Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

岡山市の素敵な本屋、スロウな本屋さんに行ってきました。

みなさんこんにちは。

今日もだらだらしてますか。

 どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

突然ですが、みなさんは世の中の進むスピードについていけてますか?

昨日世界の最先端だった技術やモノ、情報があっという間に過去のものとなる現代。

あらゆる場面で過去最速を更新し続けることを求められ続けられるのって、一部の超人をのぞいて、多くの人にとっては実はものすごくストレスフルな状態。

正直なところ、庵主はついていけておりません。

ついていくことを放棄してしまっている庵主、真っ当に生きている人にはよく呆れられます。

それでもどっこい、だらだらしている。

 

そんな僕みたいな人種が居座ることを許される空間。

それが本屋さんです。

世界に本屋さんがあって本当に良かった。

行く先々で素敵な本屋さんと出会うたびに、僕はそんなことを思って一人静かに感激しています。

さて前置きが長くなりましたが、今回ご紹介いたしますのは、そんな本屋さんのなかにあって、よりのんびりすることにフォーカスしたお店。

その名も「スロウな本屋」。

名は体を表すとは本当によく言ったもので、スロウな本屋さん、実に居心地のいい素敵なお店でした。

一体どんな本屋さんだったのでしょうか。

 

 

「おかえり、よう来たね」と聞こえた気がした

 

岡山駅東口から桃太郎大通りをまっすぐ進み、柳川交差点で左にカクッと。

そのままずんずん北上し、右手側に消防署が見える交差点を左折。

二つ目の路地を右に入ります。

すると、なかなかポップな看板が現れました。

なになに?

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「スロウな本屋 10歩」

なんですと⁉︎

驚いて顔をあげると

 

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ほんとだ、あった!

近い!

入る前から望郷の念を呼び起こされるような外観の、木造二階建ての三軒長屋のこちらが「スロウな本屋」さんです。

戦前に建てられたのだそう。

戦時中に多くの場所が焼き尽くされてしまった岡山の街でしたが、この建物は幸運なことに戦火をくぐりぬけることができました。

長い間岡山の街をみつめてきたからでしょうか、優しさを感じる佇まいです。

こうして今僕たちの目の前にある。

ただそれだけでありがたいことです。

思わず「おばあちゃーん!」と叫びたくなりました。

(お盆には帰りましょうね)

 

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お店の場所を教えてくれてありがとね、ブッくま。

……ブッくま…?

キミ、お腹が本になっているとかなかなかサイケデリックなくまやね。

あと「ブッ」がカタカナなのもすごくいい。

 

さてお店まで徒歩のルートをご案内しておりますが、もちろんバスやレンタサイクル、路面電車でも行くことができます。

でもせっかくだから、のんびりスロウに行きたいところですね。

 

畳敷きの床が和ませてくれる

ナイスなブッくまにお礼を言って、中に入ってみましょう。

おじゃましまーす。

 

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お。

 

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おお。

 

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すばらし……。

 

庵主も知ってます。

ここはエモいと言う場面だと。

でも言いません。

無条件に迎え入れてくれるこの雰囲気がたまりませんね。

誰にでも開かれているからこそ生まれる、この居心地の良さ。

構えていないとでも言うんでしょうか。

畳敷きだから寝転がってもいいのかもしれません。

うん。

良い。

ひょい、と一つ大きな通りを外れるだけで、こんな非日常の空間にこんにちはできるなんて、岡山市にお住いの方々が羨ましいかぎり。

 

ゆっくりを愉しむ

スロウな本屋さんは元書店員の小倉みゆきさんが営まれています。

お店のコンセプトは「ゆっくりを愉しむ」

店内には、毎日の暮らしに目を向けるきっかけになるような本がずらり。

 

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読んだ瞬間に心にぐさりと来るような本というよりは、読み終えてややあって、ふとした瞬間にじわじわ効いてくる「遅効性」のありそうなラインナップ。

 

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背表紙のタイトルを眺めているだけでお腹がすいてきそうなお料理コーナー。

「ゆっくり」料理をする時間って至福ですよね。

その時間を思っただけで頬が緩みます。

 

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なんでもはかって数値化したがる僕たちですが、世の中はかれないものの方が多いですよ。

 

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押入れだった場所は絵本コーナーに。

普段と違う空間で、色とりどりの素敵な絵本に囲まれるって素敵な体験だと思います。

(写真の子は僕がお店に入った瞬間に太ももに抱きついてきました。庵主は子どもウケがとても良いのです)

 

遊びたい盛りの子どもたちがのびのびできるって素晴らしいことだと思います。

読書という行為の性質上、どうしても本屋さんや図書館では静かにしなくちゃだめ!と言われることが多いのです。

これは仕方のないこと。

でも、素敵な空間で感じたワクワクをそのまま表現できるって、子どもたちにはとても大切だと思います。

じいっと座って読んでいなくてもいいんです。

本のある空間の優しさに包まれているだけでも、それは素晴らしい「読書体験」なのだと僕は思います。

 

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 注意散漫なこのお年頃。

はしゃぎすぎるとこんなことにも。

(この直前にも彼は頭を打っています)

 

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店内では様々なイベントやワークショップが催されます。

僕が遊びに行った日は、作家・写真家のいしずまさしさんの『どうして そんなに泣いてるの?』の原画展の最中でした。

 

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 店内のいろんなところに赤ちゃんが。

可愛い。

 

 

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 いかがでしたでしょうか。

忙しい日常で何か大切なことを見失いそうな状態にある時、必ず心や体はシグナルを発しています。

自分の内側からの警鐘に気付いた時には、一旦立ち止まってみるのがいいと思います。

そんな時にピッタリなのがスロウな本屋さん。

ひとつ、遊びに行ってみませんか?

 

 さて、今日はこれにておしまい。

 

今日も素敵な本との出会いに、感謝。

 

 

スロウな本屋さんへのリンクを貼っておきます。

イベントや入荷した書籍の情報、お店が動き出すまでの様子などをこちらでお楽しみいただけます。

slowbooks.jp