Books だらり庵

面白かった本、訪ねた本屋さん、撮った写真なんかについてだらだら綴ります。ごゆっくり。

鳥取の素敵な本屋さん、邯鄲堂に行ってきました。

みなさん、こんにちは。

今日もだらだらしてますか?

どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。

 

先日、鳥取の汽水空港というすんばらしい本屋さんに遊びに行ってきました。

その時の様子は以下の記事にまとめてありますので、よろしければ併せてお読みください。

tarokuro.hatenablog.com

 

さて、汽水空港の店主 モリさんが、とある本屋さんが面白いよと教えてくださいました。

それはぜひ機会があれば遊びに行ってみたいものです!と申し上げましたらば、なんと同じ鳥取にお店を構えているというじゃありませんか。

そうとなったらすぐさま行くしかない!

ということで、台風24号が迫っていたのですが、汽水空港を辞去したその足で、お勧めしていただいたお店へと向かいました。

今回はその時の様子を写真で振り返りたいと思います。

 

先に言っておきましょう。

鳥取、侮れませんぞ。

 

 

旅人は本屋で束の間の夢を見るか?

迫り来る台風に飲まれてしまうことを恐れながら、汽水空港から車を走らせることおよそ1時間。 

件のお店は鳥取市内にありました。

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屋号を邯鄲堂(カンタンドウ)といいます。

外観からしてもう、なんとも堪らない雰囲気でしょう?

ノスタルジック溢れてござる。

 

とはいえ、本屋さんは外観ではござらん。

早速中に入ってみま……

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おぉぉ…

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うぇ〜い……

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アイヤー、本棚が空中を走ってルヨー。

 

これは夢か……?

 

ご覧いただいた通り、只事ではない店内の様子。

縦横無尽に走る本棚。

圧倒的重厚感。

とはいえ収まるべきところに収まっていることがわかる安心感。

この景色、ちょっと他ではお目にかかったことがないですね。

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本やらなんやらに囲まれたこちらの女性が、店主の前田環奈さん。

かつて鳥取民藝美術館の学芸員だったこともあるのだそうです。

邯鄲堂がオープンしたのは、2012年の10月。

元々はJR鳥取駅前にお店を構えていたのを、2015年にこちらのリノベーションした古民家に移転されたとのこと。

以前のお店にも遊びに行ってみたかった、きっとその時も味わい深い体験を提供してくれる場づくりがなされていたに違いありません。

 

それにしても……

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なんというかロマン溢れる本たちがひしめき合っていて、夢を見ているかのようです。

本に埋もれることが快感だという御仁であれば、バケッいっぱいに垂涎でしょうな。

 

置いてある本たちのジャンルは、実に豊かなグラデーション。

特に絞られている、というわけではなさそうです。

とはいえこだわりもあるそうで、大手書店に置いてあるようなベストセラーは置いていないようです。

僕も、なかなか見つけられないでいた内田百閒先生のもの3冊と出会えて、これは夢かな?と頬をつねりたくなりました。

 

夢、といえば邯鄲堂という店名にも「夢」がキーとして関わりがありましてな(圧倒的無理矢理感)

中国の故事成語に「邯鄲の夢」というものがありまして、これが店名の由来となっています。

意味としては栄枯盛衰の儚ないことのたとえとして用いられるのですが、束の間の夢を見るように穏やかな時間を過ごすことができますように、というのが店名のニュアンスにはありそうです。

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昔、この古民家はラムネ工場だったのだと、前田さんからうかがいました。

透き通ったラムネを湛えた瓶の中で、しゅわしゅわと生まれては、すぐに消えてゆく泡たちもまた、夢のようなものだったと考えるのは、少し無理があるでしょうか。

 

本屋さんで器の修理?

ここまでで本屋さんとしての紹介を終わってもいいくらいなのですが、実は邯鄲堂さんにはもう一つ、変わった一面があるのです。

それが店主の前田さんが持つスキル、「金継ぎ」です。

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金継ぎというのは、割れたりヒビが入ってしまった器ものの破損部分を漆で接着して、金なんかの金属粉で装飾していい感じに仕上げる修復技法。

形見の湯呑みが割れてしまった、ずっと大事に使っていたお気に入りのお茶碗が欠けてしまった、でも捨ててしまうのはちょっとなあ……という方を救う技術です。

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ピントどこ行ったという感じの写真で分かりづらくて申し訳ないのですが、金色の線が走っているのが見えるかと思います。

これが修復した跡です。

壊れてしまったものを捨てるのではなく、新たな装いで生まれ変わらせる技術、素晴らしいです。

元々お店で店番をしている間、座ってできる仕事をするために習得した技術なのだと前田さん。

同様の理由から、本の紹介をする記事を書いたりもされているのだそうです。

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邯鄲堂カンバッジもあります。

猫ちゃんがデザインされた分は売り切れていました。

 

代わりといってはなんですが、猫のブックエンドをどうぞ。

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ちらりと垣間見える遊び心、素敵です。

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こちら、本の上に本を置いているように見えますが……?

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本にしか見えませんが、なんと木を彫ったものでした。

完全に騙されました。

タイトルのように「KANTANDO」と書いてあるところも芸が細かい。

 

さて、いかがだったでしょうか。

訪れるたびに新たな発見がありそうな予感が漂う邯鄲堂さん。

束の間の夢を求めて、遊びに行ってみてはどうでしょう。

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それでは今回は、ここまで。

今日も、素敵な本と人との出会いに、感謝。

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店主の前田さんが運営するブログには、店休日などの情報もアップされています。

遊びに行く前にチェックするのもよいでしょう。

邯鄲堂の寝言