一箱古本市「ほんのわいち」に出店しました!
みなさん、こんにちは。
今日もだらだらしてますか?
どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。
一度自分の蔵書を持ち出して、お客さんと他愛のない話をしながら本を売る経験をした者は、もう以前の自分には戻れないといいます。
一箱古本市を経験して、本物の本屋さんになる人もあとを絶たないそうで。
加古川、伊丹と今年2回本を売った僕も、着実にそちらに近づいているのでしょうか?
そこのところは分かりませんが、おそらく2018年最後となるであろう出店をキメてきましたので、今回はその時の様子を写真で振り返ろうと思います。
「ほんのわいち」という一箱古本市。
爽やかな秋晴れのもと催された古本市、最高にだらりでしたよ。
ほんのわいちについて
「ほんのわいち」は、今回で5回目となる一箱古本市。
昨年店舗営業を終了して新たなスタートを切った「本と。」さん主催のブックイベントです。
個性的な一箱さんたちが多数出店されており、空き時間を見つけてはフラフラ楽しむことができました!
ほんのわいちでは本だけでなく、音楽ライブや美味しいフードや飲み物の出店も楽しむことができます。
お寺の境内での開催というのは初体験だったので、とても心踊りました。
寺社仏閣では静かにしなさいと教わってきたので、この非日常感はたまらんです、クセになる笑
秋晴れの空に吸い込まれそうになる居心地の良さでした。
会場の様子
お寺で本を売る日が来るとは思ってもみませんでしたが、案外本とお寺って相性がいいのかも?と思いました。
昨今の度を越したハロウィンのような騒ぎになる心配もなく、実に穏やかな会場。
小さなお子さんたちが楽しそうにしている姿も多く見受けられ、誰もが笑顔。
悟りでも開けそうでした。
本を選ぶ人たち、読む人たち、本について語る人たち、様々な姿を目にすることができて、僕は自分のブースで一人ほくそ笑んでいました。
一緒に。
あまりに面白くて。
マザキさんの木製の本のループタイ!
そちら、売らないゾーンの本でございます。
この「どうしても手放せないけど、超面白いからみんなに読んでほしいぞ」コーナーが好評でした笑
僕が付箋を付けまくっている小倉ヒラク『発酵文化人類学』が特にみなさん気になっていたようです(僕が熱を入れて語りすぎたか?)
「吉田篤弘を売るなんてと思ったが、激推しすぎて売らないと聞いて嬉しくなった」という吉田篤弘さんファンの方と盛り上がったり。
このやりとりがまた楽しいんだ。
すごく高い姿勢で本を吟味されているダンディー。
箱主さんたちの多くは本を売っている間にも本を読む本好きたち。
僕の蔵書をこんなに真剣に見てもらえて嬉しい。
お、吉田篤弘さんのサインに気付かれたようですね。
お坊さんも気になる本がありますか?
自分以外の箱が気になりますが、売り場を離れるわけにもいかないので、カメラでズームします笑
お召し物と本の装丁がマッチしてますね。
本があらゆるジャンルと相性がいいことの証明
盛り上がる演奏、ヒーリングを音にしたかのような歌声、元気ハツラツなパフォーマンス。
様々な音楽の在り方を楽しませてもらいましたが、そのどれもが本との相性が良い。
演奏が終わってお寺のあらゆるところから拍手が鳴り渡っていたのもよかった。
基本的に本を選ぶ人たちは集中していますから、そんな最中でも拍手が起こるって音楽の力はすごいですね。
読書のお供の飲み物といえばコーヒー。
美味しくいただきました、510cafe。
今の時代は紙芝居に機関車トーマスをやるんですね!
いやー心地よかった。
本もたくさん旅立っていったし。
もちろん大好きな本を手放すのは寂しさもあります。
それでも、自分の好きなものをより多くの人に楽しんでもらうことにも、僕は喜びを感じるようです。
どうせ本を手にするのなら、楽しんで欲しい。
僕の箱を覗きに来てくれたお客さんには、できる限りたくさんのお話をさせてもらいました。
その結果選んでいただけた本たちとの出会いを忘れて欲しくないと思ってプレゼントしているチェキも、喜んでいただけたのではないかと思います。
「ほんのわいち」って本の持つ不思議な力を的確に表現した素晴らしいイベント名だと思います。
なにせ、本を媒介にした素敵な出会いがあったものですから。
なんと先週遊びに行った滋賀県の「六月の水曜日」さんに選書をお願いされているというBookstylistのニワノナオキさんがお隣の箱で、お近づきになれるという思わぬ巡り合わせが!
不思議なこともあるものですね。
これも本に導かれてのこと、僕たちには何が起こるか分かりませんが、本たちは全てお見通しなのかもしれませんね。
ここからどんな物語が動き出すのか、楽しみです。
次回のほんのわいちも参加希望、ですね。
というわけで、今回はここまで。
今日も素敵な本や人との出会いに、感謝。
X-H1がやって来て1ヶ月が経ちました 本屋撮影という観点からの振り返り
皆さん、こんにちは。
今日もだらだらしてますか?
どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。
ワタクシゴトで恐縮なのですが、僕の手元に富士フイルムの至高のカメラX-H1がやってきて1ヶ月が経ちました。
最高だということは言うまでもないのですが、使い続けて思ったことを頭の整理のためにも書き綴ってみたいと思います。
あ、もう一回言っとこう。
最高です。
というのも、僕が写真を撮る大きな目的の一つに、訪れた本屋さんを紹介するというものがあります。
ここに主眼をおいて吟味した結果、選ばれたカメラが、X-H1。
結果として、この選択は大正解でした。
以下、どういう点が僕の目的にドンピシャだったのかということについて書いていこうと思います。
最高ポイント1:フェザータッチシャッター 本屋さんではお静かに
僕のメインの撮影スポットとなる本屋さんでは、基本的に静かにしていることが望ましい。
お店の方にお願いし、撮影の許可をいただいてから撮影に入る際に、一番気を遣いたいポイントがここです。
店内にいるのは、当然僕だけではありません。
他のお客さんが真剣に本と向き合っているのを邪魔してしまうのは言語道断。
シャッター音だって馬鹿にはできません。
ストリートのように周りに音が溢れているのであればシャッターを切る音も気にならないでしょうが、なにせ本屋さんの中ではお静かに。
そんな状況でスペシャルな力を発揮するのが、X-H1に搭載されたフェザータッチシャッター。
読んで名の如し、鳥の羽のような軽さでシャッターを切ることを可能にし、シャッター音はもはや耳を澄まさないと聞こえないほど。
ページをめくる音にも似たその声は、どう考えても本屋さんにぴったり。
シャッターボタンの下、グリップ部分もこれまでのXシリーズと比べて出っ張っており、しっかりとホールドすることが出来ます。
フェザータッチシャッターとホールド感抜群のグリップのコンビネーションはブレの軽減という点でも、対本屋戦で絶大な威力を発揮してくれます。
頼もしい…
頼もしすぎるぞX-H1!
最高ポイント2:ボディ内手ぶれ補正 本に揺さぶられるのは心だけでいい
さてポイント1の最後で、ブレの軽減について少し書きましたが、X-H1は手ブレに強いというのがもう一つの僕的最高ポイントです。
X-H1はXシリーズとして初めてボディ内部に手ブレ補正機構が搭載された製品です。
詳しいことは全くわかりませんが、3 軸加速度センサー・3 軸ジャイロセンサー・専用デュアルプロセッサーが連動してなんちゃらして、補正動作をなんちゃらで、高速・高精度な手ブレ補正性能をなんちゃらしています!
まあ要するに、全然ブレない!ってことです。
そんなブレないX-H1が屋内での撮影で活躍しないわけがない。
本というものは光に弱いものです。
日光で紙が焼けてしまうのは言うまでもなく、蛍光灯程度の光(紫外線)でも本にはヤケが発生してしまいます。
となると本に優しくするために本は室内に安置されるべきですし、なるべく直射日光は避けたいところ。
一方カメラはというと、光量のない場所に弱い。
これは困りましたね。
暗い場所でたくさん光を取り込んで撮影をするためには、シャッタースピードを遅くしてあげないといけません。
すると、どうしても手ブレが発生しやすくなってしまいます。
シャッタースピードを稼ぐためにISO感度を上げるとノイズが発生してしまう。
万事休したか!と思われたここで、X-H1の5軸5段ボディ内手ブレ補正機構が颯爽と登場です。
室内ではないですが、真夜中の撮影でもブレてなーい。
夜の撮影でも平気なのですから、多少暗い程度の本屋さんで撮るなんて朝メシ前です。
頼もしい…
頼もしすぎるぞX-H1!
X-H1とさらなる高みへ
以上、2つのポイントについて述べましたが、いかにX-H1が本屋さんでの撮影に特化したカメラなのかということがお分かりいただけたのではないかと思います(え?)
もちろん他の目的での撮影も可能ですよ。
焼き鳥屋さんで焼いてる手を綺麗に撮るとか(そうじゃない)
冗談はさておき
ここまでX-H1がお膳立てをしてくれたんです、あとは僕がゴリゴリに技術を磨いて、余すところなく本屋さんの魅力を伝えられるような写真を撮り、文章を書けるようになるだけ。
最高の機材にブッ込んだのですから、言い訳は出来ません。
僕には伸び代しかないと信じています。
そして何より写真を撮るのが楽しくてたまらない。
平日仕事が終わってからも嬉々として写真を撮りに出ています。
もちろんあたりは真っ暗。
そこでもほら、X-H1はしっかり撮ってくれる。
改めて、このカメラを選んでよかった。
バシバシシャッターを切っていきましょう!
と、意気込みつつもやっぱり頭では、いかに本屋さんを撮るかということを考えています。
ん?
おやあ?
あっちに良さげなレンズが見えるな。
本屋さんの撮影に使えるかもしれない。
お店の外観、内観、店主さん、本自体を1本で撮ることのできるレンズかもしれない。
ちょっと見てきますねー!
というわけで今回はここまで。
最後までお読みくださりありがとうございました。
滋賀の素敵な本屋さん、六月の水曜日に行ってきました。
みなさん、こんにちは。
今日もだらだらしてますか?
どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。
僕は本が好きです。
読んでいる本の量は本好きの大学生に毛が生えた程度ですが、堂々と本が好きだと言うことができます。
だからこそ、ものすごい勢いで姿を消しつつある本屋さん、ひいては読書という文化を未来に繋ごうと駆けずり回っています。
盲目的に、と言えるほどに。
「なぜ」現在本屋さんが次々と店を畳んでしまうのかということに考えを至らせることもなく。
これは対症療法的な動きです。
ひるがえって、より冷静な視点で、本・本屋の未来を読み切ろうと日々悶々としつつも、奮闘する人がいる。
そもそもの本屋という存在の在り方を微細に見つめて、システムの側から突破口を模索している。
そんな男に、滋賀の小さな本屋さんで出会いました。
「本の神様がいるのならば、僕はきっと愛されているんだと思う」
今回ご紹介するのは、そんな自負と誇りを胸に、本と向き合う本屋さんの生き様です。
とりとめのない店内
姫路から車を走らせること約2時間。
お店の名前は「六月の水曜日」
本屋さんらしからぬ店名にも興味をそそられます。
お店の前の看板に目にやると「本・本と服・珈琲・映画」とあります。
ますますとりとめのない感じがします。
石?
スクリーン?
美味しいコーヒー?
バー?
本のようですが、中身が見られません。
本と、それを抱くようにして服。
一目みてわかるように、なんとも正体の掴めない、本屋さんらしからぬお店です。
そしてそれらは、全て意図されているのだと、店主のウノさんは言います。
一体どういうことなのでしょう。
本を売らない本屋さんという在り方
上の写真は、お店に入ってすぐに出迎えてくれる本たち。
彼らは購入することができます。
それからお店の奥、畳の間に身を置く本たちもいます。
こちらはウノさんがテーマごとに選書をした、売り物ではない閲覧用の棚。
お好きなのだそうで、村上春樹はどのテーマにも姿を見せます。
階段の下に設けられた読書スペース。
案外集中できそうです。
それにしても、なぜ本屋さんなのに売らない本が置いてあるのでしょうか?
