風景がとても気持ちのいい場所だったのですが、映画「魔女の宅急便」のロケ地になったことにより、ホウキをにまたがって飛んでいるように見える写真を撮るのが流行っているらしく、たくさんの人であふれていました。

仕方なく数年前の再現は諦めて、公園内をぷらぷら。

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この周りに20人くらいいますが、XF90mmなので余計なものは切り取ることができます。みんなXF90mm買いましょう。

 

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 自信を持って載せたかった。うにさんの優しい笑顔と髪のなびきと帽子が最高にいい感じだった。出会って初めてしゅんさんぽを許さないと思った。

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ツイッターでたくさんいいねをいただけた写真のうちの1枚のオフショット。撮り終わってすぐ笑っちゃうの可愛い。 

 

車内に置きっ放しにしていた醤油が沸騰しそうなくらいの日差しだったので、涼を求めて喫茶しに。向かったのは小豆島唯一の酒蔵 森國酒造さんが経営する「フォレスト酒蔵 森國ギャラリー」

築70年の佃煮工場をリノベーションしてできたという店内の趣ったらもう……!

ランチの時間が終わっていたのが残念でしたが、心穏やかにかき氷や梅ジュース、日本酒の試飲が楽しめる最高の空間なので、また来たいと思います。(今回は車の運転をしていたので、次はしゅんさんぽに運転手させて試飲しよう)

MORIKUNI 小豆島で唯一の酒蔵

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さりげなくガラスのテーブルの下に置かれたコースターが可愛い。 

 

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右側の背景が騒々しい。 

 

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おざぶとんまで可愛い。

 

涼んで体力を回復した後は、ついにこの日の最終目的地エンジェルロードへと向かいました。1日2回、潮の満ち引きにより島に渡ることができる面白い場所で、恋人の聖地として有名な観光スポットです。

僕たちが到着した時は、まだ干潮のピークではなかったので、そこまで人も多くなく、思い思いに写真を撮りつつ楽しむことができました。

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 いざノシノシ!

 

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 干潮で出来た道の上でパチリ。

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 素敵な写真が撮れてると良いですね。

 

相変わらず90mmなので、エンジェルロードの全景は撮れていません。

そちらは2人の記事が上がってくるのを待つことにしましょう。

 

それからせっかくだし集合写真を撮りたいね、ということになり。防波堤の突端に向かいました。なんとなく防波堤に青春を感じてしまうことありませんか? 僕はあります。

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実に夏っぽい。

 

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なんか増えた。

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登った。

しゅんさんぽ「これがタイラさんの視界か〜」と沖縄が生んだ高身長イケメンの名を口にしていました。タイラさんのことを巨人か何かだと思っているのかな。

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 さらに増えて、はいパチリ。

 

いやー楽しかった! 満喫しました。久しぶりに取材ではなく、純粋に旅行したって感じです。小豆島、すごく魅力的なところでした。毎年来たいくらいです。この日だけではまだまだ巡れていないところもあるので、また来なくては。

2人が撮った写真も楽しみ。この浮遊感すらあるワクワクはしばらく続きそうです。

1人で取材も良いけれど、たまにはこういう息抜きがあるとより良いですね。

 

というわけで今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。

笑顔な1枚と共にお別れです。

 

 

 

 

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渾身のうにさんだと思いました? 残念! しゅんさんぽでした!!!

 

バイバイ!

初めての富士フイルム SUPERIA PREMIUM400。

皆さん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

今日もまた初めて使ったフィルムを現像してきましたので、どんなのが撮れたのかペシペシ貼りつけて行こうと思います。

今回は富士フイルムから出ている「SUPERIA PREMIUM400」というフィルムを楽しんでみました。

例によって詳しいことは知らないので、色々知りたい方はこちらをどうぞです。

takesanpo.com

 

というわけで僕は撮った写真を貼っていくだけ!

