Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

鳥取の素敵な本屋さん、汽水空港に行ってきました。

みなさん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

お天気が悪い日が続いております。

大型の台風も僕の住む関西地方に近づいていますねえ。

不要不急の外出は控えないと。

ということは、これは絶好のだらり日和なのでは?

1日部屋にこもってゆっくり掃除をして、それが済んだらソファに体を沈めてゆったり本を読む。

そんな1日を過ごすのにもってこいの休日。

こんな日にだらだらしないで、いつだらだらするのか。

 

ということで、姫路から車をぶっ飛ばして鳥取の素敵な本屋さんに行ってきましたので、その様子を写真と文章で振り返ろうと思います。

そうよ、いつものことよ(一体いつになったらだらだらできるんだろう…宝くじ当たらないかな)

 

 

池の畔に佇む小さな空港

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今回僕が迫り来る台風を蹴散らす勢いで鳥取に行ってきたのは、東伯郡湯梨浜町というところにある本屋さんを訪れるため。

目の前に大きな池をのぞむそのお店は、名前を「汽水空港」といいます。

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一見すると街のたこ焼き屋さんやたい焼き屋さんといった佇まいの店舗。

外壁に掲げられた「本」と主張する看板のおかげで、かろうじてここが本屋さんなのだとわかります笑

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汽水感に満ちた味のある文字。

 

こちらの店舗は東日本大震災後、鳥取に移り住んだ店主のモリテツヤさんが、倉庫だったのをセルフで改装したもの。

そんな汽水空港ですが、実は2016年の鳥取県中部地震に見舞われ、つい最近、2018年の7月22日にリニューアルオープンしたばかり。

全て手作りで仕切り直した店内は、新しい建材の爽やかな薫りが満ちています。

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2015年にオープンした時と比較して奥行きが増したという店内。

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以前はトークショーのようなイベントでは人がぎゅうぎゅうだったそうですが、今はずいぶん余裕がありそうです。

それにしても、本当に手作りなのかと思うほど素敵なお店です。

店主のモリさんはお店を運営するためにかかる経費を極限まで低く抑えることができれば、お金を稼ぐことに躍起にならずに済むと考えられたそう。

そこで生きていくのに必要なものは、全部自分で作ればいいのだという方針のもと、農家に住み込みで畑の修行をし、建築に必要な技術を身につけるために左官屋でバイトをしたりと、かなりの行動派なモリさん。

そして本当に本屋さん作っちゃうんですもの、かっけえとしか言いようがないです。

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味のある本棚たちも、もちろんモリさんの手によるもの。

 

やりたいことがあるならさ、動こうぜ。

なんとかなるからさ。

そんな声が人生に不安を感じている人の背中を押してくれるような温かみのある店舗は、世界に一つだけ。

 

本の見せ方に光る「魅せ方」

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こちらはお店に入ってすぐ右手に設けられたZINE(手作りの雑誌)のコーナー。

面白そうな冊子たちをさらに素敵に感じさせる配置が光ります。

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ZINEはかなり薄い作りのものが多いのですが、どうして表紙を見せて自立することができているのだろうかと不思議に思いました。

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写真だと分かりづらいですが、棚の奥に細長い木材が寝かせてあり、そこにちょうど冊子が収まる幅の切り込みが入れてあるのです。

平積みするか、立てかけるぐらいしかZINEの見せ方はないと思っていたので、とても面白かったです。

なんとなく本も立ってる方がイキイキしてるように思うのは気のせいですかね。

 

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さらに吊るして見せるなんて、考えたこともなかった!