通常、本屋さんはお店に訪れたお客さんに、本を「買ってもらう」ことでお金を稼いでいます。
本を買う、買わないはお客さんの自由。
お店に入って、そのまま出ていくことも普通にあることです。
むしろそちらの方が多いかもしれません。
お客さんがお店に立ち寄る理由はそれぞれ。
移動時間の間に寄る人もいるし、もちろん本を買いに来る人も。
お店にお金が落ちるかどうかは不確定なのです。
これはたくさんの人が訪れる大型書店ならばともかく、小さな本屋さんにとっては重要な問題。
そこでウノさんは「本を売らない本屋」という方向に活路を見出そうとしています。
本を買いに来るための場所ではなく、店主による選書を「見る」ために入店料というかたちでお金を払う本屋さん。
店主は本気の本気、全力で棚を作り、お客さんはそこで最高の本との出会いを得る。
その対価としてお金を払ってもらう。
そのためにわざわざ足を運んでもらえるような本屋さんを、ウノさんは作りあげようとしています。
今はまだお金を出してもらえるような棚の域に達していないと、ウノさんは語ります。
しかし近いうちにウノさんの想いはカタチになることでしょう。
そう思わせる熱量が、ウノさんの口ぶりにはありました。
六月の水曜日が参加している「Little Staff」もそうした流れにある動きの一つです。
これは本屋を「応援する」新しいカタチの取り組みで、登録してある本屋さんを月額300円から「購読する」というもの。
自分の好きな本屋さんが選書し、投稿した画像を見るために毎月300円を払うのを高いと考えるかどうか、人それぞれだとは思います。
ただ、本屋さんを応援したいという人と、それに応えようと全力で選書をする本屋さんとの間に新しいカタチの関係が生まれるのを見るのは、とても楽しいことではないでしょうか。
選書ゾーンにある「考える」コーナー。
本屋さんの在り方についてグッと腰を据えて挑むウノさんに、ぴったりな言葉だと思います。
面白い出会いのカタチはさまざま
素晴らしい出会いを提供するために店内には、ウノさんによる多くの仕掛けが施されています。
先にあげた写真の中で僕が「?」をつけたものたちがそうです。
ここでタネ明かしをするのも野暮ですので、実際に店舗を訪れてウノさんとのやり取りでその面白さを体験していただきたいものです。
ちなみにお店の名前の秘密も教えていただきました。
さて、特色に溢れる店内。
そんな中でも特に存在感があるのが、服です。
これは、小説世界から輸入したような服を制作するbookwordrobeの清水勇気さんの手によるもの。
彼女の作る服たちに魅了されたウノさんが頼み込んで置かせてもらっているのだそうです。
大好きな本屋を守るために、書籍に興味を持ってもらうための手段として服を作り始めた彼女。
まだ販売するには至っていませんが、購入できるようになるのが楽しみです。
一体どんな本からどんな服が生み出されるのでしょうか。
自分を売るそのさきに本屋の未来がある
ウノさんはお話の中で、何度も「僕は自分を売っている」と言われていました。
自分の選書を、自分の好きだと思うものを揃えた居心地のいい空間を、激オシしたい本について語る自分の言葉を、熱量を、その全てをウノさんは「自分を売っている」と表現されたのではないかと思いました。
本に対する熱い想いは、時に書店員やこれまでの在り方にあぐらをかいていた書店にとっては耳が痛い言葉となって溢れることがあります。
でも、それはウノさんが本の未来を思うが故。
こうすればいいんじゃないかと思ったことを実際にやって、成果を見せつけることでこれからの本屋の未来を切り開こうとするその姿は、とても頼もしい。
平日の日中はお店以外の仕事をこなし、夜に店を開ける。
土日も昼からお店を開け、夜遅くまで営業している。
店休日のはずの水・木の晩には、やっぱりお店を改良するためにあちこちいじってみる。
オフは、ありません。
途方も無い情熱です。
頭から立ち上る湯気が見えるようです。
これほどまでの熱量を無視できる神様がいるでしょうか。
聞く人によっては傲慢とさえ思えるほどの「僕は本の神様に愛されている」という言葉には、神様、強運、追い風、お客さん、そして本屋の未来すら引き寄せるような、確かな力強さがありました。
本を並べる仕事はカッコイイ、そういうウノさんの立ち働く姿は、確かにカッコよかった。
17時半ごろにお邪魔して、お店を出たのは22時半過ぎ。
ウノさんの熱量を頭から浴びた体に吹き付ける外の風が頬に心地よかった。
だらり庵史上、最長の滞在時間でした。
まだまだ聞きたい話はあったし、ここに僕が書いたことも話の中の5%にも満たないと思います。
ただ全部書こうと思ったら5万字くらいいきそうなので、ここで一旦擱筆です。
お店のレイアウトの次の姿はもう固まっているのだそうで、また遊びに行った時には新しい姿で楽しませてくれることでしょう。
というわけで、今回はここまで。
今日も素敵な本と、人との出会いに感謝。
※お店の名前をGoogleマップに打ち込んでも、まだヒットしないので、遊びに行かれる際には住所を入力しましょう。
2019年はペンタックス100周年!秘密のロードマップに135mm単焦点が!?
みなさん、こんにちは。
今日もだらだらしてますか?
どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。
今日は僕が欲しいと思っているレンズについて書いてみようかと思います。
僕の好きな焦点距離
カメラをやっている人には、好きな、もしくは得意な焦点距離というものがあると思います。
広角、標準、望遠、マクロと魅力的なレンズが様々なメーカーから出されていて、僕たちユーザーはレンズを選ぶだけでも一苦労です(おまけにボディもたくさん!)