 

このフィルムを使ったのは、カトウタクミさんが大阪に遊びに来ていた日のこと。

京都でのホントレート を終えて合流してから、このフィルムを装填しました。

時刻は夕方。天気はいつ降り出してもおかしくないどん曇り。

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左からタクミさん、「たけさんぽ」のたけし、しゅんさんぽ。

いつも通りピントは来ない。でもしゅんさんぽがエラそうなのは分かる。

 

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これが多分1枚目。タクミさんたちと合流した喫茶店でこいつを装填して早速パチリ。

今まで業務用100ばかりだったから、室内で撮ったことなかったので、つい試したくなって。

 

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いくつか坂があるのを撮り歩くことになっていたようです。地震で隆起した地形がなんとやらとたけしが説明してくれたけど、全部忘れました。

 

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ねこがにゃーんと通って行きました。

アラサーの野郎が4人とも「にゃーん」と言いながら猫を追いかけていくおぞましい瞬間です。

 

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自転車のカゴからモリモリ溢れ出す植物。これはもう乗る気がないのかな?
葉脈がしっかり写ってる。珍しくピント合わせられてるじゃないの、偉いですねー。

 

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正面の家の窓が面白いなーって。

ピント気にしなくていいから無限遠ラクだなーって遠くのもの撮りだした頃ですね。

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とか思ってるから、3人の後ろ姿にピント合わせられない。

普段あんまり後悔とかしない前のめりマンだけど、これはぐぬぬ

 

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今度こそ3人をカッコよく!

タクミさんの後ろ姿、カッコイイ。何を撮ってるんだろう。

たけしがこっち向いてるけど、うまい具合に葉っぱで顔が隠れてる。

しゅんさんぽは……あれ、ツルツル?

 

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あ、前にいたのね。

これはピント外してません。しゅんさんぽに合わせる気がないのです。奥の寺院を撮りたかったのです。

 

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個人的に好きな1枚です。黄色好きだし、紫との対比が気持ちいい。信号機の柱のザラザラもしっかり描写されてる。

動く人じゃないなら、合わせられるようになったねえ、偉いねえ。

 

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Tシャツのタグに気付いてないたけし可愛い。

高校時代からカメラやってればJK撮り放題だったのにねーって話しながら高校の横を通るアラサー4人。

 

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リアカーは駐車違反になるのかしら。

 

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よく見たら帽子の線がちゃんと撮れてる。フィルムで撮った写真の細部見るの好きです。

 

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このあたりでポツリときたけど、ギリギリ日本橋のアーケードに逃げ込めました。夕方のアーケード下では流石に撮れなさそうだったので、写真はありません。

 

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この日の最後の1枚。夕方この明るさは撮れる? 露出大丈夫? とフィルムの先輩たちに確認しながらパチリ。

盛大にピント外してますね。東洋建設!

 

ここから翌日。

この日は確か姫路のコワーキングスペースmoccoさんでブログを書いていました。

その道程で撮ったみたいですね。

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近所の花。デジタルだとあまり花を撮る気にならないのですが、なぜかフィルムだと1枚は撮ってる気がします。

 

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側溝の水面に映るフェンス?

ゆらゆらしてるのが面白かったんだと思います。

 

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おじさん最近こういう幸せそうなのに弱いの。

 

ホントレート の文字起こしをやったり、撮った写真の整理をしたりしているうちに、いつの間にか、太陽の退勤時刻に。

息抜きにツイッターを眺めていると、何やら姫路の空の色がすごいことになっているらしいという情報が。

慌ててmoccoを飛び出すと、ピンク色に焼けた空が。しかも随分な人出。どうやらこの日は姫路ゆかた祭りが開催されていたようです。

なるほど、それでパトカーのサイレンや怒号がいつもより聞こえていたのですね。

それにしてもピンク。

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完全に意識は右のほうに引き寄せられてますね。空に対する注意が散漫です。

 

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浴衣らしきものが見える。

この後一気に陽が落ちたので、この日はこれでおしまいでした。

居ても立ってもいられなくなったので、もちろんお酒を飲みました。

 

そして、フィルムの残り枚数は2枚。

 

新しい旅の先触れが、この子の最後の仕事でした。

グッジョブ。

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というわけで、今回はここまで!

また新しいフィルムでお目にかかりましょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。