とてもオシャレな感じです。

ページ数が少なくて軽い、ZINEならではの工夫ですね。

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あまりにカッコよかったので、寄りでもどうぞ笑

 

ZINEは見たことがないものが多いのが楽しいです。

個性が爆発しているものもたくさんあるので、集めたくなります。

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パンチの効いた本棚たち

他の棚もパンチが効いていて、いちいちそのチョイスがニクいです。

さあさ、棚を眺めてみましょう。

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ブックエンドもパンチしてくるスタイル。

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目力と薄く開いた口元の合わせ技セクシー。

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ヒアシンス革命。

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この並びのカオスにワクワクせずにはいられません。

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ダジャレと紙一重のナンセンスの極地が心地よくて購入した詩集。

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卵と乳製品を使わずに焼き菓子を作る「可笑しなお菓子屋」kinacoさんの『ビスケ、クッキー、マフィン』

鳥取に移住されたのだとか。

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どうした、牛。

はぐれた?

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まあ旅をしていればはぐれるのだって日常茶飯事なのかもしれません。

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とても素敵な写真がたくさんだったので、思わず2冊購入。

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関係ないけど、紹介文の文字もいい緩さのアクセント。

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社食で毎日カレー食べるマンな僕としても気になります。

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特集ゾーンの配置も素敵。

 

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さりげなくお店の雰囲気を調えるのに一役買っているものたちも素敵です。

こういうささやかなところも本屋さんの色が出るような気がします。

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特にこの「ただのお金を入れる箱と化したレトロなキャッシュレジスター」が最高にイカしてました。

彼、数字のボタンとか全部死んでます笑

硬貨やお札を入れるスペースを開けると、派手にチーン!となる機能しか生きていないのが実に無駄で、実にいい。

ですので、お会計の際にはモリさんと奥様が電卓を叩いてくれます笑

 

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あいにくだなあ、と思っていた天候もむしろいい感じに思えてくる不思議。

湖の底にいるような気分になれました。

店内から見える東郷池は、海水と淡水の中間の塩分濃度を持つ水を湛えた汽水湖

全国でも珍しく、湖の中央付近の湖底からは温泉が湧いているのだそうです。

どっちに偏ることもない濃度、冷たい水と温かな温泉の混じり合うぬるま湯っぽい東郷池の雰囲気が、この汽水空港にはしっくりくるような気がします。

どちらでもないから、どちらに行くのも自分次第。

ここからどこにだって飛び立っていける小さな空港がある、鳥取が羨ましくなりました。

 

これからの汽水空港からますます目が離せない

締めてませんよ、締めてません。

だってここからがいいところなんですから。

店内で色々お話を伺っていると、モリさんが店の一番奥を指し示して、「奥も見ていきますか?」と。

お店の裏口の先には、小屋が。

そこは以前、モリさんの居住スペースだったのだそうです。

かなり狭いので、一人で住む分には問題ないのでしょうが、奥様と暮らすにはさすがに狭すぎます。

ということで、今はこの小屋を出て、二人で暮らしているモリ夫妻。

そして空いた小屋。

中を覗くと、ごっちゃごちゃの作業中。

こ、これは…

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改装中のこちらの小屋は作家やアーティストの作品などを展示するスペースに生まれ変わるのだそうです。

もうまもなく完成するとのこと。

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一体どんな空間になるのか楽しみです。

 

さらにビールが運びこまれたり、奥様が届いたばかりのワイングラスを磨いていたりと、僕がいた時間にも様々な動きがありました。

10月中には飲み物などの提供も始まる予定。

 

そうなのです。

第2章がテイクオフしたばかりの汽水空港ですが、まだ全然完成したわけじゃありません。

モリさんの耕している畑の近くに小屋を建てまくって、本を読むためだけの空間を提供しようという構想もあるのだそうです。

どうです、ワクワクしかないでしょう?

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ライブ感満載で航行する汽水空港、スーパーオススメです!

モリ夫妻の温かな人柄に触れれば、本も鳥取も大好きになること間違いなしですぞ!

 

というわけで、今回はここまで。

最後までお読みいただきありがとうございました。

楽しいひとときを過ごさせてくださったモリさん夫妻、ありがとうございました!

 

今日も、素敵な本と人との出会いに、感謝。