さて、誰も興味はないでしょうが、僕の好きな焦点距離を申し上げておきます。
僕は35mm判換算135mmのレンズが好きです。
僕がこの焦点距離に興味を持ったのは、髪を切って写真を撮る人、富士フィルムブログ界の雄 あめちゃんさんのブログがきっかけでした。
被写体がこれでもかっ!!てくらいに浮き上がる富士フイルムのXF90mm F2 R LM WRという最高なレンズで切り取る画に、僕は一発で魅了されてしまいました。
究極の撒き餌カメラX100Fの存在と、この魅力的なレンズを知ったことで、僕は富士フイルムのカメラでレンズ交換がしたくなり、X100Fを手放し、X-T20とXF90mm F2、ひいてはX-H1を購入することになってしまったといっても過言ではありません。
今では立派に富士の病だと言われるようになりました。
XF90mmを購入してどうだったかというと、どうもこうもなく最ッ高でした。
ことあるごとに僕はこのレンズで写真を撮っています。
このレンズ無しに僕のカメラライフはありえないとも言うことができるほどです。
と、ここまでXF90mmサイコー!という話をしてきたんですが
そんな話をしたいわけじゃないんですよ。
今回は、僕が欲しいレンズについて話したいのです。
ペンタックス K-1で135mmを使いたい
僕にはここぞ!と言う場面で持ち出す大好きなカメラがあります。
ペンタックスというメーカーの、K-1というフルサイズ一眼レフカメラです。
この、3640万画素の高画素機で135mmを使いたい!
というわけで、みんなのフォトヨドバシが実写レビューで「究極の135mm 単焦点」と言ってはばからない、SIGMA 135mm F1.8 DG HSM (Art) SEが欲しい!と早速調べてみました。
おお、1,150グラム、さすがに重たいな(でも筋トレすればいいか)
フィルター径も82mm、でっかいなあ。
値段も……おお……(でも毎日もやし食べて頑張れば…)
ほんで、対応マウントが
おや?
ペンタックス、ないな?
ないな……
仕方ないのかな……
業界シェアとか…色々あるし
そもそも135mmをメインで使う人の数もあるし…
でも悔しい!!
僕も135mmをフルサイズ機で使って幸せになりたかった!!!
素敵な彼女がいるのに、美女を撮るこの男のように!!!
くっ…
K-1で中望遠、諦めるしかないのか…
そう思っていた僕のもとに、とある情報が舞い込んできました。
2019年はペンタックス100周年
悲嘆にくれる僕の耳に飛び込んできたのは、2019年がペンタックスブランドの元となる旭光学工業100周年を迎えるにあたり、RICOHがなにやらお祝いイベントをするらしいという情報。
様々な情報の中で言われているのが、なにかしらのカメラ、もしくはレンズを発表するのではないかということ。
おお!
これは素晴らしいことだ!
そう思い、さらに調べを進めてゆくと、とある情報が。
ペンタックスはオープンになっているカメラとレンズのロードマップとは違う、社内だけの秘密のロードマップを有しているというのです。
その中にHD PENTAX-D FA★135mm F1.4 ED DC AWの文字が!
防塵防滴で、最新の工学技術を駆使した“エアロ・ブライト・コーティングII”を採用して優れた低反射特性を実現している。
開放F値も1.4で、背景のボケ味を生かした大口径レンズならではのポートレート撮影にもってこい!
しかもスターレンズ!
それなのに重量は856グラム!
SIGMAより約300グラムも軽い!
どうやったんだPENTAX!
ともかく、やった!!
待ちに待ったペンタックスの135mmがこんな最高の形で誕生するなんて!
これで僕のK-1は無敵だ!!
……という、そんな夢を、見たんだ。
正夢に、ならないかな。
山口の素敵な本屋さん、ロバの本屋に行ってきました。
みなさん、こんにちは。
今日もだらだらしてますか?
どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。
10月頭の3連休は車を飛ばして地獄に落ちたり、友人の結婚式に出席したりと割と大忙しでした。
出かけて行ったということは、帰路が無条件で発生する。
当然のことです。
しかし、どうも庵主にはそういう頭が無いようで、いつも気軽に出発してはヒイヒイ言いながら帰ってくる。
そりゃそうなんですよ。
行きは体力満タンですが、帰りは体力を削った状態からのスタートになるのですから。
その辺を良い加減学習したらどうなのかと思うのですが、今回も毎度のだらだらしないだらり庵かましてきました。
舞台は山口県の山の中。
だらり庵史上最も過酷でありながら、なぜかいつもと違って帰路に体力ゲージが回復していたという不思議な本屋さんに行ってきた時の様子を、写真で振り返ろうと思います。
いつからだらり庵は秘境ハントブログに?
まずはお目当の本屋さんにたどり着くまでの様子をおさめた写真を見ていただきたい。
折り重なるように迫り来る、山・山・山。
種田山頭火じゃないんだから。
本屋さんに向かってるはずなのに、なぜか「分け入っても 分け入っても 青い山」な状態……。
岩肌なんかゴッツゴツです。
水墨画かいな。
人生で初めて工事中の交互通行信号を徒歩で経験しました。
行く手を阻む魔獣(ヘビ)もいるし。
「命を刈り奪る形をしている」武器を構えたモンスター(カマキリ)も!!
写真を載せるのは控えますが、「鹿だったモノ(後脚は食いちぎられたようになっている)」が川を流れていくのも目撃しました。
僕のなつやすみでも始まるんです?
とまあ、歩いているうちに、自分が何をしているのかわからなくなってきた頃、ようやくお目当の本屋さんがその姿を見せました。
こちらがその外観。
いや、民家やんというツッコミが聞こえてきそうですが、間違いではありません。
元々牛舎だった小屋をコツコツ改装してできた、この建物こそが正真正銘、僕がずっと訪れたいと思いながらも、そのあまりの秘境っぷりに長らく足を運ぶことができずにいた、とっておき。
「ロバの本屋」さんです。
ちなみに仰々しく書いてきましたが、車で来ること、できますですよ。
むしろそれ一択です。
数台分ですが駐車場もあります。
じゃあなんで歩いて来たんだ、と言われると……。
さあ、ああだこうだやってないで、早速お店に入ってみましょう!
中の様子
入り口から中を覗くと、雄大な山々に面したカウンター席が並ぶ喫茶スペース。
こちらではのんびりとカフェメニューを楽しむことができます。
もともとはロバロバカフェというカフェを営んでいた、オーナーのいのまたさんのパンプレートはぜひ味わいたいところです。
この日のメニューはこんな感じ。
本を買ってからいただきましょうかね。
とくれば、さっそく本棚を見ていかねば。
思わず何の説明も付さずに写真を羅列してしまいました。
でも、このお店の静かで優しい時間・空間にはこの方がいいのかな、と思うのです。
歩いてここにたどり着くまでに見かけた家は数えるほど。
車もほとんど通りません。
喧騒とは無縁の店内で、本をじっくりと吟味する。
なんと贅沢な時間でしょうか。
本棚を眺めているだけで幸福な気持ちになれるお店は、そうあるものではありません。
文句なく、素晴らしい。
新刊本が多いですが、古本の棚もあります。
彼らを読んできた人たちの手触りというか気配というか、そうした目に見えないものもお店とマッチしています。
彩りを添える雑貨たち
店内には本たちに寄り添うように、作り手さんの息遣いが感じられそうな雑貨も並べられています。
雑貨というか焼物ですね。
引きで撮ってしまいましたが、原稿用紙のコーナーです。
食器とノートが同居していても、なんの違和感もありません。
どちらも中身を静かに受け入れる寛容さを持ったウツワです。
木の食器のすべらかさはぬくもりが感じられます。
ロバの本屋さんを語る際に外せないものの一つに、マスキングテープがあります。
マスキングテープをおしゃれなものとして世に広めたのがいのまたさんなのだそうです。
たくさん素敵なマステがありますので、色々見ているだけで楽しいです。
遊びゴコロたち
そして何よりも、いのまたさんの隠しきれない遊びゴコロたちが愛くるしいのですよ。
店内の様々なところに可愛らしい子たちがいます。
ぜひ遊び行った際には、これらのステキを探してみてください。
今日のパンプレートでだらり
いやはや、満喫してしまいましたな。
欲しい本も買ったし、カフェスペースでだらりキメちゃいますか。
というわけで今日のパンプレートを注文しました。
かぼちゃのポタージュ、ミニ食パンのオープンサンド(アンチョビチーズ、クリームチーズ+ハチミツ)、おしぼり
体が喜ぶ味がします。
美味しい!
なーんにも思いわずらうことなく、どこまでも深い山々を眺めながらパンをいただいて、食後にはコーヒーなど飲みながら、本を読む、そういうことが私はしたい。
そう思っているそこのあなた!
できるんです!!
ロバの本屋なら!
そんな贅沢なことしていいのかしら、そう思っているそこのあなた!
いいんです!!!
ロバの本屋なら!
日常じゃ絶対に味わえない豊かな時間、これを得ずには死ねませんぜ。
看板猫のミーコやん。
「おう、寄ってきな」
そんな声が聞こえてそうなふてぶてしいポジショニングが好きです。
お客さんがページをめくる音に耳を澄ませているのでしょうか。
人懐っこい看板犬ビクター君。
ビクターくんや、ミーコやんのくつろぎ具合を見てもお分りいただけるように、ここには他にはない時間が流れています。
目には見えないけれども、体の奥底が確実に感知している、その緩やかな時間の流れの心地よさは、体験した者にしかわかりえないものなのです。
都会の喧騒にもまれて忘れてしまったものを取り戻しにいける、とかそういうんじゃない、積極的にいろんなこと忘れに行こうぜ。
ぜひ!
ぜひ足を運んでもらいたいなあと、激しくオススメせずにはいられません。
というわけで、今日はここまで。
ちと遠いですが、また何度も通いたくなるお店を見つけてしまいました。
困ったものです。
今日も素敵な本と人との出会いに、感謝。
下記、お店のページへのリンクです。
営業時間や、大まかな地図など、こちらで確認することができます。
何度でも言うよ。みんな地獄に落ちればいいのに(2ヶ月ぶり2度目の大分県別府市の鉄輪温泉へ)
みなさん、こんにちは。
今日もだらだらしてますか?
どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。
今年の8月、お盆休み期間中に、地獄に堕ちたという記事を書きました。
その時の地獄体験があまりにも良かったので、ことあるごとに楽しかった、最高だった、月イチ、いや週イチで地獄に堕ちたいとふれ回っていたところ、たくさんの人が地獄に興味を示してくれました。
ありがたいことです。
さらに地獄滞在中にお世話になった、地獄アンバサダーよしづみ氏の溢れる知性に魅了される方が続出。
僕のあずかり知らぬところで、思いがけず多くの繋がりが生まれていたようです。
素晴らしいことです。
あれから約2ヶ月。
10月の3連休中日、友人の結婚式で福岡に行く予定があったので、その前に地獄キメとくことにしました。
今度は前回の記事で地獄に興味を持ってしまった、哀れな潜在的地獄人たちを引き連れての旅になりました。
迫りくる台風をものともせずに堕ちてきましたので、その時の様子を写真多めで振り返ろうと思います。
- 登場人物紹介
- AM05:00 出発
- AM06:11 吉備サービスエリア
- AM09:40 佐波川サービスエリア
- AM10:00〜到着
- 昼食 人気のお食事処「とよ常」で絶品天丼をペロリ。
- 双葉荘へ
- 前哨戦 VS秋刀魚と鰯with七輪 ときどき日本酒
- 鉄輪の街でプチフォトウォーク
- お待ちかねのひとっ風呂
- 地獄蒸し開演
- 朝風呂、朝フォトウォークという贅沢
登場人物紹介
よしづみ氏
敏腕地獄アンバサダー。庵主とは大学の同級生。これまでに数多の人間を地獄に送ってきた罪深き男。
根拠地としている双葉荘の方々に「こんなに頻繁に来てお金大丈夫なのかねえ」と心配されている。
イズロン氏
アンバサダーの大学時代のサークルの友人。
日本有数の名湯「道後温泉」を擁する愛媛県の生まれでありながら、よしづみ氏によって地獄送りにされて以来、その虜になっている。
使用カメラはRICOH THETA。
西嶋さん
兵庫県加古川市の会いに行きたいデザイナー。地獄当日も仕事をしていたため、スーパーメインイベント地獄蒸しからのエクストリーム参加。
温泉に浸かったのは5年ぶり。
使用カメラはRICOH GR。
ロペスくん
加古川市のWEBメディアPaletteの編集長。元教育者であり、まちづくりの道を模索する26歳。
痛風や知らない間の骨折、Palette存続の危機と、何かと大変なようなので、今回庵主の強権が発動し、地獄送りに。
今、兵庫県で最も地獄が必要な男。
使用カメラはPENTAX K-S2。
KPの購入を検討中。
綾音さん
ロペスくんのパートナー。
七輪で焼くために秋刀魚を買ったものの、捌いたことないよ〜、どうしよ〜と右往左往する男たちを、華麗な包丁捌きで魅了した。
美味しい秋の味覚を味わうことができたのは、ひとえに彼女のおかげである。
(イナさん)
遠く茨城(イバラキ)から参戦予定だった天才。
急な出張が入ってしまい、参加見送りの一報が伝えられた時、男たちは血の涙を流した。
お越しいただくことはかなわずだが、きっと奥儀エアさんぽで参戦してくれていたはず。
使用カメラはFUJIFILM X-pro2。
AM05:00 出発
だらり庵 庵主の朝は早い。
お昼過ぎ別府集合なので、出発は必然的に太陽の頭頂部すら見えないAM3時30分になりました。
約30分車を走らせ、姫路から加古川までロペスくんたちを迎えに。
1時間程度のロペスくんの寝坊も想定している庵主の読みは鋭い。
4時集合と伝えていながら、実際には5時頃の出発になると想定。
ですので、集合時間通りのロペスくんの登場に、庵主は驚きを隠せませんでした。
おいおい時間通りなんて聞いてないよ。
と焦ってよく見ると、綾音さんの姿が見えません。
綾音さんが遅れるとは夢にも思っていませんでしたが、結局当初思い描いていた時間通りに出発。
好調な滑り出しです。
ロペスくんは納豆巻きとサンドイッチで早めの朝食。
AM06:11 吉備サービスエリア
ロペスくん、牛タン串を賞味。
AM09:40 佐波川サービスエリア
ロペスくん吉野家で牛丼(特盛)を食す。
AM10:00〜到着
ロペスくん就寝。
というわけで、別府に到着するまでの流れを簡単にたどりましたが、運転中はちょうど九州の北部に台風25号がいらっしゃいまして、終始強風にハンドルをとられていました。
幸い何事もありませんでしたが、不要不急であれば台風に突っ込んでいくのはやめましょう。
昼食 人気のお食事処「とよ常」で絶品天丼をペロリ。
お昼はよしづみ氏に連れられて別府でも有名な「とよ常」さんで天丼をいただきました。
合流したばかりですが、自己紹介もそこそこに、全員で特上天丼を注文。
とりあえず聞いてください。
850円ではないですよ、このボリュームと美味しさ。
いきなりの強烈な先制パンチに、この時点で三食済ませているロペスくんもご機嫌でした。
夜はまた表情を変えるようなので、ぜひまた訪れたいですね。
双葉荘へ
お腹を膨らませて大満足な一行は、さっそくお宿に向かいます。
申し上げるまでもなく、行き先はよしづみ氏のホーム「双葉荘」
部屋になだれ込むと、一息つくまもなく買い出しに。
最高の夜を迎えるためには、ここでぬかりなく下準備をしておくことが肝要なのです。
何事もそう。
最高の結果を得るためには、最善の準備が大事なのですぞ、とか言ってみる。
今回地獄蒸しに立候補してくれた超クールなやつらをここで紹介するぜ。
冷凍シュウマイ
前回の地獄戦における庵主的MVP。ご家庭では絶対に到達することのできない境地を見せてくれる。
ベーコン
もやし、粗挽きコショウとの相性は無敵。朝でも夜でもイケるやつ。
エビ
初挑戦。茹で上がりの鮮やかな紅色は、目にも美味しい。当然、味も素晴らし。
鶏モモ
前回はササミ。西嶋さんの強い希望により、スタメン入り。ぷりっぷり。
鯛のアラ
まさに至高。これを味わうことなく死んでゆく者が不憫でならないと、経験者が口をそろえる存在。
豆腐
西嶋さん熱望。まだベストシーズンの冬になっていないというのに、圧倒的なパフォーマンスをみせた怪物。冬が来たらどうなってしまうのか。目が離せません。
もやし
彼なくして地獄蒸しは高みに昇れません。全ての食材のポテンシャルを引き出しつつ、そっと下支えしてくれる名バイプレイヤー。
そして今回底知れぬ実力を示してくれたのが、玉ねぎ。
いいですか皆さん、春先の新玉ねぎではありません。
ただのオールシーズン玉ねぎが、あんなことに……。
とまあ、そうそうたるメンバー。
美味しくないわけがない。
約束された優勝に、この時点で僕のテンションはできあがっていました。
前哨戦 VS秋刀魚と鰯with七輪 ときどき日本酒
買出しを終えて宿に戻った一同は、ここでようやくひと心地。
ちょうどおやつの時間でもあったので、秋刀魚と鰯を焼くことに。
秋を感じられるナイスなチョイスです。
さっそくお酒を片手に火をおこします。
イズロン氏、ボーイスカウト時代に火おこしを習得していたロペスくん両名の活躍で、見事に七輪に火が。
この間僕が何をしていたかといいますと、炎に見とれながら足湯をいただいておりました。
だらり庵の面目躍如です。
ふはは。
団扇を使っての大車輪のご活躍、お疲れ様でした、暑いでしょう、汗でも流してきてくださいよとねぎらう風を装いながら、ロペスくんを双葉荘の内湯に送り込みます。
ロペスくんが湯船で蕩けている間に、良い具合に焼けた秋刀魚と鰯をはふはふ、大分自慢の日本酒「ちえびじん」でクイっ…!と。
ほわっほわにほぐれた白身に、さりげない炭の香り、そして全てを際立たせる優しい甘さのお酒。
メインイベントの前に優勝してしまいました。
恐ろしいことです、僕たちはこの時点でまだ真の地獄を味わっていないというのに…優勝してしまった…。
鉄輪の街でプチフォトウォーク
台風にも負けない執念の男、西嶋さんが午後8時頃に到着するという連絡が入り、俄然テンションが上がる一同。
お酒も入って良い感じです。
イズロン氏のTHETAで遊んだり。
パシャり。
おおお。
この写真、それぞれ机の三方向に陣取っているところを撮影したのですが、面白いですね。
西嶋さんの到着まで、少し時間があったので、撮り歩きをすることに。
肩まで地獄に浸かりきったよしづみ・イズロンのプロ2人は部屋でゆっくり。
ここからは日暮れの温泉街の様子をお送りします。
猫まみれだ!
どこ行ってもビール探してる…?
後半はただのカップルのデートを撮影するおっさんにジョブチェンジしました。
隠れてまで撮る。
二人は仲良し。
お待ちかねのひとっ風呂
たくさんの猫を浴びて部屋に戻ると、まもなく西嶋さんが到着。
気合が入りすぎて凄いTシャツをお召しです。
ついに時は満ちました。
タイム・イズ・ナウです。
地獄蒸したくて逸る気持ちを抑えつつ、みんなでぞろぞろと外湯に向かいました。
地球の深奥から湧き上がるパワーを受け取って食物を調理しようというのですから、事前に身を清めておく必要がありますからね(単に撮り歩きで汗をかいたのが気持ち悪かったからではありませんとも)
我々が訪れたのは「夢たまて筥」
広々とした浴槽から溢れるお湯はまさに、ちょうどよさの極地。
打たせ湯あり、箱蒸風呂あり、電気風呂あり、もちろんサウナも。
だらりの極みともいうべき至福の時間を過ごしました。
頭も体も空っぽにして、地獄をその身に受け入れる準備が整いました。
さあ、あとは全てを大地に委ねて、蒸すのみ。
地獄蒸し開演
潔斎を終え、部屋に戻った一同は、粛々と神聖なる宴の準備にとりかかります。
大きなテーブルいっぱいに新聞紙を敷き、選び抜かれたお酒を並べます。
ごくシンプルな調味料たち、ポン酢、粗挽きコショウ、柚子コショウも忘れずに。
そして祭壇を整える者たちから離れたところ、すなわち地獄の釜の前では、闇の神官たちが皿に盛られた食材を、釜の中へと捧げ入れています。
その様子はまるで、失われた古代の祭祀の再現であるかのよう……とか言ってみる。
でも本当に、食材をただ蒸すだけというシンプルな調理方法は、人間という余計な要素を排除しているというその点において、まさに聖性を獲得していると言えるのではないでしょうか。
と、冗長にさらなる適当をかましている間に、蒸しあがりましたよ。
お待ちかね、ここからが本当の地獄だ……!!
これこれ。
日本中どこにでも売ってる冷凍のシュウマイが人智を超えた存在になった瞬間です。
お箸を止めるな!
あまりに美味しすぎるものを前にすると人は争いを始めてしまうのかもしれませんね。
そんな人間の業を見せつけてくる辺りが、地獄たる所以か。
なんと福々しい紅白。
ほら、画面の前のあなたもお口をお開け。
そしてきました。
今大会のMVP。
通常の食材であれば、5〜10分も蒸せば充分ですが、玉ねぎだけはなかなか地獄アンバサダーから蒸しあがりの合図が出ません。
30分ほども蒸したでしょうか。
待ちに待ちを重ねたその先に、究極を見ました。
上の写真の中心部分を拡大したものです(撮影機材はK-1にSIGMA 35mm F1.4 Art)
伝わりますでしょうか、何かが触れた瞬間崩れ落ちてしまいそうな、玉ねぎとしての形をギリギリで保っているその様子が!
実際箸をつけた途端、無抵抗にほどけた玉ねぎを見て、僕たちは悲鳴に近い声を漏らしてしまいました。
そして同時に思ったのです。
これを新玉ねぎでやったらどうなるのか…淡路島の新玉ねぎでやったら…と。
世界に新たな大罪が芽生えた瞬間でした。
宴は大いに盛り上がり、地獄の鬼たちは草木も眠る深夜2時まで飲み食いを楽しみましたとさ。
めでたし、めでたし。
朝風呂、朝フォトウォークという贅沢
明けて午前6時半。
地獄にも他所と変わらぬ朝が来ました。
遅くまで飲んでいたにも関わらず、まだ地獄で写真を撮り歩いていない西嶋さんにお供する、朝強いマンの庵主です。
他の酔いつぶれた鬼たちを起こさないように、宿を抜け出す二人。
というわけでここからは2度目のフォトウォークで撮った写真を載せていきます。
また猫撮ってる。
もっと違うニュアンスを表現したかったのはわかる。
地面から立ち昇る湯気、もちろんあったかいです。
涼しくて心地よかった。
魅力的なお土産たち。
いい感じに撮り歩いても、まだ早朝の域。
やっぱり早起きはいいですな。
軽やかな薄さと控えめな甘さがクセになるゆあみせんべい。
焼きたてをくれたお店のお母さんたちも、元気いっぱい。
オススメです!
夢たまて筥にも再訪して、朝風呂をキメて、最高。
昨晩は地獄蒸しが控えていたので、パスしていたゆで卵もいただきました。
かすかな硫黄の香りと塩味が許しがたいほど美味。
卵の余韻を味わうために、館内の飲食スペースでしばし呆けて過ごしました。
脳みそ流れ出すんじゃないかってぐらい脱力できて、最高にだらり庵。
その後お向かいの里の駅かんなわでお土産を物色。
こちらの蒸気具合がとても良い感じだったので、大量に写真を撮ってしまいました。
竹で編んだざるの質感に魅せられました。
異国感すらあります。
普段は賑わっているであろう場所に人がいないのって、良いですよね。
ツルツルのテーブルに空が。
いやー、無事にお土産も買い、楽しく写真も撮れて、大満足です!
楽しい時間もいつかは終わるもの。
だけど、あくまで「今回の」地獄が終わっただけのこと。
地獄はいつだって僕たちに、そして別府の地にあり続けます。
さあ、地獄の最盛期、冬が近づいていますよみなさん。
今から楽しみですね。
地獄アンバサダーよしづみ氏、次は何を仕掛けてくれるのでしょうか。
次もまた、楽しみです。
鳥取の素敵な本屋さん、邯鄲堂に行ってきました。
みなさん、こんにちは。
今日もだらだらしてますか?
どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。
先日、鳥取の汽水空港というすんばらしい本屋さんに遊びに行ってきました。
その時の様子は以下の記事にまとめてありますので、よろしければ併せてお読みください。
さて、汽水空港の店主 モリさんが、とある本屋さんが面白いよと教えてくださいました。
それはぜひ機会があれば遊びに行ってみたいものです!と申し上げましたらば、なんと同じ鳥取にお店を構えているというじゃありませんか。
そうとなったらすぐさま行くしかない!
ということで、台風24号が迫っていたのですが、汽水空港を辞去したその足で、お勧めしていただいたお店へと向かいました。
今回はその時の様子を写真で振り返りたいと思います。
先に言っておきましょう。
鳥取、侮れませんぞ。
旅人は本屋で束の間の夢を見るか?
迫り来る台風に飲まれてしまうことを恐れながら、汽水空港から車を走らせることおよそ1時間。
件のお店は鳥取市内にありました。
屋号を邯鄲堂(カンタンドウ)といいます。
外観からしてもう、なんとも堪らない雰囲気でしょう?
ノスタルジック溢れてござる。
とはいえ、本屋さんは外観ではござらん。
早速中に入ってみま……
おぉぉ…
うぇ〜い……
アイヤー、本棚が空中を走ってルヨー。
これは夢か……?
ご覧いただいた通り、只事ではない店内の様子。
縦横無尽に走る本棚。
圧倒的重厚感。
とはいえ収まるべきところに収まっていることがわかる安心感。
この景色、ちょっと他ではお目にかかったことがないですね。
本やらなんやらに囲まれたこちらの女性が、店主の前田環奈さん。
邯鄲堂がオープンしたのは、2012年の10月。
元々はJR鳥取駅前にお店を構えていたのを、2015年にこちらのリノベーションした古民家に移転されたとのこと。
以前のお店にも遊びに行ってみたかった、きっとその時も味わい深い体験を提供してくれる場づくりがなされていたに違いありません。
それにしても……
なんというかロマン溢れる本たちがひしめき合っていて、夢を見ているかのようです。
本に埋もれることが快感だという御仁であれば、バケッいっぱいに垂涎でしょうな。
置いてある本たちのジャンルは、実に豊かなグラデーション。
特に絞られている、というわけではなさそうです。
とはいえこだわりもあるそうで、大手書店に置いてあるようなベストセラーは置いていないようです。
僕も、なかなか見つけられないでいた内田百閒先生のもの3冊と出会えて、これは夢かな?と頬をつねりたくなりました。
夢、といえば邯鄲堂という店名にも「夢」がキーとして関わりがありましてな(圧倒的無理矢理感)
中国の故事成語に「邯鄲の夢」というものがありまして、これが店名の由来となっています。
意味としては栄枯盛衰の儚ないことのたとえとして用いられるのですが、束の間の夢を見るように穏やかな時間を過ごすことができますように、というのが店名のニュアンスにはありそうです。
昔、この古民家はラムネ工場だったのだと、前田さんからうかがいました。
透き通ったラムネを湛えた瓶の中で、しゅわしゅわと生まれては、すぐに消えてゆく泡たちもまた、夢のようなものだったと考えるのは、少し無理があるでしょうか。
本屋さんで器の修理?
ここまでで本屋さんとしての紹介を終わってもいいくらいなのですが、実は邯鄲堂さんにはもう一つ、変わった一面があるのです。
それが店主の前田さんが持つスキル、「金継ぎ」です。
金継ぎというのは、割れたりヒビが入ってしまった器ものの破損部分を漆で接着して、金なんかの金属粉で装飾していい感じに仕上げる修復技法。
形見の湯呑みが割れてしまった、ずっと大事に使っていたお気に入りのお茶碗が欠けてしまった、でも捨ててしまうのはちょっとなあ……という方を救う技術です。
ピントどこ行ったという感じの写真で分かりづらくて申し訳ないのですが、金色の線が走っているのが見えるかと思います。
これが修復した跡です。
壊れてしまったものを捨てるのではなく、新たな装いで生まれ変わらせる技術、素晴らしいです。
元々お店で店番をしている間、座ってできる仕事をするために習得した技術なのだと前田さん。
同様の理由から、本の紹介をする記事を書いたりもされているのだそうです。
邯鄲堂カンバッジもあります。
猫ちゃんがデザインされた分は売り切れていました。
代わりといってはなんですが、猫のブックエンドをどうぞ。
ちらりと垣間見える遊び心、素敵です。
こちら、本の上に本を置いているように見えますが……?
本にしか見えませんが、なんと木を彫ったものでした。
完全に騙されました。
タイトルのように「KANTANDO」と書いてあるところも芸が細かい。
さて、いかがだったでしょうか。
訪れるたびに新たな発見がありそうな予感が漂う邯鄲堂さん。
束の間の夢を求めて、遊びに行ってみてはどうでしょう。
それでは今回は、ここまで。
今日も、素敵な本と人との出会いに、感謝。
店主の前田さんが運営するブログには、店休日などの情報もアップされています。
遊びに行く前にチェックするのもよいでしょう。